『境界戦機』HGキットにパワーアップした「ケンブ斬」が登場! 丁寧な面出しと合わせ目処理などで作例製作&キットレビュー
2022.04.26YM-04 ケンブ斬【BANDAI SPIRITS 1/72】 月刊ホビージャパン2022年6月号(4月25日発売)
生まれ変わったケンブを仕上げ重視で完成させる
隠岐の島の戦いから8ヵ月、椎葉 アモウとともに帰還した「YM-04 ケンブ斬」。あらゆる性能がケンブより大幅に向上しており、見た目にも力強くなったシルエットをHGキットでもシャープに再現している。キットレビューはurahana3が担当。仕上げのきれいさを重視して気になる肉抜き埋めや合わせ目処理を行い、一部塗装アレンジによるメリハリを加えて完成させている。
腕部の黄色いパーツ、ヒザの黄色いパーツはそれぞれ後ハメ加工を行い、塗装後に接着しています。中に残す部分は残し、必要な箇所を切り離す方法です。こういう切り離し加工を行う際、BMCタガネの0.1mmで作業することが多いです。
細かい肉抜きはひとつひとつ処理していきます。肩の内側は関節パーツが入る部分の隙間が見えてしまうので、0.25mmのプラ板を同じサイズに切り出して接着。ヤスリをかけて隙間をなくしています。腰部リアアーマーは赤いパーツの裏側が肉抜きになっていますので、パテで修正。頭部の襟足もちょっとした肉抜きが見えるのでパテで修正します。
要所要所に入っている特徴的なマークのディテールはマスキング塗装で再現します。エナメル塗料での拭き取りも考えましたが、完全な凹みディテールになっているわけでもなく難しそうと判断して、マスキング塗装にしました。ハンドパーツは5本指の一部が白になっていますので、マスキングでの塗り分けが必要です。テープではどうにも処理できなさそうなので、白塗装→マスキングゾルを筆塗りして白になる部分をマスキング→グレー塗装→マスキングゾルを剥がす、という手順です。きれいに仕上げるにはなかなか難易度高めでした。
主人公機ですが、スモーキーな色味の仕上がりにしたく、それぞれ彩度を落として白・赤・黄の3色をまとめています。関節部の成型色は黒寄りですが、かなりグレー寄りにして色のキツさをなくしてコントラストを弱めました。なんとなくですが、明るくハッキリとした主人公カラーよりも彩度を落とした仕上がりが似合いそうな気がしたので、アニメカラーとは違う感じに冒険しています。この作例で、少し新しい方向のケンブ斬を見ていただけたらと思います。
BANDAI SPIRITS 1/72スケール プラスチックキット“ハイグレード”メイレスケンブ斬 使用
YM-04 ケンブ斬
製作・文/urahana3
HG 1/72 メイレスケンブ斬
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2750円、発売中●1/72、約15cm
©2021 SUNRISE BEYOND INC.
urahana3(ウラハナサン)
女の子プラモデルを中心に活躍する主婦モデラー。独特な感性に基づいた塗装でメリハリのある仕上げを得意とする。