『境界戦機』よりHGブレイディフォックスを無人機特有の不気味さを加えて再現
2022.06.30NA13 ブレイディフォックス【BANDAI SPIRITS 1/72】 月刊ホビージャパン2022年8月号(6月24日発売)
北米同盟軍最新鋭機を無機質な不気味さを加えて仕上げる
軍事用自律思考型AIを搭載した北米同盟軍の新型主力AMAIM「NA13 ブレイディフォックス」がHGキット化。頭部や胸部、前腕部形状と武装を新規型で再現している。豆タンクによるキットレビュー作例は、特徴的な武装のレーザー砲に発光ギミックを追加。上半身のシルバー部分には航空機の金属地を意識したメタリック塗装、全体的には戦闘による汚れ表現を施している。
『境界戦機』よりHGブレイディフォックスを担当しました。第二部の序盤では他勢力を圧倒していましたが、その登場時のイメージで今回は汚しは控えめに製作しています。キットはHGブレイディハウンドの一部パーツ差し替えとなっており、特徴的なレーザー砲と大型シールドも劇中を再現できるよう可動が随所に入れられています。
キットとしてはプロポーションは非常によく再現されているため、表面処理、エッジ出しを重点に製作しました。頭部は差し替えで有人、無人機それぞれ再現可能です。レンズ部はホイルシールとネイルのストーンを使用して発光状態としています。有人機の頭頂センサー部も同様にホイルシールを使用しました。
航空機のような肩部分は翼部分の末端を薄く加工してエッジを出しました。またインテークやアウトレットの開口部周辺も面取りで末端が薄くなるよう処理しています。背中のスラスターは内部に両肩のスラスターと同じようなディテールを追加しています。太モモの装甲はアクセントとしてスジ彫りを追加しました。ヒザのパーツは少し厳つく感じたのでプラ板でディテールを変更しています。靴裏やヒザ関節には肉抜きがありますが、ほとんど目立たないのでディテールとしてそのままにしました。
レーザー砲はキットのままですが、劇中のイメージを再現するため、砲口を開口してクリアーパーツ化。内部にLEDを仕込んでいます。センサー部はホイルシールにクリアー処理をしています。シールドはモナカ構造で合わせ目はディテールになっていますが、繋がらない箇所もあるため、埋めて新たにスジ彫りを追加しました。また持ち手との連結部の肉抜きは若干目立つため、プラ板で埋めています。
カラーリングは頭から肩の翼にかけては金属感を出すためメタリックカラーのチタンを選択。白とバイオレットの部位は設定通りの配色ですが、黒ベースでメタリックカラーとの違和感が出ないようにしてみました。メタリック部分のみ半ツヤ、ほかはツヤ消し仕上げです。登場時の雰囲気でダメージ再現はなし、若干の使用感のみを出すため、Mr.ウェザリングカラーのシェードブルーでウォッシングし、ブラウン、グレーで軽めのチッピングを行っています。
BANDAI SPIRITS 1/72スケール プラスチックキット“ハイグレード”
NA13 ブレイディフォックス
製作・文/豆タンク
HG 1/72 ブレイディフォックス
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2750円、発売中●1/72、約14cm●プラキット
©2021 SUNRISE BEYOND INC.
豆タンク(マメタンク)
ミリタリー的な表現を得意としており、特に金属などの質感表現や退色・ダメージ加工に優れている。