HOME記事ガンダム「HG サザビー」をエアブラシの3色迷彩で魅せる! 味のある仕上がりを目指す“汚し”を加味した迷彩塗装を解説

「HG サザビー」をエアブラシの3色迷彩で魅せる! 味のある仕上がりを目指す“汚し”を加味した迷彩塗装を解説

2025.04.19

エアブラシ塗装の花形 迷彩塗装をサザビーで魅せる/MSN-04 サザビー【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年5月号(3月25日発売)

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 シールドを仕上げる一連の流れで3色迷彩のポイントを押さえる<<

“シャドウ吹き”で立体感を強調させる

 ここでは影になる部分に影色を塗装する“シャドウ吹き”を収録。クリアーブラックを使用したシャドウ吹きはどんな色の模型にも使えるテクニックなため、製作の幅を広げたいモデラーはぜひマスターしてほしい。

▲写真左が塗りっぱなしの腕部、右がパネルラインにクリアーブラックを“シャドウ吹き”した状態。グッと立体感が出る
▲迷彩の輪郭を描いた時と同様、細吹きで作業を行うため、まずは塗料の出方をテスト。このあとパネルラインめがけて吹き付ける
▲3回くらい吹いてようやくその部分が暗く見えるくらいの感覚で吹けば、1回失敗しても完成品にそこまで大きな影響はない
▲弱粘着の付箋をパネルラインに沿って添えて吹くことで、簡単で効果的に立体感を出すことができる
▲このように簡単に立体感を出すことができる“シャドウ吹き”。エアブラシならではの塗装法で、慣れればものの数秒でできるようになるため、スキルアップを実感しやすいテクニックだ
▲腰アーマー全体にシャドウ吹きをした状態。パネルラインだけでなく、内部メカ付近の奥まって見えてほしい箇所にも薄くシャドウを吹いている

“スパッタリング”で泥はねを再現!

 陸戦仕様という説得力をさらに上げるためにコジマ大隊長が行ったのが、エアブラシのエアを活用した“スパッタリング”。筆に含ませた土色の塗料をエアで吹き飛ばして足元に散らすことで、地面を歩いてきた説得力を高める。ある程度ランダムな飛び方をするので、実践する時はしっかり養生してから臨もう。

▲まず塗料を薄めに希釈して筆に含む。今回は作戦行動中に付いた汚れがこびり付いて乾燥したという設定。アクリル塗料のバフで実践してみる

▲まずは練習して飛び散り方を観察。筆を持ち、対象物を想定して狙いを定めハンドピースのエアを開放する

▲足元のパーツで実践。アクリル塗料を使用しているため、飛び散り方が気に入らなければ台所用洗剤で何度も修正することができる
▲本作例と同時にディオラマベースも製作。足元に施したスパッタリングの泥の説得力がさらに上がっている
▲陸戦仕様ということでファンネルは今回使わず、マラサイの前腕アーマーを使ってスタビライザーを新造している
▲モノアイは直径が小さいため、レンズではなくネイルアート用のブリオンという小径の金属球を着色して使用している
▲足元のぬかるみ部分は凹んでいる部分に追加で影色を塗り、影の落ち方をコントロールしてスケール感を演出している

■陸戦型サザビー
 近藤和久氏のコミック『ジオンの再興』に登場するサザビー風の作例にしよう! と担当氏に啖呵を切ったのは良いけどもなかなかの大工事になってしまいまして……。今回も奮闘ぶりをお楽しみください! 塗装についてはHow toで紹介したので、ここでは工作について解説します!

■脚部の工作
 最大の相違点がスネ部なのですが全体的にも下半身マッチョな感じを再現するためにMG マラサイのスネを移植しています。そのままではマラサイ感が消えないのでバーニア噴出口付近を埋めてからさらに足首のフレアをエポパテで造形、ヒザアーマーにはMG リ・ガズィのアンクルガードを取り付けています。また、MG ガンダムRX-78 GP01のつま先をベースにパテ工作して適度なバランスになるように改修したものをアンクルガードとして取り付けています。
 スネだけ太くしてもバランスがおかしくなるので太モモも幅増し、スリッパもマラサイのものの先端にMG ガンダム GP03S(ステイメン)のスリッパを強引に接着してパテでラインを整えていきました。
 ここまではパテの盛り削りの連続となるので粉塵対策のため切削作業は塗装ブースの中で行いました。飛散した削りカスはかなりブースが吸引してくれました。

■ツィンメリットコーティング
 フロントアーマーはMG サザビー※Ver.1 のものを5mm延長してコンバート、リアアーマーも途中でカットして延長、内部をジャンクパーツでデコレートして、らしい見映えにしてみました。バックパックのファンネルコンテナは使わずに、マラサイの前腕アーマーを使ってスタビライザーを新造、可動パーツにはMG ドムのスネのバーニアを活用して可動式にしています。形状出しが完了したらアーマー類の外縁部にそれぞれポリパテを薄く塗り付けてエッチングソーを使ってツィンメリットコーティングを施していきます。

■武装類の下ごしらえ
 武装類はリトルアーモリーのMG3重機関銃をベースに体格に合わせてバレルをプラ板で延長、HGUC ヤクト・ドーガ クェス・エア専用機のメガ・ガトリングガンについているドラムマガジンを移植、スコープはプラパイプ類を駆使して改造。シールドにはHGUC ギラ・ドーガのシュツルム・ファウストを取り付け、出所不明のグレネードを4発追加して重武装化しました。シールド表面のパーツにはサフ代わりに溶きパテを叩き塗りしてテクスチャーを入れて、最後にドライブラシで鋳造肌のような表現になるよう下ごしらえしています。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレードユニバーサルセンチュリー”

MSN-04 サザビー

製作・文/コジマ大隊長

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Ⓒ創通・サンライズ

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コジマ大隊長

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