かかとの可動改造で「オージェ・アルスキュル」初登場シーンを再現【『ファイブスター物語』電気騎士伝説、再び】
2023.09.13かかとの可動改造で初登場シーンを再現する
試作MHにしてシュペルターの兄弟騎、オージェ・アルスキュル。その性能はK.O.G.やL.E.D.ミラージュに準ずる。後のミラージュ・シリーズやK.O.G.へと受け継がれた名騎「プロトタイプ・ナイト・オブ・ゴールド」を1/100でキット化。キットは最大の特徴である両肩のアクティブバインダー・システム「オージェ・バインダー」を極力少ないパーツ数で美しく造形。さらに内部フレームの可能な限りの一体化で関節を強化し、可動と強度確保の両立を実現している。作例は劇中で印象的だった初登場シーンを再現するため、かかとの可動ギミックを再現している。
【カラーリングデータ】
白=ホワイト+タン+イエロー
フレーム=シルバー+パープルをドライブラシ、上からクリアーブラック→クリアーブラウン(ガイアノーツ)+純色シアンをコート
赤=ブライトレッド(ガイアノーツ)
肩部赤=クロームシルバー(フィニッシャーズ)、上からディープクリアーレッド+クリアーオレンジ
銀=クロームシルバー(フィニッシャーズ)
スネ等グレー=ネイビーブルー+蛍光ピンク+ブラック
久しぶりのF.S.S.特集とのことで、僕の担当はオージェ・アルスキュルです。メッキなしの通常版になります。
本キットは重量の大きいアクティブバインダー・システム「オージェ・バインダー」をキッチリ支えるために肩~胸~腹部が一体となった、パーツ数を極限まで抑えたキットとなっております。そのアクティブバインダーや内部装甲、左右の胸装甲なども一体化しており、組み付け・バランス調整等の仮組み作業は行いやすいキットといえるでしょう。そのぶん、塗装・マスキング、組み付け作業はかなりハードルの高い作業の連続なので、そのあたりじっくり時間をかけて取り組んだほうがよいキットとなっています。
組み付けピンも細くカリカリの渋み調整なので、ピンの先を丸めてハメやすくしておくとより組み立てやすくなります。僕は3ヵ所ほどピンを折りました。また細いピン先からゲートが伸びているので、パーツカット時にピンを切らないように注意が必要です。スネ後ろ側のピンを切ってしまいました。似た形状の部品で左右があったりするので、見えない部分にマジックとかで部品番号を書いておくとよいでしょう。ちょっと塗料が被っちゃっても油性マジックなので浮いてきて判別できます。
今回各所のAやひし形モールドの塗装はデカールを使用することにしたので、該当箇所のモールドを削り落としています。パーツ数を減らして一体化した部品構造のため、本来塗り分けラインの部分が抜き勾配で埋まっています。足や頭部側面等、目立つ部分はナイフやタガネで彫り直しておきましょう。
今回唯一改造したのが足首のかかと部分。ここも左右のフレームが一体化しており、取り付け角度が決まるぶん、無可動状態となっています。箱絵のシチュエーションは、劇中内でサイロから登場する初登場シーンをイメージしていると思うのですが、そのポーズを取れるように1.5mm金属線を差し込んで可動式にしています。ピンバイスで穴を開けて金属線を差し込んで、左右を接着してから根元の可動部をレザーソーで切断していますので、左右の角度はバチピタのままになっています。ついでにホワイトのアイゼンパーツもふたつのピンの真ん中で切り取って、アイゼン部のピンを飛ばせば後ハメできます。
各パーツを600番で仕上げてサフ→ブラック→クリアー→本塗装の順で塗っています。ブラックのあとにクリアーを吹くのが俺流儀。表面処理の保険みたいなものです。
結構メジャーなモーターヘッドはキット化されてきたので、次のアイテムが楽しみです。ボークス製の焔星とか欲しいですねー!
ボークス 1/100スケール プラスチックキット
“INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”
オージェ・アルスキュル
製作・文/柳生圭太
オージェ・アルスキュル
●発売元/ボークス●9680円、発売中●1/100、約25.2cm●プラキット●原型/造形村F.S.S.プロジェクトチーム
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柳生圭太(ヤギュウケイタ)
合同会社ランペイジ代表。商品開発や原型製作に携わりながら、時にはプロモデラーとしても活躍している。