「HGガンダムマックスター」満載のギミックを活かしたレビュー作例! 塗膜への負荷を減らすキモはネオジム磁石での接続だ!
2024.01.20GF13-006NA ガンダムマックスター【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年2月号(12月25日発売)
チャンピオン・チボデーの愛機がガンプラのリングに返り咲き!
皆さんお待ちかね! 『機動武闘伝Gガンダム』(1994)より、ネオアメリカ代表のモビルファイター・ガンダムマックスターがついにHG化を果たしました。劇中で披露したボクサーモードへの変身や、今川泰宏監督新考案のオリジナルギミックまで、キットのバリューは本当に盛りだくさん。今回も月刊ホビージャパン2023年4月号のHGガンダムローズに続いて、田村和久がレビューを担当。完成度の高いキットの魅力をじっくりご紹介しましょう。それでは、ガンダムファイト レディ・ゴーッ!!
前回のHGガンダムローズの記事はこちら
プレバンから新作ガンダムマックスターが登場! 先にリングに上ったHGガンダムローズ同様、プロポーション良し、色分け良し、ギミック再現良しの、高水準キットになっていて好感触です。ただし、アーマー着脱などの要素は塗装派に厳しく、そのあたりをどう対処していくかが製作のキモになりそうです。
まず、本体と胸部プロテクターの接続は、塗膜への負荷を減らすためにネオジム磁石を仕込みました。ネオジム磁石はダボ穴に丸形のものを入れて接着固定したりと、なるべく加工の手間を減らすように、基のパーツ形状を活用していくのがよいと思います。
同様に、ギガンティックマグナムと太モモの接続にもネオジム磁石を搭載。接続ピンを適当な位置でカットし、中心部にピンバイスで穴を開け、磁石を入れます。瞬間接着剤で磁石をパーツに接着し、市販ディテールパーツで穴にフタをして工作完了となります。脚部側の接続穴にも市販パーツを入れてディテールアップしておくとよいでしょう。
足首のアンクルアーマーも着脱ギミックの対象です。ここもネオジム磁石で…と思いましたが、磁石は引き合わせる以外の方向には弱いので、回転方向の負荷(自重)に耐えられず、アーマーが常に下方向に向いてしまうことが考えられます。また、足首パーツと同じ角度(水平)に接続されているため、スネから足先へのラインがきれいにつながりません。これらのことを解決するため、自作の接続パーツを製作しました。アンクルアーマーと足首を接続するためのピンはキットのものを再利用したいので、エッチングソーできれいに切り離しておきます。足首ボールジョイントの受け側に、上から覆い被さるような形状の「コの字」型パーツを基本に、接続ピンが元の位置と同じになるように、間にプラ板をスペーサーとしてはさみ込みました。ある程度強度が必要になる部分ですので、強めの溶剤系接着剤を使いしっかりとプラ同士を接着させます。最後にパーツをそれらしい形に整えて製作完了です。
■カラーレシピ
白=GX1 クールホワイト95%+13番ニュートラルグレー5%
青=110番キャラクターブルー70%+80番コバルトブルー30%
赤=108番キャラクターレッド
黄=113番RLM04イエロー
グレー=ガイアカラー ミッドナイトブルー
関節=サーフェイサーエヴォ ガンメタ
武器=ガイアカラー ミディアムブルー80%+ガイアカラー ミッドナイトブルー20%
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレード”
GF13-006NA ガンダムマックスター
製作・文/田村和久
HG ガンダムマックスター
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2915円、受注終了●1/144、約12cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム
ⓒ創通・サンライズ
田村和久(タムラカズヒサ)
ていねいな工作と的確な改造センスが光るメカモデラー。清潔感のある塗装表現とディテールアップを得意とする。