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『Get truth 太陽の牙ダグラム』ビッグフットがプラキット化! 丁寧なウェザリングで重量感を表現

2023.11.08

ソルティック HT128 ビッグフット Ver.GT【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2023年12月号(10月25日発売)

ソルティック HT128 ビッグフット Ver.GT イメージカット

CBアーマー ビッグフット! 出撃準備よし! 行くぞ!!

 小学館とebookjapanのウェブコミックサイト・eコミックストアにて連載中の、太田垣康男氏による漫画『Get truth 太陽の牙ダグラム』。漫画版デザイン準拠で発売されたダグラムVer.GTに続き、ダグラムと死闘を繰り広げたビッグフットがついに完全新規設計でプラキット化を果たした。製品は『Get truth』用に描き起こされた武装がすべて付属、豊富な可動性能により劇中の印象的な戦闘シーンを追体験することができる。作例はAFVモデラーの斉藤仁孝が担当。丁寧なウェザリングタッチで仕上げ、CBアーマーらしい巨大感と重厚さを表現してみた。

ビッグフット  正面
ビッグフット  背面
▲ビッグフットは、ラウンドフェイサーの後継機として開発された地球連邦軍の第3世代CBアーマー。『Get truth』の劇中では、ダグラム撃破に執念を燃やすトラビス・T・レイカーとアウラ・ベルトゥースのふたりが搭乗。クリンのダグラムと壮絶な一騎打ちを展開した
ビッグフット  素組みとの比較
▲素組み(写真左)と並べて。プロポーションはキットのまま、塗装とウェザリングで雰囲気を高めていることがわかる。ビッグフットは過去にマックスファクトリーからTV版デザインでキット化されているが、今回の製品は太田垣氏のデザインに合わせて全パーツを新規設計。成型色とパーツ分割でカラーリングを再現しているほか、クリアーパーツ製のキャノピーと窓枠とは別パーツ化されているなど、塗装派にもうれしい仕様となっているのだ
左肩6連装ミサイルポッド装備
左肩2連装カノン、右肩に7連装ミサイルポッド装備

▲キットには劇中で使用した武装がすべて付属。ダグラム初交戦時の左肩6連装ミサイルポッド装備の状態と、作戦中に換装した左肩2連装カノン、右肩に7連装ミサイルポッドといったアセンブリとをパーツ交換で楽しむことができる

ポージング画像1
▲右手に装備するハンドリニアガンももちろん新造形。銃口をススで汚して使用感を出した
ポージング画像2
▲戦艦の主砲並の破壊力を誇る左肩2連装カノンの反動を受け止めるために地面に突き立てたり、ダグラムの「右腕」を一刀両断するなどの活躍を残した大型ブレード。作例ではメタリックカラーで塗装し、鈍い輝きを持たせている
素組みとの比較 背面
▲設定のカラーリングの大半を成型色と付属の水転写式デカールでフォローしている本キット。あとは機体各部の小さなフックをホワイトで筆塗りしてやるとさらに引き締まるだろう。作例のスネ端部の白ラインは付属デカールではなく、マスキングで塗り分けた
パイロット人形2体が座っているコックピット
▲操縦席にはパイロット人形が座っている。単行本第2巻を読みながら、トラビス(前)とアウラ(後)をエナメル塗料の筆塗りで塗り分けた
ヒジ関節
▲ヒジ関節の肉抜きはやや目立つ部位なので、パテで埋めてしっかり整形している
足元
▲埃にまみれたラゴール旧市街での激しい戦闘描写を参考に、足周りは土埃が再現できるMr.ウェザリングカラー サンディウォッシュで念入りに汚している
肉抜きのあるパーツ各種
▲キットには肉抜きがいくつか存在するので、今回はパテを使ってそれらを埋めてみた。いずれも整形の難易度は低めなので、ぜひチャレンジしてみよう

