「対怪獣超兵器」の華麗なる世界【コモリプロジェクト】
2023.08.21 コモリプロジェクトHP
Youichi Komori Official Web(y-komori.net)
皆さん、こんにちは。コモリプロジェクト代表の小森です。今回は特撮シリーズのもうひとつの主役、超兵器について語っていこうと思います。そう、兵器ではないんですよね、その前に「超」が付く。ここからもうざわざわが始まるワケです(笑)。
特撮モノはサイエンスフィクションで構築されています。つまり、リアルとノンリアルが混在している世界、空想科学世界です。
(超短波ジアテルミーって何?)
(パンスペースインタープリターを124875回路に接続……)
(チルソナイト808ってどんな金属?)
なんかもう言葉の響きだけで知的好奇心が揺さぶられます。ただね、言葉だけじゃありません。それらは実際に形として目の前に現れるからもう大変です。破壊力抜群の『66式メーサー殺獣光線車』、横山先生がデザインした対ゴジラ兵器『スーパーx2』、ウルトラ警備隊の騎乗機、『ウルトラホーク1号・2号・3号』、Monster・Attack・Teamの総称、MATの主力ジェット戦闘攻撃『マットアロー1号』、どれもこれもに目が釘づけになり、血沸き肉踊りました。現在、円谷イマジネーション内でコモリプロジェクトが展開しているデジタルジオラマの中にも、超兵器が躍動する数々の画像が含まれていますのでぜひご覧になってください。
さて、写真でかおり隊員が整備しているのはマットアロー2号ですが、僕にはマットアロー1号の想い出があります。撮影用のプロップを手に取ったことがあるんです。場所は世田谷にあった頃の円谷プロ会長室、もちろん当時の会長が部屋に飾ってあったもの手渡ししてくださったんですよ。その頃、講談社の読み切りで『ウルトラマンティガ』が復活した舞台裏を描こうとしていたんです。原作も仕上がって、マンガ家さんも決まっていたんですが、残念ながら企画は流れてしまいました。2006年だからもう17年も前のことなんですね。細かいことは忘れてしまいましたが、その時に持ったマットアロー1号のことだけははっきりと覚えています。ずっしりと重くて、傷があって、色剥げもあって、でもこれが本編の中で飛び回っていたんだという感慨もあって、なんだか不思議な気分でした。自分がいかに空想科学世界の超兵器に魅了されているのかを肌感覚で知った瞬間でもありました。
そりゃそうです。やっぱりカッコイイもんなぁ。
文/小森陽一
撮影・構成/土井眞一
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小森陽一(コモリヨウイチ)
●1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』など著作多数。