1/35「イギリス 主力戦車 チーフテン Mk.10」1980年代のベルリン旅団で施された市街地迷彩車両を製作!
2022.04.04幾何学模様の甲冑を身に付けた重装甲MBT
東西冷戦期の1966年に登場、1995年まで運用されたイギリス陸軍のチーフテンは、高威力の120mm 55口径ライフル砲や最大195mmの重装甲を特徴とする強力な戦車だった。モンモデルが1/35スケールでモデル化したMk.10は既存車両の改修タイプで、「スティルブリュー・アーマー」複合装甲を砲塔前部などに装着している。キットは連結式履帯とスプリング内蔵のサスペンション、モード切り替えも選択できるサーチライト、機関室のグリルや砲塔バスケットなどのエッチングパーツなど、至れり尽くせり。1980年代のベルリン旅団で施された市街地迷彩車両を製作する!
■キットについて
数年前に開発中とのアナウンスがあったモンモデルのチーフテン。一時お蔵入りになったとの話もありましたが、やっと登場しました。
チーフテンは1960〜80年代のイギリスの主力戦車です。強力な120mm L11A5ライフル砲と厚い装甲を持った戦車で、当時ソ連軍がもっとも警戒していた戦車と言われています。チーフテンは多くのバリエーションがありますが、Mk.10は「スティルブリュー・アーマー」と呼ばれる追加の複合装甲を取り付けて、さらに装甲防御力をアップした型です。
キットは細部に至るまでシャープなモールドが施されており、砲塔の鋳造肌のモールドもすばらしいです。足周りは金属製のスプリングを使った可動式、組み立て履帯も可動式となっています。マーキングは緑と黒の通常の2色迷彩のものと、箱絵にもなっている特徴的なベルリン旅団の市街地迷彩の2種。今回は、この市街地迷彩で仕上げたいと思います。
■製作について
モンモデルのキットは嵌め合わせが少しキツめのものが多い印象でしたが、チーフテンは嵌め込み具合もちょうどよく、パーツ数は多いもののスラスラと組み立てることができます。
可動式の履帯はシングルピンタイプ。組み立て用のしっかりした治具があるので、履帯の連結は楽に行うことができます。主砲のサーマルスリーブのモールドは非常にすばらしいのですが、砲身が左右分割のパーツになっているので、なるべくモールドを傷めないように注意して合わせ目を消す必要があります。車体前方のバックミラーの支柱は強度的に不安だったので0.5mm真鍮線で置き換え。アンテナは0.3mmの真鍮線で追加しておきました。
■塗装について
ベルリン旅団の市街地迷彩はホワイト、グレー、ブラウンの3色。それぞれ、タミヤラッカーのインシグニアホワイト、Mr.カラーのジャーマングレー(C514)、ダークアース(C22)で塗装しています。下地にマホガニーサフを塗り、全体をインシグニアホワイト、グレー、ダークアースという順に塗装しました。マスキングが手間ですが、非常に模型映えする迷彩だなと思います。
転輪など足周りは、実車の写真を確認するとグリーンのようだったので、タミヤラッカーのオリーブドラブ2で塗装しています。
基本塗装後、白、黄、青、茶の4色を使ってドッティング。その後にスミ入れをし、車体下部を中心に土、砂の汚れをMr.ウェザリングカラーのグレイッシュブラウン、ライトグレイッシュで入れています。
履帯はタイヤブラックで塗装後、エナメル塗料のメタリックグレイでドライブラシ、ゴムブロックの部分のみメタリックグレイを落とし、その上に車体と同様に土、砂のウェザリングを施して仕上げました。
ウェザリングの仕上げとして、Mr.ウェザリングカラーのグランドブラウン、エンジンデッキなど車体上面をステインブラウンでピンウォッシュ。砲塔上面を中心にエナメル塗料のバフでドライブラシをして、砲塔ハッチの周りなどのモールドを強調させてみました。
モンモデル 1/35スケール プラスチックキット
イギリス 主力戦車 チーフテン Mk.10
製作・文/岸田賢
イギリス 主力戦車 チーフテン Mk.10
●発売元/モンモデル、販売元/GSIクレオス●14850円、発売中●1/35、約30.9cm●プラキット
岸田賢(キシダケン)
2022年、札幌は稀にみる大雪で大変なことになってますが……そんな雪の季節もあともう少しの辛抱です。