HOME記事キャラクターモデルDX超合金最新作!! 「YF-21」のテストショットでプロポーションを保った驚異の三段変形機構を開発担当のコメントと共にじっくり解説!【マクロスプラス】

DX超合金最新作!! 「YF-21」のテストショットでプロポーションを保った驚異の三段変形機構を開発担当のコメントと共にじっくり解説!【マクロスプラス】

2023.10.30

DX超合金 YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機)【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2023年12月号(10月25日発売)

DX超合金最新作!! 「YF-21」のテストショットでプロポーションを保った驚異の三段変形機構を開発担当のコメントと共にじっくり解説!【マクロスプラス】
DX超合金 YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機) テストショットサンプル
※写真は開発中のテストショットサンプルです。実際の商品とは異なります。

短期集中連載第2回

DX超合金「YF-21」変形機構の“核”に迫る!!

最適解のために用いられた策とは?

 待望の商品化決定となったDX超合金シリーズ最新作「YF-21」の魅力を深掘りしていく短期連載第2回。今回は「変形機構」にフォーカスを当てていく。本機はゼントラーディの技術が用いられたことで独特なフォルムを形成しているが、各形態のプロポーションを最適解のものにするために独自の変形機構が構築されている。DX超合金としてはもっとも“核”に位置する部分をテストショットサンプルを使用して、BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部開発担当のコメントとともに解説していこう。

≫ FIGHTER

 YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機) ファイター形態
▲YF-21はVF-1などほとんどの可変戦闘機に採用されているエンジンナセルがガウォークおよびバトロイドでの脚部になる構造ではなく、エンジンナセルと脚部が別々に存在している。そのためエンジンナセルと脚部が上下に重なる構造となるため必然的に厚みが出てしまう。これをいかに薄く見せるかという点がファイター形態における最重要ポイントになる

 FIGHTER >>> GERWALK

ファイター形態時の腕部および脚部の収納状態
▲ファイターからガウォークへの変形ポイントを解説する前にまずはファイター形態時の腕部および脚部の収納状態をご覧いただこう。下部カバーを左右3分割して開くと、脚部の外側に腕部が配置されている。脚部ラインに沿って腕部が配置されているのと、肩部分が内側を向いているのが確認できる

Point-1:靴部の収納

収納状態の脚部
▲収納状態の脚部。足首の回転軸で靴部分が180度ひっくり返り、つま先とかかとがスネ内部に収納されている
ふくらはぎのカバーが開き、収納していた靴部分を露出
▲ふくらはぎのカバーが開き、収納していた靴部分を露出させる
ふくらはぎカバーを閉じ、靴部分を前後180度回
▲ふくらはぎカバーを閉じ、靴部分を前後180度回転させる
つま先とかかとを開き、縮めていたつま先をスライド伸長させる
▲つま先とかかとを開き、縮めていたつま先をスライド伸長させる。実はこのつま先の数ミリ分のスライド伸長が靴部をスネ内部に収めるための重要なポイントになっている

開発COMMENT

「YF-21」の変形をDX超合金で再現するうえでポイントとなったのが、ファイター形態およびバトロイド形態におけるプロポーションの両立問題です。実機のYF-23を思わせる、薄く美しいファイター形態。対して「クァドラン・ロー」を彷彿させる長い脚と腰高のプロポーション。上半身に凝縮されたかのようなマッシブなバトロイド形態。この長い脚部をいかにしてファイター形態に収めるかが最重要課題となりました。解決に至った答えは、足首を回転収納し、脚自体の長さを縮めるというアイデアでした。

Point-2:エンジン2段階スライド

ファイター形態時のポジション1
▲ファイターからガウォークに変形する過程で、胴体下部に収納されていた腕部および脚部を外に出したことでエンジン部がスライド短縮される。こちらがファイター形態時のポジション
エンジン後部が上部に移動1
▲1段階スライドではエンジン後部がやや上部に移動する
エンジン後部が上部に移動2
▲2段階スライドでエンジン全体が上部に移動することで空いていた隙間がなくなり、コンパクトな形状になる
ガウォーク形態のリアビュー
▲ガウォーク形態のリアビュー。胴体基部、腕部や脚部の付け根など、重量負担のかかる部分にダイキャストパーツが用いられて剛性を高めているのが確認できる。脚部に接続されているファイター形態時の胴体下部カバー裏の細かなメカモールドにもご注目いただきたい

≫ GERWALK

 YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機) ガウォーク形態
▲ガウォーク形態完成。前ページのファイター形態と比較して機体上部の面積の違いをご確認いただきたい。また、主翼付け根の航行灯部分が左右にわずかながらスライドすることで、肩部分のクリアランスを確保している点もポイントだ

開発COMMENT

 ファイター形態からガウォーク、バトロイド形態へと変形した際に、大きく変わるのは機体上面の大きさでした。DX超合金では、エンジンブロックをスライドさせるギミックでこの機体シルエットの変化を再現しています。スライドは2段階。まずはエンジンブロック部が機首方向へスライド。そこからさらに前部のバルジ部分も同様にスライドして全長を縮めます。2ヵ所をスライドさせることで表面形状の変化が最小限に見えているかと思います。

 GERWALK >>> BATTROID

Point-3:胴体部の折れ曲がり

胴体部内側にある2枚のプレート
▲胴体部内側にある2枚のプレート。手前のグレーのものと奥のダイキャストパーツ。この2枚がバトロイド形態における要になる
機首を90度下に向け頭部を露出
▲胴体はまず機首を90度下に向ける。それによって頭部が露出する
背中側も90度下に向ける
▲次にエンジンを背負った背中側も90度下に向ける。ダイキャストパーツが前面側と背面をつなぐブリッジとなり、強度を保っている。大きく露出した装甲裏面にも密度高くディテールがモールドされている
背面ブロックの位置をやや下側に移動
▲ここで重要になるのが前述した胴体部内側にあるグレーのプレート。内側の丸モールドは前後に2ヵ所あり、ファイター形態時は下側でロックしていたが、これを前側でロックすることで背面ブロックの位置をやや下側に移動させることができる

≫ BATTROID

 YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機)
バトロイド形態
▲バトロイド形態完成。これまで解説してきたポイントによって、変形機構と独特なプロポーションを両立させている。まだまだ解説できていないポイントが多々あるが、今月号ではここまでの紹介にとどめておく。次号ではさらなるギミックやアクション性について解説していくのでお見逃しなく

開発COMMENT

 DX超合金マクロスシリーズでは、三段変形が大前提ですので、その際に捻じれや歪みが出ては困るところは主にダイキャストパーツを配しています。今回は折りたたまれる機体の要になるところを中心に使用しました。バトロイド時にはかなり見える場所ですが、ディテールも入っていますので注目してもらえると嬉しいです。

DX超合金 YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機)

●発売元/BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部●価格未定、発売時期未定

この記事が気に入ったらシェアしてください!

©1994 BIGWEST

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2023年12月号

ご購入はこちら

月刊ホビージャパン2023年9月号

ご購入はこちら

ホビージャパンエクストラ vol.23

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー