ハセガワ新キット「いすゞ ベレット 1600GTR 前期型(1969)」を製作レビュー!
2023.09.14日本初の本格的GTカーとして、今なお旧車ファンに“ベレG”の愛称で親しまれるいすゞの名車、ベレット1600GTの最上位モデルがハセガワのヒストリックカーシリーズに登場。サーキットの走りを路上にフィードバックさせたスポーティーなスタイルを一ノ戸晃治の製作でお楽しみいただこう。
今回はハセガワ旧車シリーズのニューキット、ベレット1600GTRを製作しています。ベレットはいすゞが1963年から1973年まで製造していた車で、排気量やエンジン形式、ボディタイプの異なるさまざまなグレードが販売されていました。その中でもこの1600GTRは1969年の鈴鹿12時間耐久レースで優勝を飾った車両をベースとするベレットの最上位モデルでした。ベレットは1974年まで販売されていましたが、その後継はジェミニが引き継いでいます。キットのパーツ割りを見るとレースモデルはもちろん、他のグレードのリリースもありそうな感じなので楽しみです。
シャシーは今後出る形式の異なるキットの都合からか、パーツを取り付ける穴があいていない部分があるので指示通りにあけていきます。サスペンションは標準車高と低車高が選択できるようになっていて、低いほうがかっこいいかと思い低車高で組んだのですが、ボディを被せてみるとリヤタイヤが隠れすぎているような感じがします。ここは標準車高のほうが正解だったのかもしれません。
インテリアはダッシュボードの塗り分けがポイント。先に黒を吹いてメーターのリムをマスキング、黒鉄色を吹いてグローブボックスとメーター周りをマスキングしてセミグロスブラックを吹きます。横に一本入るシルバーのラインはデカールを貼りますが、メーターの間の部分はかなり小さいデカールになるのでエナメルシルバーでごまかしてもいいかもしれません。
ボディはオレンジとブラックのツートンカラーです。ボンネットのブラックは半ツヤの指示だったので、塗り分けて磨いた後黒の部分にだけ半ツヤのクリアーを吹いています。横の黒いストライプもツヤ消しなので、周りをマスキングして3000番のスポンジヤスリを当てています。トランクフードのヒンジは実際は別パーツであるのと磨きやすさも考えて切り取って塗装後に取り付けました。フロントグリルのメッシュはエッチングに置き換えたかった所ですが構造上難しくて断念、マットブラックで塗装しました。メッキ部分の赤いストライプはエナメルで塗装しています。6個ほどのエンブレムはデカールも付属しているのですが、やはりここは立体で再現したいところですね。ここもかなり細かいデカール処理が必要なので頑張りましょう。もう少し薄く削ったほうがよかったかな。ドア後部のストライプの部分にBellettのメタルシールを貼るのですが、ここは必ず透明なシートから外してから貼ってください。デカールが持っていかれる危険が大です。前後の窓のモールはミニクーパーと同様に凹モールドなので黒を吹いてからエナメルシルバーを流して拭き取れば簡単に仕上がります。デカールもありますがこちらのほうが楽ですね。透明パーツはもちろん、ミラーやドアノブ、各部のエンブレムなどの接着は接着強度を考え、すべてエポキシ系接着剤を使用しました。
ハセガワ 1/24スケール プラスチックキット
いすゞ ベレット 1600GTR 前期型(1969)
製作・文/一ノ戸晃治
いすゞ ベレット 1600GTR 前期型(1969)
●発売元/ハセガワ●3520円、発売中●1/24、約16.7cm●プラキット
一ノ戸晃治(イチノヘコウジ)
二輪、四輪問わずさまざまなジャンルのマシンを手掛けるベテランスケールモデラー。