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ディテールアップの極み!FULL MECHANICSガンダムエアリアルの密度を高める!!【機動戦士ガンダム 水星の魔女 もっと楽しむガンプラ!】

2023.06.18

XVX-016 ガンダム・エアリアル【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年7月号(5月25日発売)

ディテールアップの極み!FULL MECHANICSガンダムエアリアルの密度を高める!!【機動戦士ガンダム 水星の魔女 もっと楽しむガンプラ!】
XVX-016 ガンダム・エアリアルのイメージカット

模型製作の醍醐味! “ディテールアップ”を突き詰める

ディテールアップ工作でFULL MECHANICSを限界まで高解像度に

 今回の作例は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』ガンプラのフラッグシップアイテムであるFULL MECHANICSのガンダムエアリアル。代表的な模型工作のひとつ、「ディテールアップ」をテーマにした一作をお届けしよう。パーツ追加やスジ彫り、塗り分けの追加など、さまざまな方法で情報量を増やすディテールアップ。想像や工夫を凝らして加工や塗装を行う楽しさだけでなく、完成後の模型的な魅力も増す、模型製作の基本にして醍醐味が詰まった工作と言えるだろう。かいんによる作例では、プラ材を中心にしたパーツの追加や、キットのモールドを利用した塗り分け、シール素材の活用などを行い、もともとハイディテールなFULL MECHANICSをさらにメカニカルに仕上げている。

ガンダム・エアリアル全身画像 前面
▲作例はスジ彫りの彫り直しやパーツの置き換えによるシャープ化といった工作面と、パネルラインでの塗り分け追加、フィニッシュシートの貼り込みといった塗装・仕上げ面の両面からディテールアップ。細部まで目を凝らしてもらうと、多種多様なモールドがいくつも散りばめられているのがお分かりいただけるはずだ
ガンダム・エアリアル全身画像 正面
ガンダム・エアリアル全身画像 側面
ガンダム・エアリアル全身画像 背面

▲作例を三方から。ディテールアップが主テーマの作例だが、股関節を詰めて脚を少し延長し、若干脚長のプロポーションになるよう調整も加えている

シェルユニットの蛍光クリアーにブラックライトを当てて発酵させている画像
シェルユニットの蛍光クリアーを塗装して画像

▲シェルユニット内のメッキパーツは蛍光クリアーを塗り、ブラックライトで青く光るように。またエナメル塗料のブラックで凹部を塗りつぶし、ライン状のモールドを際立たせている

1mm幅のプラ板に0.8mm径の半丸プラ棒を貼ったモールド1
1mm幅のプラ板に0.8mm径の半丸プラ棒を貼ったモールド2
モールドを装着した画像1
モールドを装着した画像2

▲1mm幅のプラ板に0.8mm径の半丸プラ棒を貼ったモールドを自作し、要所要所に追加。機体の実働データを集めるための情報収集用センサーという想定だ。こういった想像を凝らしてディテールを追加するのも、模型製作の楽しいところ

ガンダム・エアリアル全身画像 斜め後ろ
ガンダム・エアリアル上半身画像 前面
ガンダム・エアリアル上半身画像 背面

フチや段差のエッジを整えてディテールアップ

素組みと作例のパーツ比較1
素組みと作例のパーツ比較2
素組みと作例のパーツ比較3

▲装甲のフチにあるC面を削り、平滑でシャープな印象に。また端の厚みを一部薄くし、単調さをなくしつつ精密感をプラス。角が甘い段差は削り落としてプラ板で作り直してくっきりさせている


巨大な機械を連想させる工作でディテールアップ

エアリアルの頭部アップ画像
エアリアルの頭部アップ画像 前面
エアリアルの頭部アップ画像 背面

▲頭部はビームバルカン銃口を金属パーツに変更。目はミラー、ホログラム、クリアーグリーンの3種のシートを重ねて鮮やかに反射するようにした。ブレードアンテナ裏にもモールドを追加し、巨大な構造物らしさを演出

エアリアルの背負ったビームサーベルのアップ画像
ビームサーベルのアップ画像

▲ビームサーベルは先端にピン状のモールドを真鍮線で追加。凹モールドにはジュラルミンやシルバーカーボンのシートを貼った。これらの工作により、さまざまな機材や素材が集合しているのを連想させ、18mのMSが持つ武装という説得力を与えている


