【ブレンパワード作例】Blu-ray Box発売記念! 「ユウブレンパワード」を<再構築(リバイバル)>
2022.02.20ユウブレンパワード【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)
関節強化とアンチボディ特有の関節ディテールを盛り込む
1998年にWOWOW初の有料アニメとしてスクランブル放送された、富野由悠季監督作品『ブレンパワード』。このたび、3月29日にBlu-ray Boxが発売されることが決まり、その記念として改めて、主人公機ブレンパワードを製作。放映当時に発売されたBANDAI SPIRITSヒメブレンパワードを使用し、カラーリングを伊佐未 勇(イサミ ユウ)に変更。ユウブレンとして仕上げている。ABS関節部の強化と合わせ、メインデザイン永野護氏が描く関節周りや細かなディテールを盛り込んだ、フルディテール版として完成させた。
FRONT
SIDE
REAR
■リバイバル
作例製作にあたり『ブレンパワード』全26話を改めてサブスク視聴していた只野です。
序盤は多彩な女性たちの葛藤や対立が際立った印象でしたが、大筋では巨大遺跡オルファンを巡り、オーガニック・プレートから再構築(リバイバル)するグランチャー、ブレンドパワードとの相関関係が徐々に明らかになる構成に引き込まれますね。
さて、お題は「ユウブレンパワード」。永野護氏が紡いだ設定画を読み込みオーガニック・マシンの特徴を捉え製作に挑みます。
■関節強化
当時モノの「ヒメブレンパワード」を仮組みしていくとABS製のボールジョイントが砕ける…!(経年劣化で可塑剤が抜けているのか?) 途方に暮れながらも強化・ブラッシュアップ法を模索し作業を進める。ブレンはまるで鋼板が折り重なったような駆動筋が露出しているので、このディテールを細かく入れることで関節強化を兼ねることにした。
各軸にはほぼすべて金属線や精密ビスを貫通させて強化、ボールジョイント雌側にはプラ板やエポパテで板状ディテールを付加して構造強化している。
特に腕部は切り出した0.3mmプラ板を一枚一枚接着して「筋」のディテールを地道に入れている。
脚部はがら空きな関節周辺やヒザからスネのラインを調整。頭部は目のスリットを彫り直したり耳部形状を調整した。
■塗装
目のスリットやスネの一部等、橙色部分にはC159・スーパーシルバー⇒蛍光オレンジを重ね、ブラックライト照射で発光するようにした。マスキングを施し基本塗装を行う。
機体色はC1ホワイト+色ノ源シアン+マゼンタ+イエロー調合のブルー。
駆動筋にはベースグレー⇒フラットクリア+雲母堂CCブラックパール。
■まとめ
駆動筋の再現に悪戦苦闘した本作例ではあったが、機会があれば後半に登場する再リバイバル後の「ネリーブレン」にも挑戦してみたいと思う只野でした。
BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット ヒメブレンパワード 使用
ユウブレンパワード
製作・文/只野☆慶
ⓒサンライズ
只野☆慶(タダノケイ)
各種造形、デザイン、模型製作を生業とする。重量級MSからヒーローまで幅広くこなす。