HOME記事キャラクターモデル『ガルパン最終章』第4話より継続高校のBT-42突撃砲を再現! タミヤ1/35を基にソリをスクラッチで作り起こす

『ガルパン最終章』第4話より継続高校のBT-42突撃砲を再現! タミヤ1/35を基にソリをスクラッチで作り起こす

2024.02.20

BT-42 継続高校【タミヤ 1/35】 月刊ホビージャパン2024年3月号(1月25日発売)

BT-42 突撃砲 継続高校 イメージカット

“継続の韋駄天”を決戦装備で製作!

 めでたく映像ソフトの発売日も決定した『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話。今回は大洗女子学園と継続高校の試合終盤で登場した新装備のBT-42突撃砲を作例でお送りしよう。『劇場版』では軽快な機動力を武器に、頼もしい味方として初登場した継続のBT-42。強敵として相まみえる『最終章』第4話ではその機動力をさらに強調するように、なんと雪上用のソリを装着。リーダー格のメンバーを失いながらも必死に食らいつく大洗を容赦なく翻弄し、手に汗握る試合を展開した。作例は『ガルパン』のBT-42製作は3度目となる山田卓司。現実には存在しないソリをスクラッチで作り起こし、決戦に臨む姿を再現している。

BT-42 突撃砲 継続高校 正面1
BT-42 突撃砲 継続高校 背面
操縦手ハッチ
BT-42 突撃砲 継続高校 正面2

▲試合終盤の舞台となった雪山の斜面を十全に活かすため、BT-42は一時離脱後にソリを装着して再参戦。大洗の度肝を抜いた(梓と同じ顔になってしまったファンは少なくないハズ…)。作例はソリ装着直後の姿を指標として製作。操縦手ハッチも開いた状態で完成させている

塗装途中
▲雪上迷彩はグレー立ち上げで、ランダムに太さを変えながら白を塗装して表現している
パーツにデカールを張り付け
▲校章はモデルカステンのガルパンデカールを使用。ディテールを跨ぐ砲塔の校章は、軟化剤と蒸しタオルの合わせ技で密着させた
前輪に装着したソリ 塗装前
前腕に装着したソリ 塗装後

▲ソリは設定画から寸法を割り出してプラ板でスクラッチ。履かせると若干車高が上がるので、他の転輪が接地するようサスペンションを可動式で製作している

テクスチャーペイントの粉雪で足周りの雪を表現
▲テクスチャーペイントの粉雪で足周りの雪を表現。フェンダー裏に意識的に盛り付けると雰囲気が非常によくなる
完成状態
製作途中 前面
製作途中 背面
▲塗装前状態。『ガルパン』版BT-42は実車と大きな変更点がなく、本体のみならかなり再現しやすい車輌である。そのぶんソリの製作に注力できるので、ぜひ再現にトライしてみてほしい
ソリ層津悪独語
▲ソリ装着直後の状態を再現、ということで、劇中描写から砲塔左側面に2ヵ所ダメージ痕を製作。試合が進むにつれて右フェンダーや砲塔天面などにも損傷を負っていく
砲塔天面ハッチ
円形凸モールドをプラ板で追加
▲砲塔天面ハッチの脚や、車体後部の円形凸モールドをプラ板で追加。右側の備品箱および砲塔のピストルポートなど、実車ではアシンメトリーな箇所が左右対称の形となるのもポイント

 私にとっては『劇場版』の月刊ホビージャパン作例、「マスターモデリングガイド」掲載分に続いて3度目のBT-42。『最終章』第4話では意表を突いたソリ装備のスノーモービル風スタイルです。劇中での隊長車&フラッグ車として縦横無尽の活躍が印象的でした。
 使用キットはもちろんタミヤの1/35。入手しやすくサクサク組めます。おまけに考証もバッチリ。普通に作って継続高校の校章を付けるだけでも充分な再現度といえますが、劇中設定画にこだわるこちらの記事ではマスターモデリングガイドに準じた工作を基本に、加えてソリを新造しました。

まずは『ガルパン』版相違点。
•機関室天面排熱口形状およびメッシュパターン変更
•ペリスコープカバーを開けてアーム追加
•砲塔右側にも監視口&ピストルポート追加
•アイボルトサイズアップ
•車体右側の備品箱変更
•車体後部ハウジングカバーにリベット追加
•車体左右前方に装甲板追加
•機関室ハッチの円板大型化
•車体後部ショベル取り付け具の位置変更
•車体後部にパイプ(?)を追加(今回初発見です)

 履帯は後方転輪3つにしか付かないのでモデルカステンの可動式に変更しています。ガイドホーンありなしの2枚で1セットなので長さが合わず、今回はガイドホーンなしのものを2枚続けてつないで調節しました。なお、第1転輪にソリが付くと、そのままだと第2、第3転輪が浮いてしまいますので、サスペンションアームの軸に0.8mm径真鍮線を刺して可動化させています。
 メイン工作のソリは設定画を図面に0.5mmプラ板を使って基本形を作り、リベットの付くプレート部分は0.3mmプラ板を使いました。リベットは0.4mm径プラ棒をスライス。こちらは量が多く、しかも左右2個分あるので少し厄介でした。第1転輪に接着し固定しています。塗り分けがシビアになるところですが足周りは雪が付着するのでそれほど神経質になる必要はないでしょう。
 塗装は全体にラッカー系塗料のグレーを塗装したあとにエアブラシを使ってフラットホワイトで冬季迷彩。ハンドピースを近付けたり放したりしてランダムに塗装しています。迷彩のあとで車外装備品など細部を塗装。
 砲塔左右の校章デカールはピストルポートと監視口に掛かって貼りにくいため、蒸しタオルやデカール軟化剤を使って密着させます。
 仕上げの氷着した雪は、タミヤのテクスチャーペイントの「粉雪」を水性アクリル溶剤で溶かしながら塗り付けました。付けすぎたなと思ったら溶剤で拭き取って調節。履帯は可動部を固めないよう注意して塗ります。

タミヤ 1/35スケール プラスチックキット フィンランド軍突撃砲 BT-42 使用

BT-42 突撃砲 継続高校

製作・文/山田卓司

『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話 Blu-ray&DVD、2024年3月27日発売決定!

© GIRLS und PANZER Finale Projekt

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山田卓司(ヤマダタクジ)

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