自作モールドパーツでディテールアップ

肩部分のアップ画像
素組みと作例のパーツ比較4

▲ヒザなどにあるスリットを模したパーツを自作し、肩や腕、腰に追加してディテールアップ。基のデザインを参考にしているので親和性も抜群だ。肩アーマー前後裏にも肉抜きを埋めるメカパーツを入れている

スリットモールドを自作している画像1
スリットモールドを自作している画像2
自作したスリットを模したパーツの画像

▲スリットモールドの作り方。プラ板でレールを作り、そこにナイフ刃を固定。レールにプラ材をくぐらせて削り、これを束ねてスリットを表現している。わざわざ治具を作るのは面倒に思うかもしれないが、均一な形状で量産できるので、素早く精密なパーツ製作にたいへん有効な手段だ

ビットステイヴ パテを盛ったパーツと持っていないパーツの画像
ビットステイヴ 先端
エアリアルとビットステイヴ4基の画像
▲長いビットステイヴ4基は肉抜き部をモールド追加のスペースに利用。さらに劇中では先端部からビームを撃っているので、モールドとメタリックシールで銃口部を追加した
エアリアルの飛ぶ姿 背面
ビットステイヴの画像1
ビットステイヴの画像2

▲ビットステイヴも、凹部へのシート貼り込み、スリットモールドの追加などで本体同様にハイディテール化。一部には翼端灯のような赤と緑の発光部も追加している

ビームライフルを持ったエアリアルの全身画像
ビームライフルを構えたエアリアルの画像
ビームライフル側面画像
ビームライフル上画像

▲ビームライフルは塗り分けとフィニッシュシートで情報量アップ。ビットステイヴの連結は磁石式に変更し、塗装剥がれを防止している

ビットステイヴ裏の画像
▲ビットステイヴ裏、エスカッシャン用基部パーツもしっかり塗り分けて精密に仕上げている。なおキットはオリジナルの先端がシザー状に開くギミックがある

 ども、かいんです。
 今回はFMエアリアルを製作しました。主にディテール追加工作を行い、模型的に楽しんだものをお届けしたいと思います。

■全体作業
 パーツ数を抑えつつ適度に加えられたディテールが持ち味の本キット。反面、省パーツから生じる抜きの関係でのディテールの甘さが出ているところもあります。作例でそういった部分の再生やエッジ、装甲断面の処理などを丁寧に行いシャープな印象となるよう工作しました。また逆エッジなどをスミ入れが細くシャープになるように彫り込みを行ったり、シャープペンによる極細のラインを入れたりしています。

■追加ディテール
 フィン状のパーツが特徴的なので、それを踏襲したディテールを各部に自作・追加してみました。製作はエバーグリーンの角棒のエッジを自作の治具にて落としたものを素材に製作しています。角棒のサイズや間に挟むプラ材の種類などを変えることでフィンのサイズや形を変えられます。
 またエアリアルは実験機的な機体と想定し、情報収集用センサーのようなパーツを加えてそれを表現してみました。設置場所を一段掘り下げて、自作したパーツを配置しています。またフィニッシュシートによる凹ディテールの色分けなどを加え、さらに情報量を増しています。

■プロポーション変更
 好みの範疇ですが、股関軸の受けを左右0.5mmずつ詰めて太モモ間の距離を少し詰め、足首関節とスネの接合部の軸に高さ0.75mmのリングをはめることで少し脚を延長しました。

■メッキパーツ
 赤メッキパーツに蛍光クリアーを上掛けしました。UVランプ照射でパーメットスコア6をイメージしたブルーで光るようになります。

■塗装とデカール
基本白=コールドホワイト+アルティメットホワイト+ウルトラマリンブルー少量
塗り分け白=スチールホワイト
青=スティレット装甲ブルー
赤=フレイムレッド
黄=オレンジイエロー
フレーム=グラファイト
フレーム青=メタルブラック+メタルダークブルー
 デカールは「kaine@store」のものと、作例用に自作した物を使用しました。

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “フルメカニクス”ガンダムエアリアル 使用

XVX-016 ガンダム・エアリアル

製作・文/かいん(firstAge)

FULL MECHANICS ガンダムエアリアル
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4180円、発売中●1/100、約18cm●プラキット


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©︎創通・サンライズ・MBS

かいん

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