多脚レイバー「クラブマン・ハイレッグ」がMODEROIDで登場! 専用ベースを製作し戦闘シーンをディオラマとして仕上げる!【機動警察パトレイバー】
2023.10.17TFV-97EX クラブマン・ハイレッグ【グッドスマイルカンパニー 1/60】 月刊ホビージャパン2023年11月号(9月25日発売)
篠原重工が誇る名脇役がついにMODEROID化!!
『機動警察パトレイバー』に登場する多脚レイバーの代表格、クラブマン・ハイレッグがMODEROIDで待望のプラキット化。作業用的な見た目に反して意外と活躍シーンの多い機体だけに、単体としてはもちろん、ディオラマの素材としても楽しみにしていた方も多いのではないだろうか。ということで、今回はディオラマビルダーとしてもおなじみのあにがキットレビューをお届け! 専用ベースを製作し、ヴィネットとしても楽しめる欲張り仕様で仕上げてもらった。
TFV-97EX クラブマン・ハイレッグ
篠原重工の四脚型レイバー。不整地での走行能力に優れる作業・運搬用レイバーであるクラブマンの輸出用上位機で延長された脚部が特徴である。オートバランス機構もより高性能のものが搭載され、走行性能、旋回性能ともにクラブマンを大きく上回る。
■けっこう強いクラブマン・ハイレッグ
真っ赤でまるでカニのようなシルエットのクラブマン・ハイレッグ。こんな外見なのに劇中では第1小隊のピースメーカー2機と第2小隊のイングラム2機を相手に互角にわたり合うというなかなかな強さを見せつけました。なかでもピースメーカー2号機に馬乗り?になって串刺しにしようとするシーンは印象的で。今回の作例ではこの場面をイメージしてヴィネットを製作しました。
■ベースの製作
まずはコンクリートの地面を作ります。丸い木の板にスチレンボードを木工用ボンドで貼ります。そこに溶きパテを塗ったあと、ツールクリーナーを含ませた筆で表面を荒らします。やり過ぎるとスチレンボードに穴があいてしまうので、ほんの少しだけ表面を溶かすようなイメージで作業します。そのあとにクラブマン・ハイレッグが踏みつけてあけた穴をデザインナイフでこじるように彫ったり、コンクリートのひび割れをナイフで描きます。
今回ピースメーカーはクラブマン・ハイレッグと対峙する対象としてではなく、『クラブマン・ハイレッグの強さを際立たせるためのベース。』として作りました。右関節部のメカは3Dプリントで出力。破れてしまった関節カバーは板ハンダを使用しています。外れてしまった肩アーマーはあえてダメージ表現を派手にしています。これもクラブマン・ハイレッグの強さを想像させるための演出です。ピースメーカーはベースにしっかり固定してあるので、壁掛けとしても使えます。使わないですけど(笑)。
■クラブマン・ハイレッグの製作
このキットはかなり出来が良く、シルエットは劇中そのままで、ほとんど手を加える箇所がありません。パーツの合わせ目が目立つところにあるのでそれを丁寧に処理すれば、どなたでもかっこいいクラブマン・ハイレッグを手にすることが出来ます。とはいえ丁寧に作りましたでは作例にはならないので、何か気になるところを探すことにします。頭部にある2本のアンテナを真鍮線で作り直します。見た目は変わらないのですが丈夫になります。模型は丈夫に作ることが大事です。なぜなら、がんばって作った作品をできるだけ多くの人に見てもらいたいですよね。持ち運ぶときに壊れてしまったでは元も子もありません。壊れないように丈夫に作りましょう。
脚関節のシーリングは、キットではカバーのパーツが分割されていて可動出来るようになっていますが、脚の根本の部分だけは可動をあきらめて固定とし、エポパテで作り直しています。
■塗装
塗装はサフを全体に吹いた後、ラッカー塗料で筆塗りしています。機体色はシャインレッドにブラウンを混ぜた色を塗っています。その後ツヤや筆ムラを落ち着かせるため、エナメル塗料のフラットブラックとフラットアースを混ぜた色でフィルタリングしています。機体はそう古くないはずなのでウェザリングは戦闘や逃走中に着いたであろうキズや汚れ程度にして、全体的におさえ気味にしてあります。MODEROIDからは同スケールのピースメーカーもイングラムも出ていますので、劇中のさまざまなシーンが再現出来ると思います。部品点数もさほど多くないので、すぐ組み上がるのも魅力のひとつですよね。自分はもう一体購入して他のシーンも作ってみたいと思います。
グッドスマイルカンパニー 1/60スケール プラスチックキット “MODEROID”
TFV-97EX クラブマン・ハイレッグ
製作・文/あに
MODEROID TYPE97 TFV-EX クラブマン・ハイレッグ
●発売元/グッドスマイルカンパニー●7500円、発売中●1/60、約17cm●プラキット
ⒸHEADGEAR
あに[アニ]
実写、アニメにこだわらず、キャラクターモデルを使用した作品を得意とするディオラマビルダー。第14回全日本オラザク選手権大賞受賞者でもある。