中型双発爆撃機“三姉妹の長女”「ブリストル ブレニムMk.I」。エアフィックス1/48キットを丁寧に魅せる
2022.10.311/48スケールに進出したブリストル三姉妹の長女
イギリスのブリストル社は、第二次大戦前に「ブレニム」、「ボーフォート」、「ボーファイター」の3種の中型双発爆撃機を開発、いずれも大戦中にまずまずの成功を収めた。長女というべき存在のブレニムは高速旅客機から発展した中型爆撃機で、1937年から運用を開始している。エアフィックスでは2014年から1/72スケールのブレニムを完全新金型でリニューアルしていたが、2020年からはモデラーから待望されていた1/48スケールでのモデル化を開始、夜間戦闘機型のMk.IFに続き、純爆撃機型のMk.Iを発売。ビルマ方面では日本陸軍の隼とも剣を交えた歴戦の中型爆撃機をモデリング!
■キットについて
エアフィックスの1/48ブレニムMk.Iは、2020年に発売されたMk.IFのバリエーションモデルです。箱を開けると、エアフィックスのスタンダードな少し太めのスジ彫りの薄水色のパーツに、なぜか安心感を感じてしまいます。
まずはパーツを中性洗剤で洗っておきます。マーキングは2種類で、それによる選択パーツもあります。今回はパッケージアートにもなっている第211飛行隊で製作を進めて行くことにします。
■キットの製作
グラスキャノピーのコクピットは完成後もけっこう中が見えるので、ていねいに組み立て塗装をしていきます。また操縦席には、ファインモールドのナノシリーズのイギリス軍用シートベルトを追加しました。機体後部の銃座の組み立てですが、パーツB34は銃座フレームの位置決め用の治具なので、各フレームと接着しないようにしてください。
主脚格納庫は、主翼上下を接着する時に主脚も組み込んでしまう指示ですが、主脚パーツC25・C2は後付けができるので、それ以外の脚柱部分を組んだ状態で主翼および主脚収納庫を組み上げて、機体塗装が干渉しないようにマスキングをしておきます。主翼のフラップは下げ状態で接着することが前提のようで、閉状態にするには桁モールドを削らなければならないようなので、すべて下げの状態で接着しましたが、主翼に直付けとなってしまうため、各フラップに2ヵ所ずつ金属線を通して補強しました。
■塗装とマーキング
機体が士の字に仕上がり、合わせ目などもきれいに消せたら下地としてサーフェイサー1000をエアブラシで吹いて、キズチェックをしてから機体の迷彩塗装に進みます。今回はキット指示マーキングのうち、GSIクレオスのC21ミドルストーンとC22ダークアース、下面がC370アズールブルーの砂漠迷彩の第211飛行隊のマーキングにしました。
ビン色を全体にムラなく吹いてから、黒を入れた暗色でスジ彫りに沿って細吹きし、部分的にウェザリングっぽくランダムに吹きます。次に白を入れた明色で、パネルごとに退色っぽく吹き付けます。さらに基本色を溶剤で希薄した色で、全体のトーンを落ち着かせるように薄く吹き付けています。
同様の塗装手順で迷彩色を吹き付けます。迷彩のマスキングは、境目はねり消しゴムを細く伸ばしたもので、それ以外の箇所はテープで覆っています。下面色のアズールブルーもビン色を塗ってから、黒や白を入れた調色を併用し、単調にならないように塗装していきます。主翼付け根のウォークラインは、デカールを参考にマスキングをして塗装で処理しました。
デカールは、マークソフターやドライヤー熱を利用して密着させ、乾燥後にクリアーを全体に吹いて、シルバリング防止と塗装面のツヤをいったん整えてから、仕上げのフラットクリアーを吹き付けます。タイヤは自重変形なので、3点をキチッと合わせて固定します。
ウェザリングはタミヤのスミ入れ塗料とGSIクレオスのMr.ウェザリングカラーを使いました。なお話が前後しますが、アンテナ柱は強度を考えて竹串を削った物に取り替え、そこにアンテナ線を張って完成です。
エアフィックス 1/48スケール プラスチックキット
ブリストル ブレニム Mk.I
製作・文/久保憲之
(模型工房A-Z http://www.mokeikoboa-z.com/)
ブリストル ブレニム Mk.I
●発売元/エアフィックス、販売元/GSIクレオス●7150円、発売中●1/48、約27cm●プラキット
久保憲之(クボノリユキ)
各地で作品展が開催され、何時もの日々が戻りつつある今日で、製作も頑張っていきたいとと思ってます。