ロシアのナローボディ旅客機「イルクートMC-21-300」をズベズダの1/144スケールで製作!!
2023.11.20ロシアの21世紀を担うナローボディ旅客機
イルクートMC-21(МС-21、MS-21)は、ロシアのUAC(統一航空機製造会社)のC傘下のヤコヴレフが設計、イルクートが製造を担当する中距離旅客機である。2017年に初飛行した主力機のMC-21-300にはアメリカ製のPW1000Gエンジンを搭載するなど国外技術の導入に積極的だったが、2022年のウクライナ侵攻による制裁により国内製機器への切り替えを余儀なくされている。ロシアのズベズダでは西側旅客機に加えてTu-204、IL-86、スーパージェット100などのロシア機も1/144スケールで展開中で、MC-21-300もその仲間入り。今後の動向が注目されるロシアン・エアライナーを製作!
■ロシア各社技術の集合体?
皆様ご無沙汰です。久々に現れました飛楽です。今回は昨年のリリースキットですが、ズベズダのイルクートMC-21-300を取り上げてみます。イルクート、ヤコヴレフ、ツポレフなどのロシア航空機メーカー共同開発の機体です。2017年5月に初飛行したMC-21-300。エンジンはプラット&ホイットニーPW1000Gというエンジンを採用し、西側の力も結集した機体となっています。
■組み立て
キットは2021年に国内発売になったもので、MC-21-300のデモンストレーションカラーリングのデカールが入っています。ズベズダの基本的スタイルのキットで、全体に大変シャープなパーツが好感を持てます。パーツの合いも問題なく、合わせ目のパテ修正もわずかで済み、ストレスはあまり感じません。今回もコクピットにパイロットフィギュア(Nゲージ用のものを塗り直してパイロットに見せる)を乗せてあります。MC-21はコクピット窓が大きく、コクピット内部がよく見えますのでパイロットフィギュアは有効です!
ランディングギヤ周りはパーツがシャープで細かいので気をつけて組み立てます。
■塗装と仕上げ
塗装はエンジン周りなど細かい塗り分けもありますが、基本は白で、胴体後部は紺色に塗り分けます。説明書や画像などで塗り分け位置を確認していきながら塗装します。主翼の前縁はハセガワのジュラルミンフィニッシュを貼ってみました。マスキングより楽にきれいに表現ができると思い、最近多用しています。
デカールは貼りやすく、クリアーコートにも耐えられる品質で色もくっきり鮮やかです。使用に問題なく貼れました。
客室窓はキットにクリアーパーツが入っていますが今回は使用せず、クリアーコートと研ぎ出しが終わった後に、スケールマスターの「マイクロクリスタルクリアー」というものを使ってみました。木工ボンドみたいなもので乾くと透明になるので筆で流し込むように塗り、乾くのを待ちます。たしかに窓の再現には便利グッズです。
仕上げ作業として、機体のアンテナ、センサー類などの細かい部品を取り付けます。これはキットの部品も使いつつ、金属板を切り出したもの、エッチングパーツの流用などで再現しました。
■おわりに
世界情勢の不安定さが昨今、プラモデルの世界にまでさまざまな影響を与えてしまっています。実機も模型も旅客機は「夢の銀翼」として平和を運ぶ翼であってほしいです。一日も早くこの悲しき争いが終結し、穏やかな日が戻ることをねがわずにはいられません。
ズベズダ 1/144 スケール プラスチックキット
イルクート MC-21-300
製作・文/飛楽
イルクート MC-21-300
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス●3553円、発売中●1/144、約29.4cm●プラキット
飛楽(ヒラク)
1971年生まれ、ただのオッサン。なにかと殺伐とした現代、安らぐひとときを何より大事にしたい。笑顔でいられる世界であれ