彫刻家兼モデラーの大森記詩による新連載企画「MIXINGSCAPE」。「ミキシングビルド/キットバッシング」手法でオリジナルSFメカを製作&製作プロセスをお届け!
2024.01.11MIXINGSCAPE/ミーレン級電波観測機“ケルフィム”【スクラッチビルド 1/16】 月刊ホビージャパン2024年2月号(12月25日発売)
今回からスタートする「MIXINGSCAPE」は、彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシングビルド/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画である。多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々をぜひともお楽しみいただきたい。
HPはこちら:kishiomori.com
ミーレン級は、ウランファン大同盟の長距離観測隊用に開発された電波収集機である。本級は開発当初から人類領域外での長期間の浸透任務を想定したいわゆる“同盟型”に分類される機体の第一世代であり、大同盟の重工業を牽引した地下都市国家インダッドと、輸送大動脈を通じて各地のコロニーを支援していた大交易都市国家パシャンガの方針が強く反映された。機体の主要部分はインダッドが設計製造を担い、観測機器についてはパシャンガの改良型が採用されている。
“ケルフィム”はパシャンガのヴァンドッヘル工廠で組み上げられた本級の最初期型であったが、カキャンタンステップにおける大規模無人製造プラントの探索に従事していた長距離観測隊ノスターヤ=イルでは、本機に標準搭載型よりも出力を向上させた対機械群用の指向性防御装置グルージャを搭載するなど、前進拠点での各種試験機としても用いられた。こうして、観測情報だけでなく本機から得られたデータもまた、後の電子戦機開発に大きく貢献している。ミスティーフといった後継機が登場して以降も度重なる改修を受け、後年はコロニーと都市国家を往還する陸上船団の護衛機として、同型機の中ではもっとも長く運用された。
1/16スケール スクラッチビルド
ミーレン級電波観測機 “ケルフィム”
製作・文/大森記詩
全高39cm×全幅40cm×奥行き40cm
大森記詩(オオモリキシ)
1990年生。彫刻家。作品制作と並行しながら、模型誌や映像作品・イベント用造形物の製作に携わる。月刊ホビージャパンでは他にも筆塗りをメインとした作例や、各種作図等も担当。愛車は200DUKE。HP:「kishiomori.com」