プラキット初の4段変形再現!「MODEROIDオーガス」をディテールアップ作例でキットレビュー!【超時空世紀オーガス】
2024.02.08オーガス【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2024年3月号(1月25日発売)
驚異の4段変形キットをさらにディテールアップ
2023年、TV放送40周年を迎えた「超時空」シリーズ第2弾『超時空世紀オーガス』より、主人公機オーガスが待望のMODEROID化。プラキットとしては初のフライヤー、ガウォーク、タンク、オーガロイドの4段変形を完全再現。差し替えパーツなしで4形態すべてにおいてベストプロポーションを実現した驚異のスーパーキットだ。作例は超良好なキットの素性をそのままに、変形機構により生じる隙間を解消。外装内部のチラ見えする隙間にもディテールを追加し、まさに隙のない仕上がりを目指している。
オーガロイド
フライヤー
タンク
ガウォーク
【カラーリングデータ】
白部=C316番・ホワイトFS17875
黒部=C40番・ジャーマングレー+C2番・ブラック
赤部=UG04番・MSレッド→XC03番ルビーレッド
クリアー部=裏面にタミヤLP-48 スパークリングシルバー→表面にC46番・クリアー
■桂木桂は特異点
時空振動弾の暴走により時空は混乱し、世界は相剋界(そうこくかい)に包まれあらゆる多元世界の混じったパッチワークのような世界、「混乱時空」と化した。並行世界の人種が混在し、軌道エレベーターが存在する世界観はスタジオぬえ原作ならではでSF要素がてんこ盛りである。
オーガスだが、桂木桂が所属していた自由宇宙軍での乗機 「AV-11D ブロンコ II」を改修する際、エマーンの標準的なドリファンド「モラーバー」の腕部を取り付け「オーガス」として再生した。慣性制御技術の応用もされ、フライヤー、ガウォーク、タンク、オーガロイドの4形態に変形可能。
キットは一部差し替え箇所はあるものの4形態に変形する。肝となる胴体部分は「可動フレーム」と表現したくなる複雑な構造となっており、そのおかげで各形態に破綻なく変形できるのだ。各形態に対応するために各関節の可動範囲は広いのだが、脚部や腕部関節周辺に空間があり内側が丸見えなのはいささか寂しいので、ポイントを絞った改修を行う。
■腕部
ヒジ関節の内側が丸見えで何とかしたいと考えあぐねていたのだが、きしめん状のケーブルを這わせたら上手くいくのでは? という妄想に基づき実験を重ね、結果0.56mmのジュンフロン線を12本並べて瞬間接着剤で接着し、S字に曲げてヒジ関節に差し込むことで前腕内部に滑り込むようにした。可動範囲を保ちつつ見映えも良くなった。それに伴い凹部にエバーグリーンのプラシート ドロップサイディング1.5mmピッチを貼り込みディテールの親和性を保つ。
■脚部
スネ内部は空間があるぶん関節越しに内部がよく見えるので、内部壁面にディテールを追加する。ヒザ関節は軸から放射状に、くるぶし関節は関節軸と同期する位置を設定して、やはり放射状に0.3mmプラ板を縦に貼り込む。また、接続軸が見えやすいスネ正面では雄側に4mmプラパイプを被せることで段差をなくし違和感を解消。タンク形態時に回転するふくらはぎのユニット内部にネオジム磁石を仕込み、非展開時の安定を図った。
■塗装
可変機構が肝なメカニックなので「茶」の部分専用のサーフェイサーを調色。ガイアノーツ サーフェイサーエヴォのオキサレッド+フレッシュにC43番・ウッドブラウンとC2番・ブラックを若干添加。これを主翼、関節、内部機構に使用し、それ以外の箇所にはガイアノーツのNAZCAメカサフ へヴィを使用した。
塗り分けは極力マスキングで行い、エッジへの物理的チッピングとMr.ウェザリングカラー グランドブラウンによるスミ入れを施し完成させた。
グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット “MODEROID”
オーガス
製作・文/只野☆慶
MODEROID オーガス
●発売元/グッドスマイルカンパニー●7000円、1月予定●約16cm(オーガロイド時)●プラキット
ⓒ 1983 BIGWEST・TMS
只野☆慶(タダノケイ)
各種造形、デザイン、模型製作を生業とする。造形・塗装表現も幅広くウェザリングも得意。