ガンプラ汚しの前に戦車のリアルな汚れを観察!『陸上自衛隊広報センター りっくんランド』取材レポート【ウェザリング特集】
2024.02.12
ガンプラを汚す前に、マジの汚れを見に行こう!![陸編] 月刊ホビージャパン2024年3月号(1月25日発売)
ガンプラ汚す前に、マジの汚れを見に行こう!!
実際の汚れを見る! それだけでウェザリング塗装に対するイメージが豊かになります。ここでは陸の王者と言える戦車を見ながら、どんな風に汚れているのかをピックアップ。陸上自衛隊広報センター りっくんランドの取材写真や、日本に里帰りした95式軽戦車、総合火力演習の写真を見ながら、ガンプラ汚しのヒントを掴みましょう!
取材地/陸上自衛隊 広報センター りっくんランド
住所/〒351-0012 埼玉県朝霞市栄町4丁目6
開館情報/午前 9:30〜11:45、
午後 13:15〜16:45 午前・午後の入れ替え制
駐車場開門時間/午前 9:00〜11:45、
午後 13:00〜16:45(受付時間 閉館の15分前まで)
休館日/月曜日・火曜日・年末年始
(休館日が祝日にあたる場合は翌日の平日が休館になります)
入館料/無料
▲画像は16式機動戦闘車(試作車)。陸上自衛隊の最新鋭車両を至近距離から眺めることができます
陸上自衛隊 広報センター りっくんランド
74式戦車
▲ホビージャパンからもプラキットが発売中の「74式戦車」。現在は退役が進んでいますが、陸自の戦車といえばこれ! という人も未だに多い大人気戦車です
サビやひび割れがかっこいい!!
▲フェンダーのハッチ。細かなサビや、塗料がひび割れている様子が見られます
サビ垂れ、ホコリ汚れの宝庫!
▲戦車をリアから。ヒンジやフックから垂れるサビ、浮き上がるサビ、そして野外展示されたことによる雨垂れなどが確認できます
10式戦車
▲現在の陸自主力戦車である10式(試作車)。比較的新しい車種ですが、こちらもしっかりと汚れていますよ〜
プラモの作例みたい!!(逆でしょ!)
▲お手本にしたい見事な雨垂れ。ボルトや装甲板の隙間から垂直に無数の“線”が垂れています。マゼラ・アタックの足周りに応用したらめちゃんこかっこよくなりますね
こんなに白くなるんですね!!
▲サイドスカートやフェンダーに採用されているラバー素材。こんなに退色するんですね。ゴム素材の退色表現は、ガンダムNT-1やザク・マリンタイプなどのシーリング関節表現に応用したいところ
侘び寂びを感じますね〜〜
▲フックから垂れた雨垂れにより、塗料も退色。ひとつの面にさまざまな緑色が見受けられます。この色褪せて汚れた感じ、マヂ渋くてカッコE…ズゴックE…
足周りの泥汚れは「動く戦車」でチェック!!
雨垂れやサビだけでなく、泥汚れは陸物の汚れのメインディッシュ。お次は九五式軽戦車や総合火力演習で実際に動き回った戦車の足周りを見ていきましょう。
日本に帰ってきた九五式軽戦車!
泥や草がてんこ盛りだぞ!!
▲イギリスから日本に里帰りした九五式軽戦車が、日本の泥を纏う姿に感動…。90年前の戦車のリアルな姿を令和に見ることができた幸せ。サスペンションの上に降りかかる土、履帯にごっそりと泥や草が噛んでいる様子はとても参考になりますね
総合火力演習を駆け抜けたタンクの足周り
汚れたてを堪能!!
▲リアスカートや、車体下部に泥や砂汚れが見えます。総合火力演習では実際に動いてきた車両ならではの「汚れたて」を体感できます
しっとりとしてますね〜〜
▲転輪の縁にはついたばかりの泥が。中央部についた泥は乾いて白っぽくなっています。この土が含んでいる水分量で泥の色が変化します。泥汚れの表現としてとても参考になりますね
乾くと驚きの白さ
▲こちらの転輪は泥がカピカピに乾いて白くお化粧したみたい。転輪奥のサスペンションにはまだ乾いてない泥が付着しているのも見えますね。いつかアインラッドのガンプラが出たら、盛り込んでみたい表現です
細かな泥ハネや傷がかっこいい!
▲泥が跳ねている方向や雨垂れが流れている方向に注目!! 戦車の進行方向に沿った汚れが付着しています。汚れに方向性を持たせることで、「さっきまで車両が動いていた」イメージを見る人に強く伝えることができますね
そんな風に泥って付くの!?
▲サイドスカートの1/3くらいに付いた泥。このような泥のつき方は実物を見ないとイメージが湧きにくいですね。ドム・トローペンの足にはこんな表現が似合いそう
「人」の存在を感じる汚れ!!
▲側面装甲に設けられた足掛け。自衛隊員のブーツから泥が削げ落ちたような汚れが付着しています。こういった人の存在を感じる汚れというのも模型に説得力を与えてくれます。NOTガンプラですが、スコープドッグのフロントアーマーを汚すならコレですね!
番外編!!! 最強の1/1を見る!!!
これは映画『フューリー』(2014)に登場した劇中使用車のシャーマン イージーエイト。映画制作陣が本気で作り上げた模型的実車です。ド派手にウェザリングされており、ホコリ汚れや土汚れも見事。模型的アプローチがふんだんにあるので見ていて飽きません。
戦場のハードさ体感
▲退色表現から各部のダメージ…映画スタッフが考証を重ねて作り上げたイージーエイトはまさに“模型的実車”といえます
背中で語ってますね
▲汚しのかっこよさ全部盛り!!! ザクやグフの背にも予備弾倉や武器を吊り下げて、自分だけのMSを作りたくなりますね