HOME記事キャラクターモデルHG YF-19はいかにして作られているのか? 試作モデルの変遷から見る試行錯誤の道筋【マクロスプラス】

HG YF-19はいかにして作られているのか? 試作モデルの変遷から見る試行錯誤の道筋【マクロスプラス】

2022.11.27

HG 1/100 YF-19【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年1月号(11月25日発売)

3段変形「HG 1/100 YF-19」これまでの開発過程を公開!!

 BANDAI SPIRITS ホビーディビジョンがお贈りする新たなマクロスプラキットシリーズ第1弾「HG 1/100 YF-19」。本アイテムは現在の仕様にいたるまでにさまざまな試行錯誤を経ている。今回は初期の試作モデルからどのような道筋をたどって今にいたるのかを紹介していこう。

1 完全変形モデル

 初期は変形モデルとして開発されていた。こちらはそのファイター形態。カナードの可動や機首根元の可動用ヒンジ、一体になっていない頭部や肩部分が確認できる。収納の都合か機首がやや短く、胴体が大きい印象だ。

差し替え用プロポーション補完パーツ

 完全変形モデルと同時に進められていたのが、胴体、腰、主翼のプロポーション補完パーツ(写真の青いパーツ)。腕と脚を共用とし、上記パーツを交換することでより設定画に近いプロポーションを目指すというものであった。

▲エアインテークの横幅が狭く、内部の吸気ファンモールドが小さい

2 差し替え変形コンセプトモデル

 完全変形から「差替三段変形《ショートカットチェンジ》」に大きく舵を切る。完全変形にこだわらず、組み立てやすさ、変形のしやすさ、各形態のプロポーションを重視するならどの形態で何を共通パーツ化すればいいか、という模索が始まる。写真はそのコンセプトモデル。固定パーツとなった機首やファイター用胴体上部パーツが確認できる。

▲バトロイド上半身が上部と基部で分割される構造はすでにできており、ガウォーク用胴体基部パーツの原型と呼べるものもできている

3 外観重視モデル

 方向性が大きく変わった結果、下半身は3形態で共用、胴体上部および腕はガウォークとバトロイド、機首はファイターとガウォークで共用となり、ファイター用胴体上部パーツ、ガウォーク用胴体基部パーツ、バトロイド用胴体基部パーツが個別に用意された。これによって、現在のモデルに近いプロポーションになっている。テストショット写真と見比べてほしい。

▲全体的なプロポーションは現在のモデルに近いが、脚部のアウトラインや各パーツ形状は調整前なのが確認できる

4 外観重視モデル(最終)

 さらに進んだ外観重視モデル。各部形状が突き詰められてより現在の形状に近づいている。初期の完全変形モデルと比較すると、長く伸びた機首、コンパクトにまとまった胴体によって前進翼の美しいフォルムになっているのが確認できる。写真の右側にあるのは同モデルの下半身と胴体上部パーツ単体。
 これらの過程を経て現在にいたる。『マクロス7』放送当時、1/100の変形モデルと1/144のファイター&バトロイド固定モデルの2軸展開を行っていたが、両方の利点をくみ取りつつ、これまで蓄積されてきた技術によって大幅に昇華させたという印象の本キット。マクロスプラキットの新たなスタンダードモデルのひとつとして大いに期待したい。次回はほぼ製品版に近いテストショットを紹介する予定だ。

▲ファイター下面。脚収納庫カバーの形状やエンジンナセルのフォルムがさらに突き詰められているのが確認できる

HG 1/100 YF-19

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4180円、2023年1月予定●1/100、約15cm(バトロイド)●プラキット

詳しくはバンダイホビーサイトにて

©1994 BIGWEST

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