手軽に“ハイパーディテール”を楽しめる駆逐艦キット「日本海軍 駆逐艦 朝潮」をストレートに仕上げてみた【ハセガワ 1/700スケール】
2022.11.24手軽に“ハイパーディテール”を楽しめる駆逐艦キット
2017年に待望のリニューアルを敢行、完全新金型で甦ったハセガワの1/700スケール駆逐艦「朝潮」。「朝潮」型駆逐艦は、日本海軍の2000トン級「甲型駆逐艦」の先駆けとなった重要な存在で、同型艦10隻を建造後、改良型の「陽炎」型に移行している。キット内容は当時の最新の技術と考証が投入された素晴らしいものだったが、2020年にはエッチングパーツを同梱した“ハイパーディテール”バージョンをリリース。船体の手すりはもちろんのこと、窓枠付き艦橋、ボートダビット、煙突雨除け格子など、細部のポイントを押さえたパーツにより、キットのみで精密感あふれる駆逐艦を製作可能だ。
■キット概観
オリジナルのプラパーツ部分は完全リニューアルにより繊細なディテール表現を実現しているキットで、先代のものよりもモールドやディテールがとてもよくなっています。四連装魚雷発射管なども、ファインモールドのナノ・ドレッドのような精密アフターパーツには及ばないものの、充分に満足のいくパーツとなっています。
付属する純正エッチングパーツはポイント重視で、窓枠付き艦橋屋根、煙突雨除け格子、通風塔用網、手すり、梯子、水密扉、魚雷格納所、パラベーン用落下機、爆雷装填台、弾薬箱、スキッドビーム、ボートダビット、絡車、艦尾信号灯、方向探知機、艦首旗竿、艦尾旗竿など、おいしいところが付属しています。
さて製作では、純正エッチングパーツにナノ・ドレッドの機銃をちょい足しして製作していきます。
■ストレート組み+エッチング
作り方としては、組立説明書の通りに製作してよろしいかと思います。パーツ数はそれほどでもないですが、中には極小パーツもあるので、紛失や折損などには注意が必要です。
パーティングライン、煙突合わせ目、艦底パーツの接着と合わせ目消しを行い、艦首甲板と後部構造物のパーツも接着。リノリウム以外の場所はどんどん接着をしても構わないので、第一および第二煙突、後部マストなども接着します。
続いてリノリウムと艦底を塗装。艦底はアイズプロジェクトの0.7mmマスキングを巻きつけておき、リノリウム部分も細かく切ったマスキングテープをピンセットでひたすら貼ります。
その他の装備品はエッチングを取り付けてから個別に塗装、艦橋パーツも同じく塗装。マストはクリップで持ち手を付け、エッチングを取り付けてから塗装しておきます。砲塔は塗装して砲身カバーを白で筆塗り。魚雷発射管は魚雷先端下側を黒鉄色で筆塗り。短艇は両面テープで固定し、細かい部分は筆塗り。
塗装まで仕上がったパーツは、船体完成後に接着します。細かい甲板上のパーツはおよびエッチングは、マスキングテープで固定すると塗装も楽です。
船体塗装が完了したらマスキングを剥がし、個別に塗装しておいたすべての構造物・部品・兵装、そしてエッチングの旗竿・手すりを接着。
最後の仕上げとして、タミヤエナメルでスミ入れして少し汚しを加えて、GSIクレオスのツヤ消しクリアーでコートして完成です。
■まとめ
マストは真鍮線に置き換えもありですが、今回はそのままでも充分かっこいいです。エッチングも程よいパーツ数です。最近は細かすぎるエッチングも多いですが、ポイント重視のエッチングで実に作りやすく、駆逐艦の中でもおすすめできる良キットです。
ハセガワ 1/700スケール プラスチックキット
日本海軍 駆逐艦 朝潮“ハイパーディテール”
製作・文/takumi明春
日本海軍 駆逐艦 朝潮“ハイパーディテール”
●発売元/ハセガワ●4070円、発売中●1/700、約16.9cm●プラキット