HOME記事キャラクターモデル完全新規設計で再キット化! 「1/72ダンバイン」をスミ入れ、基本工作仕上げでキットレビュー【聖戦士ダンバイン】

完全新規設計で再キット化! 「1/72ダンバイン」をスミ入れ、基本工作仕上げでキットレビュー【聖戦士ダンバイン】

2024.01.09

ダンバイン【BANDAI SPIRITS 1/72】 月刊ホビージャパン2024年2月号(12月25日発売)

ダンバイン イメージカット

聖戦士、再臨──

 『聖戦士ダンバイン』放送40周年を迎え、完全新規設計で再キット化された1/72ダンバイン。放送当時のプラキットと2000年発売のHGAB版、そして今回のHGキットと数度のリメイクを経たことで、そのプロポーションは決定版と呼んで差し支えないものとなっている。また、細身のボディながらポリキャップレスで関節が設計されているため、プロポーションが破綻することなくアニメさながらのスムーズなアクションポージングを可能としている点も注目だ。さらに胸部キャノピーの新提案など、最新の技術とアイデアが満載のダンバイン。不破優(アニメリアルタイム視聴世代)製作のレビューを通して、ハイポテンシャルキットの魅力をご覧いただこう。

ダンバイン 正面
▲程よく丸みを帯びた手足やディテールのアレンジが加わっていないシンプルなスタイルは、まさに宮武一貴氏が描く設定画稿イメージそのもの。40年を経て今なお色褪せない、唯一無二のデザインをそのまま写し取ったかのような完成度だ
ダンバイン 背面
胸部キャノピー開閉 比較
胸部パーツ ハーフミラーメッキ 内側

▲本キット注目の胸部キャノピー。内側からは外側が透けて見え、外側からは内側が見えない新技術「ハーフミラーメッキ」でコーティングされており、素組みの状態でも鏡面のように周囲の景色を反射する。このキャノピーはアンダーゲートで表面処理の必要がないため、作例でも無加工、未塗装のまま使用。外側から一切見えないとはいえ、内部のシートもしっかり再現されているのがうれしい

ポージング画像
▲ドラムロを一蹴! 頭を上向かせるための3重首関節やつま先クローの可動、前腕のロール軸など、飛行姿勢やアクションポーズ再現のために最適化された関節を全身に内包。ゴム製ではなくリード線で再現された肩のケーブルも腕の可動を妨げない
オーラ・ショットの弾倉
▲キットのオーラ・ショットの弾倉は砲口部と一体成型されているが、作例ではこれを切り離して弾倉を本体から脱着できるように小改造
頭部パーツ 側面
▲好みで襟足の部分にエポパテを盛ってアウトライン形状を変更している
太モモパーツ
▲太モモパーツ、ヒザ側の端部にヤスリがけをして厚みを削り、薄く見えるように加工(写真左側)
スネパーツ 背面
スネパーツ 素組みとの比較

▲スネ後ろのパーツ分割線の処理。ピンクのフィン状パーツと六角形のパーツを切り離しておいて、塗装後に後ハメできるように加工。足の爪はナイフで削って尖らせている

ポージング画像2
▲オーラ・ショットは2挺付属するので、OPなどで見られる両手持ちが再現可能。設定どおり前腕部クローにトリガーを引っ掛けることができる
ポージング画像3
▲股関節の引き出し式関節+2重ボールジョイント、さらに2重ヒザ関節の恩恵によりヒザを突いた姿勢も楽々
ポージング画像4
▲背部オーラ・コンバーターは側面などにパーツの分割線が出てしまうため、接着して分割線を消した
首とヒザ裏の筋繊維状ディテール アップ
▲首とヒザ裏の筋繊維状ディテールは、ひとつひとつの筋を丁寧に彫ってより立体的に仕上げた
腕部パーツ
▲前腕は接着して合わせ目を消し、1mm真鍮線でヒジ側との接続方法を変更して後ハメ加工。ギュッと握った拳はBクラブ(懐〜!)のHGダンバイン用改造パーツセットから拝借
オーラ・ソード 比較画像
▲作例のオーラ・ソード(写真左)は刃の厚みを取るため、両面をナイフでカンナがけして薄く鋭く加工
オーラ・コンバーター アップ
▲オーラ・コンバーターの噴射口は16番濃緑色+1番ホワイトの混色でドライブラシ
素組みとの比較
▲素組み(写真左)と並べて。外観にはほとんど手を加えていないことがわかる。手足の黒いラインはキットではシールが用意されているが、作例はタミヤアクリル塗料 ジャーマングレイをエアブラシ→台所用合成洗剤ではみ出た塗料を拭き取る方式で塗り分けた
ポージング画像5
▲左右2対の翅は、ボールジョイントで上下左右に動かすことができる。作例は49番クリアーオレンジ+GXクリアゴールドを上塗り後、Mr.ウェザリングカラー ラストオレンジでスミ入れし、繊細な翅脈状モールドを際立たせた

 40年前に開かれたオーラロードの導きで、バイストン・ウェルの物語に魅了されてしまいました。当時の自分は設定資料を買い漁ったり、ダンバインキットの入荷日に模型店に突撃したり、とにかく『ダンバイン』漬けの日々。今でも必ず年1回は全話観るようにしています。
 当時モノのキットは2回ほど金型を調整(頭部と足)しており、メーカーの作品に対する力の入れようがわかります。そして23年前にはHGABシリーズが登場、さらに今回再びHGでリニューアルされることからも、その熱意が伝わりますね。肝心のキットは、設定画や劇中のイメージを取り込んだ素晴らしい造形、最新技術の関節構造など見どころ満載な意欲作となっています。

■製作
 従来のキットと比較すると少し頭部が大きめですが、これが設定画にソックリ! 造形、パーツ構成、分割、どれも素晴らしいの一言。襟足部分のラインは好みでエポパテを盛って形状変更しています。襟部分はナイフでカンナがけしてフチを薄くしました。
 股関節は2重ボールジョイントになっています。動かしているとボール軸の塗膜が剥がれる可能性があるため、仮組みを繰り返して硬すぎず、緩くなりすぎないように調整しました。脚部の黒いラインはナイフでスジ彫りをランダムに入れてなるべく生物感が出るようにディテールアップしていますが、完成してみるとあまりわからないですね(汗)。
 オーラ・ショットはうれしい2挺付属。オープニングでは毎回両手持ちでしたが、劇中では第6話「月の森の惨劇」でゼラーナから発進するシーンで一瞬両手持ちのカットがあるものの次のカットではすぐに左手だけになってしまい、結局一度も右手側は使われませんでした。オマケで今回はマガジンを切り離しできるようにしています。

■塗装
 本体は34番スカイブルー+67番パープルを混色した色で下地を塗ってから、本体色を塗ることでほんのりグラデーションを付けています。
本体色1=聖戦士ダンバインカラー オーラパープル1
本体色2=聖戦士ダンバインカラー オーラパープル2
緑=16番濃緑色
黄=58番黄橙色+1番ホワイト
爪=69番グランプリホワイト+黄橙色少量 付け根部分は49番クリアーオレンジ
目=75番メタリックレッド下地にガイアカラー クリアーピンク
 Mr.ウェザリングカラーのレイヤーバイオレットでフィルタリングしたら、本体は半光沢、拳と緑色の足部分はツヤ消し、爪は光沢で仕上げました。
 HGビランビーも発表されましたし、バンダイさん、次はドラムロをぜひぜひ!

BANDAI SPIRITS 1/72スケール プラスチックキット “ハイグレード”

ダンバイン

製作・文/不破優

HG ダンバイン
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●3850円、2次受注終了●1/72、約15.5cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

商品ページはこちら

プレミアムバンダイ

ⓒ創通・サンライズ

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不破優(フワユウ)

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