映画『トップガン』主役機・トムキャットを童友社1/72キットで完全再現!
2022.06.26黄金のトップガン・コンビの可変翼戦闘機にチャレンジ!
1986年公開の映画『トップガン』の主役メカといえば、主人公「マーヴェリック」の愛機であるアメリカ海軍グラマンF-14トムキャット艦上戦闘機。この機体の美しさと強さを余すところなく描いた映画の影響力により、退役からすでに16年が経過した現在も人気の高さはとどまることを知らない。2022年ついに公開された新作『トップガン マーヴェリック』でもまさかの復活!? ともいわれているが、旧作において“マーヴェリック”と“グース”の黄金コンビが駆ったトムキャットを、童友社の秀作1/72キットで製作。パーツの組み替えで細部の微妙な差異まで完全再現!
■『トップガン』トムキャットを作る!
インド洋上空で国籍不明のMiG-28との遭遇戦から始まる青春航空ラブロマンス映画『トップガン』。説明の必要すらないトム・クルーズの出世作品ですね。公開当時映画を観た私は「アメリカ空母甲板要員はトムキャットが発艦する度にダンスを踊るんや!」と驚き、「カワサキGPzニンジャに乗るには限定解除するしかないな!」となんだかよくわからない興奮状態で家路についた思い出があります。
■機体の組み立て
F-14のプラモデルといえばもっとも作りづらいジェット戦闘機の代表選手のような存在でしたが、ここ最近のデジタル設計技術の進歩もあって、各メーカーから組み立てやすいキットが数多く登場しています。今回製作した童友社のキットも、見事な分割とパーツ構成で、まったくパテを使用する必要もなくストレスフリーで完成させることができました。
■選択パーツ一覧
キットは1970年代初期のA初期型を再現していますが、1980年代の『トップガン』登場機とは細部の仕様が異なります。幸いバージョン換えのための不要パーツがキットに含まれているので、簡単に再現することが可能です。以下に選択したパーツ番号を列記しておきます。
・バルカン砲ガス抜きスリット:A11
・ピトー管:A6
・武装:E19(AIM-7スパロー)×2、E21(AIM-9サイドワインダー)×2
・チンポッド:A16
主翼基部の組み立てでは、組立説明書ではB14&15を主翼パーツに接着するようになっていますが、胴体上下面に先に挟んで接着、塗装を完了させた後で左右の主翼パーツを基部に差し込むようにすると作業が簡単になります。
また、胴体上下部パーツの背面GPSアンテナおよびグローブベーン前方&下側のふくらみ(ECMアンテナ)は削り取っておきます。
■機体マーキング
映画館の大画面を目まぐるしく飛び回るトムキャットを観た時の印象は「汚っ!」のひと言。その後何度か映画館に行きましたが、どこの部隊所属機なのか、インターネットもない時代のことでしたから、さっぱりわかりませんでした。
今回の作例製作にあたりいろいろ調べた結果、少し前にイタレリからマーヴェリック&グースの搭乗機を再現したキットが発売されていたことがわかり、海外の業者から取り寄せデカールのみ使用しました。入手は難しいかもしれませんが、複数のデカールメーカーからトップガン仕様のデカールも発売されているようなので、ネットで探してみたり自作デカールで再現する方法もあります。
ちなみに青地に赤い鷲が描かれたVF-1の部隊マークや黄色地に赤い稲妻を握った黒い拳の部隊マークは、実際には存在しない架空エンブレムだそうです。架空部隊マークになった理由は、1980年公開の『ファイナル・カウントダウン』で登場したVF-84ジョリーロジャースに人気が集中したため、米海軍の要請で存在しない部隊マークを採用したそうです。
■機体の汚し塗装方法
主翼・双垂直尾翼・水平尾翼を取り付けない状態でラッカー系塗料を用いて基本塗装を行い、乾燥後にパネルにエナメル系のスミ入れ塗料でスミ入れを行います。
エナメル溶剤で余分なスミ入れ塗料を拭き取った後、パネルラインに沿ってエアブラシで薄く溶いたラッカー系黒色塗料を吹き付け、乾燥後にエナメル溶剤を染み込ませた綿棒を使い、掃除をする要領でラッカー系の汚れをごくごく少しずつ拭き取って、グラデーションを付けます。
その後、補修塗装が施されたであろうパネルをマスキングし、基本色に少量の白を混ぜて吹き付け、補修跡を再現。全体の汚し塗装が完了した後、主翼や水平・垂直尾翼を接着し完成です。
童友社 1/72スケール プラスチックキット
アメリカ海軍 F-14A トムキャット“VF-143 プーキン・ドッグズ”
製作・文/ヨンケイ
アメリカ海軍 F-14A トムキャット“VF-143 プーキン・ドッグズ”
●発売元/童友社●6050円、発売中●1/72、約26.6cm●プラキット
ヨンケイ
18歳で観た『トップガン』で飛行機とバイクの洗礼を受け37年、今では息子までが航空部に入り空を飛びバイクで走るまでになりました。『トップガン』は人生を変えた映画です。