FULL MECHANICS 「メイレスケンブ」のリアリティーを求めたブラッシュアップ
2022.02.24YM-02 ケンブ【BANDAI SPIRITS 1/48】 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)
実物を想像しながらディテールを加えていく
1/48スケールの「FULL MECHANICS」ブランドで発売となった「メイレスケンブ」。全高約20cmという大型キットになっており、パーツの色分け、ディテール、ギミックなど、あらゆる面でHGを上回るハイエンドモデルになっている。こちらのキットレビューはRyunzが担当。形状には手を加えず、実物が存在したらということを想像しながら各部ディテールをさらにブラッシュアップしている。
FULL MECHANICS 1/48 メイレスケンブを製作いたしました。HG 1/72シリーズとは違いキットの大部分がフレーム構造であるとともに、FULL MECHANICSの名に恥じぬディテールが入ったキットになります。スタイルも素晴らしく、そのままでも充分カッコいいキットなので、今回は各所のディテールアップを中心に製作を進めました。パネルラインは、その意味(ここはプレスかな? とか、装甲はコンポジット装甲かな? など)を考えながら入れています。
■頭部
頭部は後ハメ加工などすることなく設定通りに色分けを再現できる構成になっています。あえていうのならば、ダクトパーツの固定ピンを切り落とすと後から組み込み可能になります。頬パーツは上下の境目を彫り込み、別パーツに見えるようにしました。
■胴体
襟内側に肉抜きがあるので、プラ棒でフレームのようなものを製作しました。また、部位によって凸モールドと凹モールドが混在しているので、すべて凹モールドに彫り直しています。肩関節の可動軸先端にあるモールドがはっきりしていなかったので、エッチングパーツに置き換えました。コクピットハッチは真鍮線で手すりを追加しています。前屈みになると、胸下部装甲の一部が干渉するので削って調整しました。
■腕部
キットは未完成時の状態も再現できるので、もう1セットを使用して、肩部分はそれぞれ製作しています。なお、未完成状態の右肩は外装取り付け穴が目立ったので、プラ板でフタを作りました。上腕装甲は機関砲のストックが当たるので交換頻度も高いと想定したパネルラインを追加しました。前腕装甲も製造方法やパーツ交換の手間を考えたパネルラインを入れています。
■脚部
腕部と同じようにパネルラインを追加し、凸モールドも彫り直しています。左脚ヒザ外側カバーの裏には磁石を仕込み、模型オリジナルでマガジンラックを追加しています。脚フレームにある肉抜きはプラ材でふさぎ、一部マイナスモールドを入れています。
■武装他
ウェポンラックは本体の肉抜きが目に付くのでポリパテで埋めました。アームの肉抜きは本体はポリパテで、軸はプラ棒で埋めた後にメタルパーツを貼ってディテールアップしています。マウント部も内部に隙間があるので、プラ板を組み合わせてスライドラッチギミックに見立てたディテールを作っています。60mm携行機関砲はバレルの後端を切り欠いて後ハメ化。超熱振式戦闘直刀と腕部超熱振式戦闘爪は、キットを2セット使用して待機状態と熱振状態をそれぞれ製作。アモウ君は、コクピット着座Ver.はそのまま塗装し、立てヒザVer.は右脚太モモのリブを削り込んで形状を整えています。
■塗装
外装の白はRGのように2色で塗り分けていますが、モールド追加やデカール貼り付けもあり、あえて明暗差を抑えた配色にしています。あまりグレーが強くなるとそこが目立ち過ぎてしまうこともあるので、注意が必要です。
白1=Ex-ホワイト 白2=ニュートラルグレーI
グレー=レドームグレー 赤=レッドFS11136
黄=キアライエロー
フレーム=メカサフ スーパーヘヴィ、メカサフ ヘヴィ
BANDAI SPIRITS 1/48スケール プラスチックキット “FULL MECHANICS”メイレスケンブ 使用
YM-02 ケンブ
製作・文/Ryunz
FULL MECHANICS 1/48 メイレスケンブ(初回限定クリア外装付き)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●5280円、1月29日予定●1/48、約20cm●プラキット
©2021 SUNRISE BEYOND INC.
Ryunz(リュンズ)
細部まで行き届いた丁寧な工作ときっちりした塗装を得意とする。猫と車が好き。