『機動警察パトレイバー2 the Movie』リアクティブアーマー装備型イングラムを、質感表現&3形態再現できるように製作
2023.03.22AV-98 イングラム リアクティブアーマー装備【グッドスマイルカンパニー 1/60】 月刊ホビージャパン2023年4月号(2月25日発売)
リアクティブアーマーの質感を塗装で再現する
劇場アニメ『機動警察パトレイバー2 the Movie』より、リアクティブアーマー装備のイングラムがMODEROIDで登場。キットは先に発売されたAV-98 イングラムに大幅な新規パーツを追加。劇中に登場した1、2、3号機の頭部、マーキング再現用の水転写式デカールが付属し、各機体を選択式で組み立てることができる内容となっている。作例はキットの素性を活かしつつ、頭部の差し替えで3形態を再現できるように製作。そのため左肩のナンバーマーキングはオミットする形とした。
劇場作品『機動警察パトレイバー2 the Movie』に登場するリアクティブアーマー装備型のイングラムは根強いファンが多いと思います。今回はキットレビューなので単品作例として製作しましたが、破損した3号機がエレベーターに載っているシーンや地下坑道での戦闘シーンなどをディオラマにするのもよいかと思います。
そのまま組んでも充分にいい雰囲気なのですが、何点か改修ポイントをご紹介します。まず肩アーマー内部に見えてしまう位置にダボがあるので、パーツを接着したあとにダボを削り落としておきます。次にアンクルアーマーの厚みが少し気になりましたので、エッジが薄くなるように整形してやります。パーツがシャープに見えていい効果が出ると思います。もう1点、足甲パーツの段差部分を、足首側に彫り込んでおくとスミ入れすることで、より別パーツっぽく見えるようになるのでおすすめです。
好みの問題ですが、今回は前腕パーツの合わせ目が両サイドに出るので瞬間接着剤で埋めてからエポパテを薄く盛り付けてスパチュラや爪楊枝で布形状を再生。さらに内側にエッチングパーツの留め具の追加とスジ彫りを施し「巻き付けている」表現としました。
半ツヤの本体と成形炸薬入りのボディアーマーはキャンバス系、手足の柔軟性のあるポリエステルのような生地を塗装表現で差別化してみました。
ボディアーマーは炸薬を保持するため帆布のような硬めの布と仮定して、ガイアノーツの暗緑色→ライトグリーンのグラデーションで大まかな陰影を出してからピンウォッシュでシャドウを、ドライブラシでハイライトをそれぞれ強調させてガサガサした風合いを描き込んでいきます。手足のポリエステルのような布はテントなどの質感をイメージして、ミッドナイトブルーのグラデーション塗装。凸部のラインに沿って油彩の白でハイライトのラインを描き込んで、先端が丸くなっているフィルバートという筆にごく少量の溶剤を含ませて擦り、適度なぼかし表現を施しています。
本キットには1~3号機のヘッドパーツが付属し、頭部を付け替えることでバリエーション展開できるのですが、本作例ではきっと各号機の形態で撮影するだろうと思い、上腕部に本来指定されている1~3のマーキングデカールは貼りませんでした。できれば3体買って全部再現したいですね。ではみなさん「存分にやれ!」
グッドスマイルカンパニー 1/60スケール プラスチックキット“MODEROID”
AV-98 イングラム リアクティブアーマー装備
製作・文/コジマ大隊長
AV-98 イングラム リアクティブアーマー装備
●発売元/グッドスマイルカンパニー●5500円、発売中●1/60、約13.5cm●プラキット
ⒸHEADGEAR
コジマ大隊長(コジマダイタイチョウ)
セミスクラッチやディテールアップ、ウェザリング塗装など、あらゆる手法に精通するベテラン。