24時間耐久レースの優勝車「アウディ R8 LMS EVO」を付属の大判デカールとエッチングパーツで完成度を高める
2022.10.17Audi R8 LMS EVO NURBURGRING 24H 2019 WINNER
世界屈指の難コースとして知られるニュルブルクリンクサーキットで毎年開催されてきた24時間レース。2019年のレースで激闘を勝ち抜いた優勝車、アウディ R8 LMS EVOがプラッツ/nunuからキット化。EVOタイプのボディ形状は新金型で再現され、専用のエッチングパーツも同時に発売された。作例は月刊ホビージャパンで長年バイク・カーモデルを担当している一ノ戸晃治が製作。必要に応じてディテールアップパーツを使用し、完成度をさらに高めている。
■キットについて
今回は久々に現行のレーシングマシンを製作しております。nunuのアウディ R8 LMS EVOですね。とてもカラフルなカラーリングですが、これ全部デカールです。キットが届いてパーツを確認した時はさすがに不安になりましたね。貼れるのか? と。nunuのデカールは比較的に貼りやすいのですがどうなるか…。とにかく進めていきましょう。
■ボディ
まずはボディの処理から。説明書では最後に貼る指示になっている両サイドのドア後部のパネルとサイドウインドウ後部のパネルを接着し、スジ彫りを彫りなおすと同時に全体のスジ彫りも深くしておきます。デカールが少し厚めなのでクリアーコートをした時にデカールを貼った部分のスジ彫りが埋まってしまわないようにするためです。次に、ボディ全体を白と後面を黒で塗装しデカールを貼っていきます。マークソフター、ドライヤー、熱湯を駆使して作業していきましたがデカールが伸びてくれて曲面にも馴染んでくれるのでなんとか貼ることができました。前輪上のルーバーの部分が難関でしたが熱湯で湿らせたコットンを押しつけながら馴染ませました。どうしても角の部分は切り込みを入れたりして下地が出てしまう部分もあったので、デカールの色に合わせたグリーンメタリックとブルーの塗料を用意してタッチアップしました。グリーンメタリックはGXメタルグリーンをベースに色ノ源で調色、ブルーは34スカイブルーに白を混ぜて明るさを調整すれば合わせることができます。ガイアノーツのEx-クリアーでコートして研ぎ出し、後部の黒はフラットクリアーでコートしてツヤ消しで仕上げてあります。後部中央にある4輪マークは黒地に黒のマーキングですが、フラットブラックの上から貼れば識別することができますよ。
■シャシー・内装
次はシャシーです。ダボが大きめで接着位置がわかりやすいのでストレスなく組むことができます。今回はオプションパーツのカーボンデカールを全体に貼り込んでいます。ボトム面の大判デカールまであるので、ここは貼らずに取って置いて他に流用するのもアリかもしれませんね。インテリアにもカーボンデカールを貼って仕上げます。ステアリングのデカールはダイヤルの部分を3ヵ所丸く切り抜いておくと貼りやすいですよ。コンソールのスイッチの部分はデカールを合わせてマークソフターを塗ってしばらく放置、柔らかくなったタイミングを見計らって湿らせたコットンで押さえてなじませました。エンジンは上面のみモールドで再現されていますが、なんとケース共々一体パーツ。塗り分けのマスキングに苦労しました。せめてエンジンだけでも別にしてくれれば作りやすかったのですが…。エッチングパーツも用意されていますがここは必要に応じて、ブレーキディスクシートベルトなど一部の使用にとどめています。
■あとがき
このマシンは2022年のGTワールドチャレンジヨーロッパでバレンティーノ・ロッシが黒と蛍光イエローのおなじみのカラーリングで走らせてるんですよね。EVOIIになってウイングステーの形状が変わってたりしてますが、どっかからデカール出てないかなぁ。
プラッツ/nunu 1/24スケール プラスチックキット
アウディ R8 LMS EVO 2019 ニュルブルクリンク24時間レース ウィナー
製作・文/一ノ戸晃治
アウディ R8 LMS EVO 2019 ニュルブルクリンク24時間レース ウィナー
●発売元/プラッツ/nunu●4620円、発売中●1/24、約18.6cm●プラキット
アウディ R8 LMS EVO 2019 ニュルブルクリンク24時間レース ウィナー用ディテールアップパーツ
●発売元/プラッツ/nunu●3190円、発売中●1/24
一ノ戸晃治(イチノヘコウジ)
月刊ホビージャパンで長年バイク・カーモデルを担当。レースシーンの取材も行う。実直で破綻の無い安定した仕上げがウリである。