『Ma.K』10年ぶりに復刻したレインボウエッグの「1/35スフィンクス」をMAX渡辺とKATOOOが激作! 横山宏による同スケールのキュスターも紹介
2023.05.08全長38cm!! レインボウエッグ最大のレジンキット復刻
月刊ホビージャパン1984年1月号以来、39年ぶりの特集となるシュトラール軍野戦自走ロケット砲 スフィンクス。2003年にガレージキットディーラー活動を開始し2023年で20周年となるレインボウエッグが全長約38cmの1/35スフィンクスのレジンキットを10年ぶりに復刻する。
威容を誇る双胴ホバーのスフィンクスをMAX渡辺が激作! 発売前だったため、10年前のキットを完成させて撮影したあとに再塗装し高射砲装備ver.に改造する離れ業をやってのけた。KATOOOによるスフィンクス作例や同じ1/35スケールの横山氏のキュスターもあわせて紹介。大迫力のシュトラール軍兵器を堪能してほしい。
シュトラール軍 野戦自走ロケット砲 スフィンクス 製作/MAX渡辺
■祝!! 20周年♪♪
KATOOOさん、レインボウエッグ創立20周年、誠におめでとうございます!!
素晴らしい! めでたい!! 尊い❤︎ なんたってオギャ〜と産まれた赤ん坊が成人しちゃう年月ですよ!! 継続はチカラですから♪ 凄いことです♪ これからもガレージキットスピリッツを爆燃させて心憎いキットを作り続けてください♪
というわけで、久しぶりの「レインボウエッグ特集」として驚愕の大型キット「スフィンクス」をお届けします。フォルムは1対の縦長ホバーユニットが手足に、砲塔ターレットが頭部に準えられる、まさにエジプトのSphinx!! ナイスなネーミングですね♪
■言うまでもなく機番はもちろん20周年記念だから♪
このスフィンクス、ボリューム的にもケーニヒスクレーテについでデカイんじゃないかなぁ……このでっかいパーツがフタをするような構成で別パーツになっていたら収縮で絶対合わないだろうし、反りも出るだろうから角度出し、面合わせ等含めて工作はかなり大変なことになったはず。でも左右のホバーユニットを中空一体成型にしてくれたおかげで嵌合で困ったりすることのない親切キットなんですよ。さすがだよねKATOOOさんってば。と、中空で軽量化されているとはいえ、持って塗ってると腕が痺れちゃうくらいの重量の大物です。体鍛えていて良かった!! やっぱ模型は体力ですね♪ww
ナッツロッカーと同じテクノロジーを用いて開発、運用されていると思しき当機体、やはり方向性としては大型の軍用車両、陸上戦艦ってイメージで艤装してやるのが似合うだろうと。フックや手すりなどをそれらしく随所に施してミリタリー遊びを楽しみます♪ ワイヤーロープとか引っ掛けられてるといかにもらしい感じがいいでしょ♪ 長期行軍の積載荷物とかもエポパテと流用パーツでサクッとでっち上げましたよ。なんかありそうな機体になっていきますよね。でかいので相応に広い面があってキャンパスとしては絵を描くように筆が操れて楽しい楽しい♪ 機番20番の機体は大きめの平筆でトントンと叩くように絵の具(塗料)を置いていきます。直線的な塗り分けラインでは筆を立て気味にしてスタンプする感じ。筆を滑らせて線を描く感じではありません。例によって例の如く、下描き一切無しのぶっつけ本番で進めました。大きいので時々離れて全体を見るのを忘れずに。2色迷彩の色味はとにかく明るい色を使うことを心がけ、ふたつのカラーの明度差彩度差を意識しながら調色しました。部隊マークの赤鬼と、イエローオレンジの機体ナンバーで挿し色してなかなかお気に入りの一台がまず仕上がりました♪
■禁断の大技、全面再塗装!!
と、せっかくの記念だし、なんかもうひとネタやりたい欲が沸々と。でもキットがそもそもレアで手に入らない。そこでまずはいったんこの子は納品して撮影してもらい、なんと塗り直しを敢行したのです!! 塗り足しもいいなぁとか思ったのだけど、中途半端になりそうな悪寒が走ったので全面に黒を吹いちゃって覚悟完了、不退転の決意ですよ!!
