3Dモデリングの作業工程を簡潔にご紹介!ダークアドヴェント「ソフィア」を追加パーツ製作で魅力倍増!
2023.12.053Dモデリングでソフィアの魅力を倍増させる!
アルファマックスおよびスカイチューブから発売されているDarkAdvent。キャラクターデザインにsaitom氏、素体ボディに浅井真紀氏という強力タッグを開発に据え、豊富な差し替えパーツがもたらす高いプレイバリューと類を見ない“セクシー要素”によってガールズプラモの中でもひと際異彩を放つシリーズです。
そんなDarkAdventからは「ソフィア リラックスver.」をお届けします。製作はRikkaが担当し、基イラストに近い印象に仕上げてもらいました。とはいえ、塗装だけでは限界はあります。そこで現在は「聖闘士聖衣神話」をメインに手掛ける、月刊ホビージャパンでもお馴染みの南田香名氏および氏が率いるチームミュークリエを招いて、3Dモデリングで表情3パターンを新造。さらにオリジナルの髪型3パターンも造形してもらい、より多様なシチュエーションを演出できるようになりました。3Dモデリングの流れも解説していくので、デジタル造形に興味がある方はぜひ参考にしてください。
まずはキットの内容だけで仕上げる
3Dモデリングでお好みのスタイルに!
3Dモデリングの流れ(解説/南田香名)
ここからは3Dモデリングの作業工程を簡潔にご紹介。使用するソフトはデジタル原型では王道と言えるZBrush。
はじめに
ガールズプラモスタイル刊行おめでとうございます! 南田香名です。ロートルの身でありながらご指名いただきましたので、7年ぶりの作例、老骨に鞭打ってみました!
3Dモデリング
今回は専門誌として月刊ホビージャパンより突っ込んだ作例を、とのことで、スクラッチパーツで新規表情とヘアスタイルアレンジを提案。また、昨今作例でも見かけるようになったデジタル造形の紹介、というお題をいただきました。普段私がZBrushを使用してフィギュアの原型を作成する過程のご紹介となりますが、ごく一部の機能しか使えていない(汗)ので、その程度の機能でもこのくらい作れます程度にご参照ください。
ソフィア
さて、そのアイテムとして指定されたのがガールズプラモ界の神、浅井氏が企画に携わっているDarkAdvent。どういうハードルの上げっぷりでしょう(泣)。ヘアスタイルアレンジなので、顔はキットパーツを使用すれば良いのですが、デジタルで顔とフィットするパーツを作るには顔パーツのデータ化が必要です。それはそれで作例としてハードルが爆上がりなので、採寸で済む首のボールジョイントから先を製作する形にしました。せっかく顔も作るのであればさらに表情のバリエーションも欲しい! 編集部の欲望は止まりません(笑)。
改めてキットの髪を見てみると、インジェクション成型に適応したアンダーテーパーのない、それでいて立体感が充分に感じられる見事な匠の造形。それに舌を撒きつつも、成型都合を無視できるので、そういったことを抜きにした造形でまとめてみました。
ひとりではない、この戦い!
造形補助やアイペイントのデカール化などはミュークリエのメンバーにも手伝ってもらいました。ありがとう! そして、8年前の引っ越しで塗装環境を失ったままの悲しき身。塗装やキット製作は現役バリバリのRikkaさんに。とても可愛く仕上げていただいて感謝しかありません!
南田香名(ミナミダカナ)
かつて月刊ホビージャパンにおいて大活躍したレジェンドモデラー。現在は造形チーム・ミュークリエを率いて、主に「聖闘士聖衣神話」シリーズといった商業原型を手掛けている。X(Twitter)ID:@MinamidaKana
悪魔の力を借りし少女(成人済み)の休日
みなさんまた会いましたね! Rikkaです(笑)。闇の力(ダーク)を降臨(アドヴェント)させる少女たちのプラモデルシリーズより、ソフィア リラックスVer.を製作しました。今回の見所はやはり3Dモデリングで製作されたフェイスおよび髪型パーツです。南田香名さんの手によって、フェイスと瞳デカールはイラストに寄せる形で作られています。髪型もロングヘア、ロングツインテールと、迫力満点の出来映えです。今回はこれらを組み込んだ形、ボリューム満点な作例となります。
製作について
キット部分はストレートに製作。イラスト寄せのオーダーでしたので、普段は肌の影色にペールレッド系を使用することが多いのですが、今回はイラスト寄りの効果を狙ってノーツフレッシュピンクを使用しています。今後もキャラクター性に合わせて使っていきたいなと思う色味でした。
前述のオリジナルパーツは3Dプリント製のため、積層痕やサポート痕の処理をしてから塗装に入ります。3Dプリントレジンは瞬間接着剤を使用して穴埋めなどを行なっていきます。こちらのレジンはラッカー塗料がプライマーなしでも食いつくものもあるのですが、マスキングなどで剥がれてくる時もあるので、念のためプライマー入りのサーフェイサーを下地にし、その後通常のプラモデルと同じように塗装していきます。胴体黒部は下地の窪んでいる部分にこっそりと赤を忍ばせ、それを残すようにフィニッシャーズ カーボンブラックマットを上掛けしています。
豊富な付属品
このアイテムにはテーブル、ポテチ、缶チューハイなどの面白い付属品がつき、プレイバリューの高い遊び方ができます。その表面部分は水転写デカールを貼り付けていく形になりますが、この水転写デカールがちょっと硬めかつ曲面に貼り付けていくようになるため、貼り付けにはちょっとコツがいります。説明書に貼り方の解説があるので、それを守るようにして作業をしてもマークセッターやマークソフターなど、扱うのに注意が要るものが必要です。特にポテチ袋などは慎重に一枚ずつ貼るようにしてみてください。
(文/Rikka)
アルファマックス ノンスケール プラスチックキット“DarkAdvent”
ソフィア リラックスver.
製作・文/Rikka
3D造形/南田香名&チームミュークリエ
DarkAdvent ソフィア リラックスver.
●発売元/アルファマックス●5940円、発売中●約16cm●プラキット
ガールズプラモスタイル#01
2,420円(税込)
Ⓒ Masaki Apsy Ⓒalphamax