『勇者ライディーン』MODEROID版作例! 美しい秀作キットを肉抜き埋めと叫び顔改造で更に映えさせる
2023.09.15ライディーン【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2023年10月号(8月24日発売)
股関節強化と肉抜き埋めで秀作キットをさらに引き締める
1975年放送のTVアニメ『勇者ライディーン』より、ライディーンがMODEROIDでプラキット化。フルカラーの成型色と一部彩色済みパーツにより、組み立てるだけでイメージに近いライディーンを再現可能。専用パーツを使うことで、ロボット・ゴッドバードの両形態を美しく表現している。作例は各部の肉抜きを中心に工作。叫び顔の改造でアクションポーズがさらに映える仕上がりとなった。
『勇者ライディーン』、いまさら説明の必要もないほど有名な、昭和のスーパーロボットのひとつですね。今までも各社から立体化されてきましたが、このMODEROID版が最先端となり決定版のプラキットと言えるかと思います。キットの内容としてはシンプルな構成ながら、適度な関節可動域を確保しており、堅実な設計、専用パーツによりゴッドバードへのチェンジも無理なくこなしてみせます。武器類も劇中に登場したものはほぼ網羅しており、必要充分かと。唯一(?)ゴッドボイスの再現パーツだけはオミットされていますが、胸パーツを丸ごと差し替えるのも大変なので、これはいたしかたないところかと。
基本キットのままでOKですが、ひとつ気になったのは股関節ボールジョイントが保持力不足な点です。これはボールジョイントの受け側にあるU字型の切り込みが原因で、これがあることでボールを噛む力が逃げてしまい、ちょっと動かしただけで股関節が外れてしまいます(少なくとも筆者が製作した固体はそうでした)。対処法はシンプルにこの切り込みを埋めてしまうことで解決します。切り込みに合わせてプラ板を切り出して接着、瞬間接着剤でガッチリ固めてやります。これにより相当股関節は硬くなり、簡単には抜けずポーズもビシっと決まるようになります。
顔のパーツが2種付いており、そのうちひとつの叫び顔を改造して「大声で叫んでる顔」を作ってみました。またゴッドバード用鳥脚、ゴッドブレイカー裏、ホホ当て裏に肉抜きがあり、ちょっと見えてしまうため埋めてあります。塗装前にすべてサフ吹きし透け留めをします。特に赤のパーツがちょっと透け気味だったので施すと効果的。一度すべてのパーツをバラしてから各色を吹いていき、消しても良い合わせ目(上腕等)は先に接着して処理しておきます。
カラーは白はGXクールホワイト、紺色はフタロシアニンブルー+シャインレッドを9:1、黄色は329番、水色はスカイブルー+白を8:2、赤はシャインレッドです。ゴッドブレイカーはマルーンで塗っています。全体のツヤはグロス寄りで紺色等は半ツヤで仕上げました。またこのキットは後ハメにできない部分もあるので、そうした所は塗装完了後に合わせ目処理をして再塗装してやります。ふくらはぎや腰の合わせ目ですが、腰は最初に処理しても問題ありません。ふくらはぎはヒザ関節が挟み込みのため後処理としました。
いかがだったでしょうか、当時こんなプラモデルがあったなら狂気するであろう自分を含めた昭和生まれのみなさん、この時代にライディーンの新作プラキットを作れる喜びをぜひ分かち合いましょう。
グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット “MODEROID”
ライディーン
製作・文/澤武慎一郎
MODEROID ライディーン
●発売元/グッドスマイルカンパニー●5500円、発売中●約19cm●プラキット
Ⓒ東北新社
澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)
船やSFもの特撮ものを製作するマルチモデラー。電飾やディオラマも手掛けるなど幅広いテクニックと知識を持つ。