HOME連載ミリタリーモデル【本日発売】「IV号戦車 D~G型写真集」【HJ MILITARY PHOTO ALBUM】

【本日発売】「IV号戦車 D~G型写真集」【HJ MILITARY PHOTO ALBUM】

2022.08.16

戦車写真集シリーズの最新刊

Ⅳ号戦車表紙

 『T-90/T-90A戦車写真集』などの現用戦車、『JS-1/2/3重戦車写真集』『T-34-76戦車写真集』などの第2次大戦ソ連戦車、『BMP-1/2/3写真集』と、多くのものをピックアップしてきた戦車写真集シリーズの最新刊は『IV号D~G型写真集』!!

 第二次大戦ドイツ軍で最も多くの台数が運用され、敗戦時まで主力として使用され続けるなど、ドイツ戦車部隊のワークホースとして機能したIV号戦車。今回はそのⅣ号戦車からD〜G型をピックアップ! 欧州の博物館に展示されている実車車両のディティール写真や図版、イラストをたっぷりとお届けいたします。 さらにレストア中のインテリア写真まで網羅するなど、モデラーのみならず実車を知りたい読者にも最適ですよ。


CONTENTS

1章 Ⅳ号戦車の開発と生産

2章 Ⅳ号戦車 A型

3章 Ⅳ号戦車 B型/C型

4章 Ⅳ号戦車 D型

5章 Ⅳ号戦車 D型Trop.

6章 Ⅳ号戦車 D型 G型仕様改修車

7章 Ⅳ号戦車 E型

8章 Ⅳ号戦車 F型

9章 Ⅳ号戦車 F2型(G型初期生産車)

10章 Ⅳ号戦車 G型 中期生産車

11章 Ⅳ号戦車 G型 後期生産車

12章 Ⅳ号戦車 G型 トーマ水圧駆動研究車


試し読み

1章 Ⅳ号戦車の開発と生産

 第二次大戦の全期間を通じてドイツ陸軍戦車部隊とともに前線で戦い続けた戦車は、IV号戦車を置いて他にない。特に目立った高性能の車両ではなかったが、第二次大戦初期はIII号戦車とともに電撃戦の立役者となり、中期以降は7.5cm砲の長砲身化と装甲の増厚で敵の新型戦車と互角に渡り合った戦歴は、ティーガー重戦車、パンター戦車といった有名車両と比べても決して劣るものではない。長い歴史を持つIV号戦車だが、本稿ではIV号戦車の開発から主力戦車となるまでの経緯を解説する。

解説/竹内規矩夫
Description : Kikuo Takeuchi
Photos : Przemyslaw Skulski, Pierre-Olivier Buan, Igor Perepielitsa, Akan98, Hedwig Klawuttke, Uwe Brodrecht, Vitaliy V. Kuzmin, Aleksandr Markin, Yuri Pasholok, Tomasz Szulc, VT1978, Alan Wilson, Simon Q, PD-USGov-FSA, Bundesarchive, NARA
Drawings : Kei Endo, Hedwig Klawuttke

G 型(F2型)
▲アメリカのアバディーン戦車博物館に野外展示されていたG型(F2型)。III号戦車の支援用に開発されたIV号戦車だったが、長砲身の7.5cm砲を搭載可能なプラットフォームとして主力戦車となるまでに成長した。

真のドイツ主力戦車

 1939年9月のポーランド侵攻から、1945年5月のベルリンの戦いに至るまで、欧州における第二次大戦の全期間にわたり戦場で戦っていたのは、IV号戦車のみである。ドイツ戦車の代名詞ともいうべきティーガー重戦車、パンター戦車などと比べると、戦場における最強の戦車とはいえなかったが、第二次大戦でのワークホース(軍馬)としてつねにドイツ戦車部隊を支えたIV号戦車は、実質的な意味での主力戦車とということができるだろう。

