フォビドゥンガンダムを改造して水中仕様のフォビドゥンブルーに! 背部ユニットから細部のギミックまで見事に再現された力作をご覧あれ【機動戦士ガンダムSEED MSV】
2024.01.21GAT-X255 水中機動試験型フォビドゥンブルー【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2024年2月号(12月25日発売)
水中機動試験タイプを形状・ギミックともにフルスペックで製作!!
月刊ホビージャパン2024年1月号のレイダー制式仕様に続き、今回ではフルメカニクス フォビドゥンガンダムをベースとした「フォビドゥンブルー」をお届けしよう。製作は数々のスクラッチ作例を手掛けている田中康貴が担当。水中用にチューンされた背面ユニットは芯こそ使用できるもの、ほぼ大半をスクラッチで製作。細部のギミックも再現した力作だ。これで月刊ホビージャパン連載公式外伝『機動戦士ガンダムSEED MSV』の中でもトップクラスの人気を誇る3機が作例で勢ぞろいすることとなった。
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■はじめに
フルメカニクスのフォビドゥンガンダムをベースにフォビドゥンブルーを製作しました。キットがハイディテールかつアレンジが効いた仕様なので、設定画を参考にしつつ「もしフォビドゥンブルーがフルメカニクスでキット化されたら」という想定のもと作業を進めています。
■ガンダム本体
各関節のジャバラモールドをプラ板工作等で再現しています。また、腹部の細さ、サイドアーマー先端の厚み、アンクルアーマーの上下幅と周辺の空間が少し気になったので、プラ板を貼ってボリュームを出しています。このあたりの工作は大型の装甲アレイとのバランス調整も兼ねています。
■バックパック
キット形状や各部の位置関係を利用しつつ改造しています。プラ板工作メインですが、推進器付け根はケミカルウッドという樹脂ブロックを加工したものを原型にしてレジン複製しています。ナイフやヤスリの通りが良くて便利でした。テイル外装はプラ板の箱組みで、ジョイントパーツを差し込むことで展開状態を再現しています。
■装甲アレイ
耐圧性の観点からはシンプルなほうがいいのでしょうが、一番目立つ箇所で面積も広いため情報量を増やしたい、そしてキットのゲシュマイディッヒ・パンツァーのようなカッコよさを出したいと思い、基の設定形状を尊重しつつアレンジを効かせる方向で製作しました。アレンジに関しては設定画に描かれたカブトガニのマーキングからヒントを得ています。こちらもケミカルウッドでパネルラインごとに分割して作ったものを原型としてレジンで複製しています。スパイクは基部がニーズヘグを複製したもので、プラ板とプラパイプで製作した2軸ジョイントにより展開します。
■武装関係
魚雷ポッドはメインとバリエーション2種を製作。主にプラ材と市販パーツ、ジャンクパーツの組み合わせです。メインの先端はプラ板ゲージにプラパイプを8本立てて、隙間や周りをエポパテで埋めて削り出しています。完成時にバランス良く穴が配置されているか心配でしたが、まずまずの仕上がりだと思います。トライデントは強そうに見えればと思いアレンジを加えました。プラ板とプラパイプ、ジャンクパーツを使用。柄はニーズヘグを利用しています。
■塗装
本体青=インディブルー+GXクリアバイオレット+GXクリアピンク+蛍光ピンク
本体グレー(濃)=サーフェイサー1500(ブラック+ホワイト)+レッド+ブルー
本体グレー(やや薄)=グレー(濃)+クールホワイト
本体グレー(薄)=グレーバイオレット+クールホワイト
本体黄=イエロー+レッド
本体赤=レッド
武器等シルバー=シルバー+ウイノーブラック
マーキングはキット付属のものと手元にあったデカールを併用しています。装甲アレイのGATとカブトガニはデカールが用意できず…、ということで0.3mmのプラ板で頑張って製作、ついに完成です!
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “フルメカニクス” フォビドゥンガンダム 改造
GAT-X255 水中機動試験型フォビドゥンブルー
製作・文/田中康貴
©創通・サンライズ
田中康貴(タナカヤスタカ)
月刊ホビージャパンを代表するスクラッチモデラーのひとり。プラ板を使用したパーツ製作を得意とし、細かなギミック再現にも秀でている。