よくよくスフィンクスを眺めていた時のこと、「コイツ後ろに張り付かれたらピンチなんじゃね?」と思ったので、これでやりたいネタは即決!! 防御面で弱そうなところに追加武装!! 機関砲は男のマロン!! というわけで、早速イエローサブマリン秋葉原店に駆け込み、買ってきましたよ陸自87式!! しかも僕のためにパッケージされたかと勘繰ってしまう「2両入り」ですよ。さすがフジミ! さすがMAX渡辺とニヤニヤが止まりませんでしたよ。車体上面を台座として使い、機関砲は一切カタチを変えずにそのまんま流用しました。男らしかろう? とまぁ、「こんな直球の流用もいいでしょ?」という提案です。ネオジム磁石で着脱可能、「スフィンクス高射砲装備Ver.」一丁上がりです♪
2色迷彩をやったので次は3色だぜ!! とやったことないけど見覚えのある3色を調色。彩色はというともちろん下描きなしでポン@ぽんと色を置いていく進め方です。筆は大きなフィルバード筆、曲線を書くのが得意な筆、筆先を回すように絵の具を置いていきました。でっかい黄色のハートと白フチ赤のナンバーで締めてかなりくどくウェザリングカラーでゴリゴリ。うん、終始良いノリで出来ました♪♪ なんかスフィンクスはやり足りないのでキットが手に入ったらいずれもうひとつ見てもらおうと思います♪ さぁ、宮古島トライアスロンですよぉ~~!!
レインボウエッグ 1/35スケール レジンキット
シュトラール軍 野戦自走ロケット砲
スフィンクス
製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝
スフィンクス
●発売元/レインボウエッグ●44000円、5月下旬予定●1/35、約38cm●レジンキット
シュトラール軍 野戦自走ロケット砲 スフィンクス 製作/KATOOO
2003年冬のワンフェスで1/20ファルケを販売してからレインボウエッグは2023年で20周年を迎えました。製品を購入してくれたみなさま、関係者のみなさま、本当にありがとうございます。20周年の記念に1/35スフィンクスを10年ぶりに復刻再販しました。2005年にも販売していますが、2013年版は横山先生からお借りしたオリジナルモデルを徹底リサーチして新たに作り起こしたものです。
スフィンクスは1/35で全長38cmもあり、経年変化による組みにくさを回避するために左右ホバー部をそれぞれ一体化&中空成型にしています。原型製作でいちばん苦心したのもホバー部で、全体がたわまないよう角度も調整しながら底面以外を2mm厚のプラ板で構築。ひっくり返した内側にプラ板の補強用リブを片側3ヵ所接着し、硬化後にプラ板の内壁が完全に見えなくなるようエポパテを厚く盛り付け最後にレジンを注入しました。これで複製時に歪んで変形しない頑強なアウトラインができます。ホバー部上方の曲面はエポパテで整形し表面にディテールを貼付。底面はハセガワ1/35ナッツロッカーの底のパーツ2個を切り刻んで基盤にしています。ホバー部の原型は片方1kg以上ありますが、中空成型の恩恵で複製品は半分以下になりました。
オリジナルモデルには時間的な問題で広い面積にディテールのない箇所があるとのことで、横山先生に指示を頂き、パネルラインやハッチ、流用パーツによる最小限のディテールを追加しています。
短時間で仕上げた10年前の作例には塗装表面のひび割れや剥がれができていました。これを逆手に取り、ひびや剥がれをスポンジヤスリである程度整えてからサーフェイサーエヴォ、ラッカー系塗料を上塗りして本当にできた傷のように見せます。最後にグレーやブラウンのウェザリングカラーで激しめに汚しました。“10年塗り”の仕上げですね。
フィギュアはタミヤ1/35ソビエト戦車兵小休止セットのもの。置くとスフィンクスの巨大さが増幅されます。20周年ということで以前サイトウヒールさんに作っていただいたKATOOOヘッドに付け替えたハセガワ製1/20フィギュアも持ってきました。
レインボウエッグ 1/35スケール レジンキット
