HOME記事キャラクターモデル筆塗り、細部塗装に最適!タミヤカラーアクリル塗料で「ダグラム Ver.GT」を彩る!【水性塗料の教科書】

筆塗り、細部塗装に最適!タミヤカラーアクリル塗料で「ダグラム Ver.GT」を彩る!【水性塗料の教科書】

2023.10.05

タミヤカラー アクリル塗料/ダグラム Ver.GT【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2023年11月号(9月25日発売)

筆塗り、細部塗装に最適!タミヤカラーアクリル塗料で「ダグラム Ver.GT」を彩る!【水性塗料の教科書】
ダグラム Ver.GT 作例 イメージカット

タミヤカラー アクリル塗料

タミヤのプラモの歴史とともに歩んだ色で、キャラクタープラモの塗装を楽しむ!

 タミヤカラー アクリル塗料は自社のスケールモデルとともに発展してきた色です。戦車や飛行機、車など実際のモチーフが持つかっこいい色をセレクトできる楽しさがあります。そのため、ミリタリー色が強いメカとの相性も良いです。そこで今回はマックスファクトリーのプラキット「COMBAT ARMORS MAX27 1/72 ダグラム Ver.GT」の塗装を通して、タミヤカラー アクリル塗料を使う際に知っておくとよいことをまとめました! このトピックさえ知れば、タミヤカラー アクリル塗料もあなたの選択肢にググッと入ってくると思います。

使用キットはこちら!
COMBAT ARMORS MAX27 1/72 ダグラム Ver.GT

ダグラム Ver.GT 素組み
▲太田垣康男氏が描く漫画『Get Truth 太陽の牙ダグラム』に登場するデザインでキット化されたプラキット。巧みなパーツ分割で、ストレスのない組み立て方法をダグラムに取り入れた意欲作。塗りやすさも考慮されており、そのおかげで本作例の塗装は2日で完成しています

使用した主なカラー

胴体ブルー/シーブルー→フィールドブルー+クリヤーブルー+フラットホワイト→パープル+シーブルー+クリヤーブルー+フラットホワイト
赤/レッド→レッド+フラットホワイト
緑/フィールドグレー→フィールドグレー+フラットホワイト+クリヤーブルー
胴体シルバー/クロームシルバー
関節グレー/メタリックグレイ

塗る人/フミテシ

ホビージャパン編集部OBのフリーライター。家族ができたことで水性塗料メインの模型生活にシフト。今では他ジャンルのプラモを水性塗料で楽しんでいます。タミヤカラー アクリル塗料は、大好きな戦車模型を作るときのメイン塗料として使用しています。

 前編はコチラ!

 グラデーション塗装のポイント! 

「ダグラム Ver.GT」の塗装で解説!タミヤカラーアクリル塗料仕様の際に“知っておくとよいこと”まとめ【水性塗料の教科書】

タミヤカラー アクリル塗料 タミヤのプラモの歴史とともに歩んだ色で、キャラクタープラモの塗装を楽しむ!  タミヤカラー アクリル塗料は自社のスケールモデルとともに発展してきた色です。戦車や飛行機、車など実際の[…]


光沢のメタリックとツヤ消しのメタリックを使いこなそう!!

 タミヤカラー アクリル塗料にはきれいな光沢を放つメタリック塗料と、ツヤが落ち着いていて重厚な雰囲気になるメタリック塗料がラインナップされています。これを使い分けることで、金属表現にも幅が出ます。
 今回本体のグレー部分は、放映当時にタカラより展開されていた「デュアルモデル」シリーズに採用されていた銀の成型色をリスペクトして「X-11 クロームシルバー」で塗装。関節部分を重みが出るツヤ消しの「XF-56 メタリックグレイ」で塗装します。

金属色にも「ツヤ」の違いがある!

クロームシルバー、メタリックグレイ
▲輝度の高さだけがメタリック塗料の魅力ではないということを教えてくれるタミヤの色。Xは光沢感のある輝度の高いメタリック。XFはツヤ消しで、重たい金属感が出ます

 

クロームシルバー
▲こちらはX-11 クロームシルバー。Mr.カラーの8番シルバーに近い仕上がりになる塗料です
メタリックグレイ
▲こちらはとても重たい金属感が出る、タミヤカラー アクリル塗料の中でも傑作ともいえる「XF-56 メタリックグレイ」。こうやって塗料自体を見ただけではどうなるかイメージが湧きませんね
メタリックグレイを撹拌
▲メタリック塗料は通常塗料よりもしっかりと撹拌しましょう。瓶の底に塗料が溜まっていたら、それを溶かしきるまで混ぜましょう
エアブラシで塗装2
▲こちらも塗料1:溶剤1でOK。これ以上薄めすぎると金属粒子が暴れて、コントロールが難しくなります
塗装したパーツで色の比較
▲左がクロームシルバー、右がメタリックグレイ。これだけツヤが異なります。ボディと関節で「ツヤの異なるメタリック色」を使って、色の情報量も増やしてみました
バックパック アップ
▲細部の色分けは、すべて筆塗り。タミヤカラー アクリルは兵隊フィギュアの筆塗りにも使用する人が多いくらい、細部塗装に適した伸びの良さがあります。また完全乾燥後は下の色を溶かすことがほとんどないというのも筆塗りに適している理由。少し溶剤で薄めて2回ほど塗り重ねれば、きれいに塗れます
ポージング画像

エナメル塗料とも相性良し!

