HOME記事キャラクターモデルPLAMAX VF-1A/Sバルキリー作例 後ハメ加工とディテールアップで航空機モデルとしての精度を高める【マクロス】

PLAMAX VF-1A/Sバルキリー作例 後ハメ加工とディテールアップで航空機モデルとしての精度を高める【マクロス】

2022.12.03

VF-1A ファイターバルキリー(一条輝機)【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2023年1月号(11月25日発売)

後ハメとディテールアップで航空機モデルとしての精度を高める

 PLAMAX VF-1A/S ファイターバルキリー(一条輝機)のレビュー作例をお届けしよう。製作はこれまで数多くのマクロスプラキット作例を手がけてきたベテランパイロット、渡辺圭介が担当。キット構成は活かしつつ、主翼部分の後ハメ加工や一体成型になっている細部モールドの別パーツ化などの工作で航空機モデルらしさを高めて完成させた。

▲スタンダードな形状にまとめられており、ストレートに組み上げても高い完成度だが、スミ入れ、塗装、ディテールアップ工作などを行うことでさらに精度を高めることができる。初めてマクロスプラキットにチャレンジするモデラーの入り口として、ステップアップするための題材として、非常に受け皿の広いアイテムと言える

▲パイロットフィギュアを丁寧に塗り分け。コックピット内のコンソールは適度に塗り分けてメインモニターはキット付属のシールを使用。クリアーを塗布してツヤを出している

▲主翼付け根は可変翼を閉じると若干隙間が見えるので後ハメ化のついでに埋めておく
▲可動部をカットして胴体組み立て後に主翼を取り付けられるようにするが、取り付ける際のテンションで破損する可能性があるので補強兼隙間埋めのプラ板を貼った
▲隙間埋め工作完了。主翼の後ハメ工作と合わせて一石二鳥なのでオススメだ
▲着陸灯は切り欠いて透明レジンで埋めてから整形してクリアー化
▲翼端灯は切り欠いてからジャンクのクリアーランナーを使用してクリアー化
▲垂直尾翼の衝突防止灯も同様にジャンクのクリアーランナーを使用してクリアー化。尾翼後縁は薄く見えるように削り込んだ
▲サイドから見たときに尾部ブロックとエンジンナセルの隙間がやや気になったので、干渉部を一部削ることでフィットするようにしている
▲機首センサーポッドも切り欠いてからジャンクのクリアーランナーでクリアー化
▲脚収納庫カバーのライト類はキットパーツを彫り込み、透明レジンでクリアー化。主脚カバーは内部にスリットモールドを追加している
▲胴体上部のデータ通信用アンテナはプラ板で作り直してシャープ化
▲サブ・エアインテークのダクトパーツは一部をカットすれば後ハメ可能
▲エアインテーク内壁の押し出しピン跡はパテ埋めで処理。反対側は外側のモールドによる凹みがあるのでプラ板でふさいでいる
▲ベントラルフィンはやや厚みが気になったので、半分の厚みになるまで削り込んだ
▲主脚のタイヤは内側に肉抜きがあるので輪切りにしたプラパイプで埋めている

▲ランディングギアは脚収納庫ごと交換する方式なので、カバーパーツが外れる心配のないストレスフリーな構造

▲キット素組み(左)との比較。改めてキット本来の姿の完成度の高さをご確認いただきたい。ぜひ本記事を参考に自分なりのVF-1を完成させてほしい
▲別売りのTHEシンプルスタンドを使用して飛行状態でディスプレイ。着陸状態でも安定感があるが、飛行状態のディスプレイもカッコよく決まる。やや安定感に欠けるので専用スタンドの商品化にも期待したいころだ

 マックスファクトリーから1/72 VF-1A/Sバルキリーが発売。このスケールならハセガワのキットが、と思うかもしれませんが侮るなかれ、そこはまったくのコンセプト違いで素晴らしいキットになっています。ハセガワは飛行機模型としてのバルキリーをキット化しているので、幾分製作のハードルが高いところは否めません。対してこちらは作りやすさを最優先にしているため、驚くほど簡単に組み立てられます。マーキング類がデカールではなくシールなのもそのひとつ。しかもとても薄く作られており、まったく違和感がありません。

■製作
 非常に合わせもよいので、はっきり言ってそのまま作ればよいのですが、少しでも合わせ目は消したいぜ、という方々のために後ハメ加工、少々のディテールアップなどをやっていきましょう。
 以下、キャプションで解説していない補足です。
・エンジンナセルを組んでしまってもスラスターノズルパーツは入れられますが、ダボが邪魔なのでほんの少し残してカットしました。
・コックピットと胴体背中の合わせ部分がつながるように調整しました。
・キャノピー後部パーツは接続ダボが気になるので、慎重に削り、目の細かいペーパーがけ→コンパウンドで磨いています。

■塗装
 ほぼ指定のカラーリングです。尾翼やベントラルフィンの折り曲げ箇所のあるシールは塗装で再現しました。全体的に単調にならないように、白数種とグレーを使用しています。
本体白=グレーFS36622下地+ホワイト
黒=LP-1ブラック(タミヤラッカー塗料)
赤=紅色(日本海軍機用)
ノズル=スターブライトアイアン
 マーキングはキットシールを使用。余白をギリまでカットすると段差も目立ちません。エナメル塗料でスミ入れ、汚し、エフェクト。最後にツヤ消しを吹いて完成です。

マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット “PLAMAX”VF-1A/S ファイターバルキリー(一条輝機)使用

VF-1A ファイターバルキリー(一条輝機)

製作・文/渡辺圭介

©1984 BIGWEST

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渡辺圭介(ワタナベケイスケ)

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