ドイツ主力戦車の開発

 第一次大戦に敗戦し、1919年にベルサイユ条約によって軍備が大きく制限されたドイツ(当時はワイマール共和国)だったが、すでに1925年の時点で、陸軍では秘密裏に戦車開発計画を開始しており、クルップ、ラインメタル、ダイムラーベンツの3社に対し、民間車両と偽ってコードネーム「大型トラクター」を発注したのは1927年のことだった。1929年に3社それぞれ2両ずつの試作車を完成、7月からソヴィエト連邦のカザン近郊にある秘密試験場でテストが開始された。当時ドイツとソヴィエト連邦は、1922年のラッパロ条約での秘密協定により軍事的な協力関係にあり、戦車の試験場提供などもその一環であった。テストはサスペンションやギヤボックスなどを変更しつつ1933年まで続けられ、続く新型戦車開発の基礎データを取得した。
 「大型トラクター」は全長約7m、幅約2.8m、重量約16トンで、7.5cm砲を全周式砲塔に搭載する他、後方にも機関銃塔を1基搭載する多砲塔戦車だった。エンジンは航空機用のBMWガソリンエンジンを搭載、最大速度は40〜44km/hだった。
 1930年代に入ると、ドイツ陸軍のハインツ・ヴィルヘルム・グデーリアン(最終階級:上級大将)が戦車による新しい戦術と、これを実現する「装甲師団」の構想を組み立てていた。この戦術に使われる戦車についても検討が行なわれ、3.7cm砲など中口径砲を搭載し機動性に優れた15トン級中戦車「Z.W.」(「小隊長車両」の意)と、7.5cm砲など大口径砲を搭載した18トン級戦車「B.W.」(「支援車両」の意)という基本コンセプトが打ち出された。後にZ.W.はIII号戦車、B.W.はIV号戦車として実現されることになる。
 1933年、ドイツ陸軍兵器局第6課から「大型トラクター」で好成績を残したラインメタル社に次世代中戦車「中型トラクター」2両が発注された。この車両はすぐに「ノイバウ・ファールツォイク」(Nb.Fz、「新型車両」の意)と呼ばれるようになった。翌1934年に完成したノイバウ・ファールツォイクは、ギヤボックス、エンジンなど多くの機器を「大型トラクター」から受け継いでおり、全体のフォルムもよく似ていたが、主砲の7.5cmと副砲の3.7cm砲を1つの砲塔に収め、機関銃塔も前後2ヵ所に増設、装甲は最大20mm厚とするなど、より戦闘力を高めていた。ただし重量は23トンに増加し、最大速度も30km/hに低下している。1号車は7.5cm砲と3.7cm砲を縦置きに配置した砲塔だったが、1935年の2号車には、7.5cm砲と3.7cm砲を横置き配置としたクルップ社の砲塔が搭載されていた。1936年には追加試作車3両が発注され、車体をラインメタル、砲塔をクルップが製造した3、4、5号車が納入された。これらの車両は装甲師団の演習に参加するなど訓練用に使われていたが、第二次大戦が勃発すると、第40特別編成戦車大隊に配備された3、4、5号車がノルウェーで活動している。

試作「大型トラクター」
▲1930年代に試作された「大型トラクター」。ソヴィエト連邦の秘密試験場でテストが行なわれ、その後のドイツ戦車開発に有効な数々のデータを得た。
ノイバウ・ファールツォイク
▲1940年のノルウェー侵攻でオスロ港に到着したノイバウ・ファールツォイク。大型の主砲塔の前後に機関銃塔を備えた、当時流行の多砲塔戦車のひとつだった。

 ここからというところですが、試し読みはここまで!
  実車(実機)写真、図版はもちろんのこと、ディテールまで詳細に紹介された、ミリタリーファンやスケールモデラーにとてもにオススメの写真集ですので、 続きが気になる方はぜひ、お手に取って続きをご覧になっていただければと思います。

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