ビッグフットにウェザリング! 斉藤仁孝

ガイアノーツのサーフェイサーエヴォ ブラックを全体に吹き付け
▲まずは塗装のための下地作りから解説スタート。手始めにガイアノーツのサーフェイサーエヴォ ブラックを全体に吹き付けた
ガイアノーツのニュートラルグレー Iを吹き付け
▲白い部分の塗り分けにはガイアノーツのニュートラルグレー Iを吹き付け、純白というよりもミリタリー調に寄せて若干くすませた風合いにしている
ガイアノーツのブリリアントピンクを吹き付け
▲ピンクの部分は、漫画の色味に近い色としてガイアノーツのブリリアントピンクを使用。このあとのウォッシング作業でトーンが数段落ちるので、発色が良すぎても焦らずに
ブリリアントピンクとパープルヴァイオレットを混色したものを吹き付け
▲紫色の部分はブリリアントピンクとパープルヴァイオレットを混色したものを吹き付け。塗装は全体を塗り潰すのではなく、エッジやキワの部分などに下地の黒が少し残るようにしている
部分はニュートラルグレーIVを吹き付け
▲グレー部分はニュートラルグレーIVを塗装。こちらも端部には黒色が残るようにすると立体感が生まれる
凸部を筆でタッチアップ
▲細かいモールドがある部分は周辺になるべく下地の黒が残るようにしておき、凸部を筆でタッチアップしている
マーキングデカールを綿棒など使用して貼る
▲機体の塗装が完了したらマーキングデカールを貼る。付属デカールは破れにくく、とても貼りやすい印象
タミヤエナメル塗料のフラットブラックとハルレッドの混色で焦げ茶を作る
▲タミヤエナメル塗料のフラットブラックとハルレッドの混色で焦げ茶を作り、塗装の剥がれ表現=チッピングを筆で少しずつ描き入れた。失敗した場合はエナメル塗料のうすめ液で拭き取ればリカバリーできる
半ツヤ状態にしたクリアーを吹き付け
▲デカールとエナメル塗料でのチッピングを保護するために一度クリアーを吹く。光沢クリアーにツヤ消しクリアーを少量添加し、半ツヤ状態にしたものを吹いている
Mr.ウェザリングカラー グラウンドブラウンを筆で重力方向に塗り伸ばしながらウォッシング
▲Mr.ウェザリングカラー グラウンドブラウンを筆で重力方向に塗り伸ばしながらウォッシング。筆を一定方向に動かすことで、雨垂れや泥汚れが垂れている表現にできる
2B以上の濃さの鉛筆でパーツのフチをランダムにこすりつける
▲金属の質感を高めるために、2B以上の濃さの鉛筆でパーツのフチをランダムにこすりつける。鉛筆に含まれる黒鉛が生み出す鈍い光沢がリアル感をもたらしてくれる
脚部やソールにMr.ウェザリングカラー サンディウォッシュをハケ状に塗り土汚れを表現
▲最後に、土汚れの表現。脚部やソールにMr.ウェザリングカラー サンディウォッシュをハケ状に塗り、埃や泥を被った風合いを表現した

 マックスファクトリーの新製品、ビッグフット Ver.GTを製作しました。仮組みをした段階でビックリ、もう劇中イメージ通りのプロポーションのビッグフットです。ヘタに手を加えると悪い方向にしか行かなそう。まさにパーフェクトという印象でした。ディテールもクッキリで、スミ入れの効果がしっかり出そうでいい感じ。またコクピット内にはちゃんとトラビス、アウラとわかるフィギュアが搭乗しているのも盛り上がりますね!
 製作にあたり手を入れた部分としては、塗装のしやすさを考えて頭部にあるピンク色のダクト、脚部にある3ヵ所のダクトを切り離し、本体と別々に分けて塗装できるようにしたことです。それ以外では各部の肉抜き穴をパテで埋めていますが、正直そこまで目立つ部分でもありませんし、気にならない方はそのままでも良いかと。

■塗装
 塗装ですが、毎回製作するアイテムに合わせてテーマを決めています。今回はCBアーマーらしい“重量感”をテーマに考えました。いつもならば各部の色をベタ塗りしてから、ウェザリングで色合いをくすませて落ち着かせる方法を取ることが多いのですが、トラビスとアウラの機体は明るめの紫とピンク色。ポップにも見える色合いですから、見た目で重々しくできるか悩みどころでした。そこで戦車模型塗装テクニックで言うところの「黒立ち上げ」、月刊ホビージャパン読者に伝わりやすいところでいう「MAX塗り」ならばと思い、一度真っ黒にするところから始めてみました。
 各機体色はしっかり色を出す部分と、ボヤッと黒ずませておく部分とを作るように塗っています。その時にカラーモジュレーション塗装を意識しながら色味の濃淡に調子を付けています。この基本塗装のおかげでか、ポップさがだいぶ落ち着いて、狙い通りの重量感、兵器としての存在感が演出できたと思います。
 塗装ではテーマ(目標)を決めて効果的な手段は?と考察するのも楽しいですね。キットを入手した方は、ぜひ自分だけのビッグフットを塗装で表現してみてくださいね!

マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット“COMBAT ARMORS MAX”

ソルティック HT128 ビッグフット Ver.GT

製作・文/斉藤仁孝

COMBAT ARMORS MAX28 1/72 ビッグフット Ver.GT
●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●発売中、4950円●1/72、約14.5cm●プラキット

Ⓒ太田垣康男/小学館 ⒸSUNRISE

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斉藤仁孝(サイトウヨシタカ)

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