シュトラール軍 野戦自走ロケット砲
スフィンクス
製作・文/KATOOO
シュトラール軍 無人強襲偵察用二足歩行戦車 キュスター 製作/横山宏
シュトゥルムケーファーに続く海洋堂ドーヤネン第2弾がキュスターです。このシリーズ名、みんな忘れてるみたいだけど、みんな! どうやネン!?(笑)
このキュスターは谷明さんの原型です。曲面のアレンジがわしのオリジナルと少し違ってるところがすごくいい。写真だと伝わりにくいけど実物を手にするとそのカッコよさがわかるのでぜひ手に入れてちょうだい。
今回はプラの成型色も2種類打った2機セットです。せっかくなので1機はブルーグレーのベースにブラウン系をのせた迷彩機にしてます。1/35サイズなので2機並べた展示も楽にできます。オレンジやブラウンのファレホペーストで塗った地面を作ってそこに既存の1/35フィギュアも絡めました。1/35サイズならではの楽しみ方ができるキットになってます。2023年5月の静岡ホビーショーで展示する予定なので生キュスター見にきてください。
海洋堂 1/35スケール プラスチックキット
シュトラール軍 無人強襲偵察用二足歩行戦車
キュスター
製作・文/横山宏
ARTPLA キュスター(2機セット)
●発売元/海洋堂●6600円、6月予定●1/35、全高約10.5cm●プラキット
[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.116
シュトラール軍 野戦自走ロケット砲 スフィンクス
文/KATOOO(レインボウエッグ)
スフィンクスはナッツロッカーの走行技術を応用したツインテール式の装甲ホバー車体に19cmロケットチューブ16基を搭載した野戦自走砲です。ナッツロッカーを上回る全長13.3mで車長、砲手、操縦手の3名が搭乗。射程、破壊力ともに18.2cmロケットランチャー12基を装備する傭兵軍のドールハウスを凌駕します。
初出は月刊ホビージャパン1984年1月号。横山先生にオリジナル製作当時のお話を伺うと、「スフィンクスが双胴なのはチャーチルクロコダイルやマチルダのような戦車の左右のキャタピラがホバーになったらと考えたのが起点ですね。プラ板で車体を作ったけど上のほうが曲面で裾の部分が広がっているのは1970年代のレーシングカーのカタチを参考にしました。まず砲塔を作ったけど時間が足りなくて車体の見えないところはきちんと作らなかったの。竜頭蛇尾というか、カタチ的には“ライオンの頭にネコの尻尾”だね(笑)。なのでKATOOOさんがキット化する際、パネルラインやハッチを追加してもらったんです」と教えてくれました。砲塔はイマイ1/72リガードとタミヤ1/35ゲパルトを芯にしていて、ロケットチューブはトンボの色鉛筆+タバコのフィルターを組み合わせています。ロケットチューブ先端にはおもちゃの電車の車輪と思われるものが付いていますが、この車輪を特定できず、レジンキット原型は色鉛筆に直径が近いプラパイプにタミヤ1/35マチルダの転輪を加工したものをはめ込みました。
MAX渡辺さんのスフィンクス作例で積載荷物をネオジム磁石で脱着可能にするアイデアはプレイバリューがあって実にいいですね。再塗装を施した高射砲装備Ver.と横山先生の1/35キュスターを絡めた撮影風景を見られたのはさらなる眼福でした。
ファイアボールSG発売決定!!
ウェーブから1/20ファイアボールSGの発売が決定!! 接着剤を使用しない新規金型のファイアボールSGのプラキット化は初となる。横山宏氏による完成作例を紹介しよう。
ファイアボールSG
●発売元/ウェーブ●4950円、7月下旬予定●1/20、約12cm●プラキット
「美術部展」GWに開催!
東京・青山のビリケンギャラリーで「美術部展2023」が2023年4月29日(土)から5月14日(日)まで開催される。開催時間は12時~19時で月曜、火曜が定休日。横山氏のイラストも展示・販売予定だ。
© Kow Yokoyama 2023