光沢スプレーでコート!

GSIクレオス 水性プレミアムトップコート 光沢を吹きかけ
▲水性塗料もメーカーを横断して使用して問題なし! スミ入れ&ウェザリングをする前に「GSIクレオス 水性プレミアムトップコート 光沢」で保護。シルバーのメタリック感も損なわれずに、塗膜がとっても強固になります。また光沢にすることでウェザリングのコントロールもしやすくなります
タミヤ スミ入れ塗料 ダークブラウンとバフ、ジャーマングレイを混色したもの
▲タミヤカラー アクリルは、自社のエナメル塗料との相性も良いです。最初からスミ入れに適した濃度になっている「タミヤ スミ入れ塗料 ダークブラウン」をメインに使用し、足もとはバフとジャーマングレイを混色したもので汚します
ダークブラウンを塗装
▲ダークブラウンを点々と少量塗ります。全体にバシャバシャ塗るとプラへのダメージがあるだけで、真っ黒になってしまいます
エナメル溶剤を平筆で塗装1
▲エナメル溶剤を少量含ませた平筆で、塗料をぼかしたり、上から下に筆を動かして汚れが垂れている雰囲気を演出します
調色した砂色を塗装
▲上半身と下半身で汚れやダメージの加減を変えるとメリハリが出ていいです。砂ボコリなどが直に当たっているであろう脚部には、調色した砂色を塗っています
エナメル溶剤を平筆で塗装2
▲あとは同じように、エナメル溶剤を少量含ませた筆で、塗料を伸ばしたりぼかしたりしています
コックピットアップ
▲コクピット内のクリンは、シタデルカラーで染め塗り。こちらも水性塗料どうしの横断で、快適に塗り上げます。塗り方の詳細は別記事(10月18日 公開予定)で紹介
ジャーマングレイ+クロームシルバーとジャーマングレイ+バフを足元に塗装
▲装甲についた細かな傷は、家庭用スポンジに含ませた「ジャーマングレイ+クロームシルバー」、「ジャーマングレイ+バフ」をポンポンとパーツに押し当てて表現しています
完成 正面
完成 背面

/フミテシ

 僕が水性塗料をメインで使うようになったのは10年前。まさにタミヤカラー アクリル塗料からでした。その頃、タミヤの戦車模型の楽しさにのめり込んでいて、説明書に書いてあるタミヤカラー アクリルの表記を見ながらラッカー塗料で置換していました。しかし結婚して妻と一緒に住むようになり、妻からは何も言われていませんでしたが「ラッカーに置換せずに、匂いも少ないっていわれるタミヤカラー アクリル塗料でそのまま塗ってみるか」と思ったのです。そして塗装してみたら、「え? 全然塗装できるし、何なら色が超かっこ良い。最高じゃん!」という再発見が起きたのです。そして使っていくうちに、クリヤーを入れたりするとより調子が良くなったりすることが見えたりして、自分なりに低臭環境でもしっかりと塗装できるというのが見えました。
 ここで自分なりに水性塗料の感覚を掴んだ後に出会ったのが「シタデルカラー」でした。あまりの塗りやすさに驚愕。タミヤアクリルと併用すると、細部塗装もあれよあれよと塗り上がっていきます。水性塗料どうしなので下地も溶け出すことがないのです。これは筆塗りをきれいに仕上げるのにすごいアドバンテージになり、水性塗料どうしを横断する良さを知りました。さらに水性ホビーカラーも完全リニューアルを果たし、僕が水性塗料を好きになったタイミングで偶然にも幸せな環境が整ったのです。こんなにも楽しく快適に塗装が楽しめる「高性能な水性塗料」。最初は戸惑いもあるかもしれませんが、ラッカー塗料と併用することで良いこともたくさんあります。ぜひ乗り代えるという考えだけでなく「併用」という考えも込みで、選択肢に入れてみてください。絶対にプラモがもっと楽しくなりますよ。

マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット “COMBAT ARMORS MAX”

ダグラム Ver.GT

製作・文/フミテシ

COMBAT ARMORS MAX27 1/72 ダグラム Ver.GT
●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●3278円、発売中●1/72、約13.5cm●プラキット

ⒸSUNRISE

この記事が気に入ったらシェアしてください!

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2023年11月号

ご購入はこちら

水性塗料筆塗りの教科書

ご購入はこちら

模型作りが楽しくなる工具&マテリアルガイド

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー