怪獣と情景物は「ツーカー」!コモリプロジェクト的情景空間演出
2023.12.21 コモリプロジェクトHP
Youichi Komori Official Web(y-komori.net)
皆さん、こんにちは。コモリプロジェクト代表の小森です。今回は情景空間演出と銘打って、コモリプロジェクト的遊びをご提案したいと思います。実はちょうどこの記事を書いているタイミングで怪獣王の新作、『ゴジラ-1.0』が公開されました。試写を観た方からの前評判は聞いてはいたのですが、フタを開けたら想像を遥かに上回る盛り上がり。怪獣ファンのひとりとして心から嬉しいです(といいつつ、まだ観に行けていないんですが……)。さて、怪獣といえば外せないのがビルや電車、鉄塔、車など僕らの身の周りにある情景物です。これらは日常の中に現れた非日常を演出するうえで欠かせないものですし、怪獣の巨大感を示す対比として使ったり、縦や横といった空間演出にも存分に力を発揮します。今回のゴジラも予告編で思いっきり電車にかぶりついていましたね。電車の大きさが頭に入っているからゴジラの巨大さが否応なく伝わります。ラドンが舞い降りる岩田屋デパート、キングギドラの引力光線を浴びて崩壊する鳥居、ガラモンがへし折る東京タワー、ゴモラが破壊する大阪城など挙げていけばキリがありません。つまり怪獣と情景物は「ツー」と「カー」の深い関係なのです。当然ながらキットとも相性は抜群で、こだわり抜いて仕上げたキットの周囲に情景物を置くことで世界観は一気にふくらみます。今回、玩具メーカーのトミーテックさんから素晴らしい商品をご提供いただきました。その名も『ジオコレ 建物コレクション』、しかも廃墟ですよ、廃墟! 1/150で表現された廃ビルや解体中の建物、破壊されたビルにお馴染みの高圧鉄塔など、なんたるこだわりかと呆れんばかりのラインナップです。キットと組み合わせるととんでもない親和性が発揮され、そこかしこから物語が浮かび上がってきます。というか、そのために造られた商品といっても過言ではありません。いやぁ、素晴らしい。
来年、新たな展覧会が企画されています。その会場ではさまざまな怪獣ディオラマを皆さんに見ていただこうと計画しています。あぁもう楽しみは尽きることがありませんね。
文/小森陽一
撮影・構成/土井眞一
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小説・文筆家であり怪獣ガレージキットメーカーも立ち上げた小森陽一氏セレクトの怪獣ガレージキット。熱い怪獣愛で怪獣ファンも認める小森氏が、各メーカーの怪獣ガレージキットを塗装完成品と大迫力の特撮写真で解説していく作品集です。
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© 円谷プロ
小森陽一(コモリヨウイチ)
●1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』など著作多数。