1940年代ドイツの日常をディオラマ製作!ミニアート1/35汎用トラクターを活用!
2023.02.06独特なアイテム選択とバリエーション展開でモデラーを楽しませてくれるミニアート。軍用車両だけでなく、一般車両やストラクチャーも豊富にライナップしている同社から、今回は1940年代を演出するのにぴったりのドイツの汎用トラクターを使用したディオラマを青木周太郎の製作でお楽しみいただこう。
今回の製作は、ミニアートより発売されたAGRICULTURAL TRACTORを製作してみました。この汎用トラクターシリーズは足周りの形状を変えながら、さまざまな形態が発売されていますが、グローザーのような形状の転輪は初めてで、小さなボディながら力強さも感じられる面白い様相です。
車体のロゴマークであるランツブルドッグは、ドイツのバーデンヴュルテンベルク州マンハイムにある、ハインリッヒランツAGによって製造されたトラクターです。1921年より製造され、1960年まで製造されました。
1956年に製造されたランツブルドッグは22万台生産され、フランス、オーストラリア、ポーランド、アルゼンチンでもコピー品が製造されていたこともあり、バリエーションもかなり多いようです。
■製作
部品点数もそれほど多くないので、ミニアート特有の繊細なパーツの取り扱いにさえ気を付ければ、さくさく製作していくことができました。今回もディオラマで仕上げる予定でしたので、付属の木製カートを利用して、田畑や農道のようなシチュエーションや家畜との組み合わせ等、いろいろと考えながら製作していました。
おまけのつもりで製作したCRUSADER GUN TRACTORと17PDR ANTI-TANK GUNを合わせて製作していた際、物置よりバーリンデンの教会が発見されたので、これも使ってみたところ、最初の目論見と変わってしまい、トラクターの使用場面としては少々無理のあるディオラマとなってしまったかもしれません。
おまけのCRUSADER GUN TRACTORはアキュレットアーマーのレジン製コンバージョンキットです。イタレリのクルセーダーをベースとして、車体内部と外装が主にモデライズされています。おそらくインジェクションキットでは発売されることはまずありえないと思い、購入しておいた少々珍しいキットです。牽引する17PDR ANTI-TANK GUNはピットロード製で20年以上前に「グランドフォースシリーズ」として発売されていた、メタルとエッチングパーツ製のキットです。シャーマンやコメット等に搭載されている砲として有名ですね。ブロンコからも発売されていますが、いつもの終活がてらの在庫放出もあり製作してみました。
■フィギュアとディオラマ
後ろ手を組んでいるのはチョタのメタルフィギュア。ヒジをついているフィギュアはタミヤのチャーチルより改造。ワインを受け取るフィギュアはキット不明のエアフィックス製を改造。トラクターの爺さんはキット付属のフィギュアの下半身にタミヤのチャーチル付属のフィギュアの上半身を組み合わせたものです。子供はミニアートより改造して、それらしく乗せています。
教会はバーリンデンの石膏製キットを使用。街灯と標識はミニアートより、木箱と樽はバーリンデンやリアリティー・イン・スケールのものを使っています。瓦礫や砂はモーリンを使用。木工用ボンドにお湯と少量の食器用洗剤を加えたものをスポイトで流し込んで固定しました。
ミニアート 1/35スケール プラスチックキット
ヨーロッパ 農業用トラクター&荷車
製作・文/青木周太郎
ヨーロッパ 農業用トラクター&荷車
●発売元/ミニアート、販売元/GSIクレオス●7700円、発売中●1/35、約25cm●プラキット
青木周太郎(アオキシュウタロウ)
月刊ホビージャパンが誇るベテランAFVモデラーのひとり。最新キット作例に織り交ぜられる懐かしのキットも最近は見どころとなっている。