『機甲創世記モスピーダ』とは?新たな公式外伝『GENESIS BREAKER』を解説
2022.09.14機甲創世記モスピーダ外伝 ジェネシスブレイカー●柿沼秀樹、マーシーラビット 月刊ホビージャパン2022年10月号(8月25日発売)
ついに「月刊ホビージャパン 2022年10月号」より小説連載がスタートした『ジェネシスブレイカー』。『機甲創世記モスピーダ』と同じ世界・時間軸で語られる特務部隊ブレイカーズが活躍するサイドストーリーである。ここではベースとなる『機甲創世記モスピーダ』の解説を軸に、『ジェネシスブレイカー』について解説していく。
外伝小説『GENESIS BREAKER』
【『モスピーダ』外伝】 01 侵入者 ─イントルーダー─ 【GENESIS BREAKER】 – Hobby JAPAN Web (hjweb.jp)
機甲創世記モスピーダ、新たなる胎動
TV放映より来年で40周年を迎える『機甲創世記モスピーダ』。本作のメカニックデザイナーである荒牧伸志、柿沼秀樹両氏を迎えた公式外伝小説『GENESIS BREAKER』が、ついに今月より連載スタート! スティックら人類軍がレフレックス・ポイントを目指して冒険を続けるその裏で暗躍していた[…]
『機甲創世記モスピーダ』とは?
≫A.D.2050
突如、外宇宙から謎の異星人が飛来し、人類に対しの侵略を始めた。
人類はその敵を「インビット」と名付け、総力を挙げて戦うが、数年で人類の半数が死滅。
各国政府による統治は破綻し、生存者は地球を捨て、月の開発基地及び入植が始まっていた火星居住区へと緊急脱出を余儀なくされる。
地球上の近代的都市は破壊され、残された人々は村単位のコミュニティ集落などを形成し生き延びる。
侵略者は北米大陸中央部に拠点を設け、一切の外部要因を物理的に遮断・遮蔽。光すらも跳ね返す高度な防衛手段は人類には解析不可能なため、“あらゆる事象を跳ね返す”意味からその拠点はreflex・pointと呼称される。
火星居留区は、かねてより推進中であった火星全域のテラフォーミングを加速させ、許容の200倍もの地球からの難民を受け入れ破綻寸前となるも、違反者を粛正する強圧統治によって破滅を回避。
再び地球を異星人から奪還すべく準備を進める。
≫A.D.2080
火星軍はその戦力投射能力のすべてを持って第1次降下奪還作戦を決行する。宇宙戦闘艦、降下艇、支援艦など、総数2400隻と約16万人の兵力を投入した。
しかしインビットの防御は人類の予想を大きく上回り、地球降下時に87%の降下艇、戦闘艦が破壊された。これにより想定していた大兵力を地上投入し、橋頭堡を築く作戦は破綻。ほんの一握りの兵士たちが地上に到達するも組織的戦闘の続行は不可能として作戦は中断される。
事実上の人類軍の敗退となる。
≫A.D.2083
第2次降下奪還作戦決行。
3年前の敗因を検証し、大気圏突入時に無力となる戦闘機をカバーするための新兵器レギオスや、歩兵一人に敵インビットを破壊可能な火力と機動力をもたらすライドアーマーシステムを大量に導入。
大気圏への突入回廊確保部隊。敵迎撃メカ対応部隊。
そして突入隊本隊に、兵力を機能分化させた結果前2部隊はほぼ壊滅するも理想の1/10ではあるが降下部隊の地上到達に成功する。
インビット
KEYWORD
ブレイカーズ特務部隊
地球奪還を使命とする火星正規軍とは別に組織された特務隊。戦時政権として新設された新政権『第二次・火星政府』内・情報局の秘密機関で、かつて火星開拓を統制・遂行した“旧支配層”の直轄実動隊。敵とのコンタクトを主たる目的とするため、特殊能力者を集めた部隊で、第二次降下作戦の強襲降下部隊と共に地球圏に派兵、地上での活動を行う。“旧支配層”はかつて仇敵としてきた“地球政府”が未知の敵の侵攻により瓦解した事を受け、この人類最大の危機さえも自らの復権の好機と捉えている。そのため特務隊ブレイカーズが使用する装備・兵装は通常装備に加えサーチ、コンタクト、スペキュレーション機能に特化したものを有し、敵インビット個体の解剖学的究明に始まり、敵の意図及び目的の把握を目指して活動する。また通常部隊による敵の制圧・支配地域の開放には積極介入をしない。独自の通信網を持ち、軌道衛星を中継して情報の送信が可能だが、敵の広域ジャミングを打破するテクノロジーは有していない。ゲイトがリーダーであり、軍隊ではないが契約上、厳しい戒律が存在し、また各個人がそれぞれ個別の褒章を雇用主たる情報局との間に結んでいる。
CHARACTERS
登場人物
#1 ゲイト
推定19歳。地球時代、火星開拓時代を通して世界の支配者たる三家四財閥の中心イズメイア家の一員。家督継承順6番にあたると言われる火星生まれ。幼少期の事故より身体の大半が人工物。特殊訓練を積んだ戦闘のプロ。新政権とは距離を置くも、火星の主要鉱物資源の多くを私有財産として保有するイズメイア一族は、政府に対しても影響力を持ち続けている。そして一族の一員はそれぞれ使命を負っており、再びの世界支配完了を最大の目的とする。彼女を育てた叔父の影響が強く、イズメイア家が世界を統治する事の意義を語った叔父の一時間に及ぶ演説は、事あるごとに彼女の脳内で再生される。使命を完遂する達成感に快感を覚える傾向を持つ。
ライドアーマーシステムとは?
火星軍は、地球を奪還するに当たって、絶対数が少ない将兵をいかに効率的にインビットに対抗できるようにするかという課題を抱ていた。その回答として開発したのが、各歩兵の機動力、火力、防御力、移動能力を飛躍的に向上させるライドアーマーシステムである。これは、各兵士が着用する戦闘スーツ(RIDING SUITS)と各人が搭乗するバイク(ARMOR CYCLE)によって構成されるパーソナルな兵器システムである。兵士は通常時はバイクに乗って移動し、敵と遭遇したときはバイク本体が速やかに変形しパワードスーツ(RIDE ARMOR)となることで、機動力、火力、防御力を増強し、一人の兵士でもインビットの個体と同等に戦うことが可能になるのである。
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