【トヨタMR2最新キットレビュー】ハセガワからトヨタ MR2(AW11)後期形が登場!元MR2オーナーによるこだわりの作例
2022.01.27トヨタ MR2(AW11)後期型 G-リミテッド スーパーチャージャー(Tバールーフ)【ハセガワ 1/24】 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)
個性的な80年代の国産車を続々とキット化しているハセガワから、国産市販車初のミッドシップスポーツ「トヨタ MR2」が登場。今回は元MR2オーナーということもあり、このキット化を心待ちにしていた畠中浩が思い入れたっぷりに製作。Tバールーフを着脱可能に改造するなど、元オーナーならではのこだわりの作例をお楽しみいただきたい。
■Tバールーフの再現について
解説/畠中浩(ももふく模形舎)
■ボディの製作
ボディパーツはボンネットやルーフ、バンパーなどのほとんどが別パーツになっている構成。製作する人によっては好き嫌いが分かれてしまうかもしれませんが、このキットに関しては窓枠などの細かい塗り分けが楽になりますし、スジ彫りよりも別パーツの分割線が一番ですから、個人的にはこういう構成は好きですね。キットはTバールーフ仕様ということになっていますが、それはあくまで外観だけの再現。元オーナーだった自分としてはやはりここは外れてほしいということで、2021年の「HJエクストラ」でいろいろいじった作例も作ったばかりなので今回はこの部分だけ改修しました。まずは前後の力がかかるTバールーフのセンター部をがっちり決め、補強も兼ねて裏からボディにかかるように0.5mmプラ板を全面に貼りました。その後、開口部を開いてからサイドのフレームを切り離すという流れ。Tバールーフのガラスはキットパーツを半分にカットしますが、これがなかなかの難物。ある程度スジ彫りを入れてからエッチングノコでカットしたのですが厚みの中心部で樹脂の剥離が起こったようで角度によっては白く見えてしまう結果になりました。ここは素直にエッチングノコだけでカットしたほうが良いですね。窓枠上部などには細いプラ棒を貼り、あくまで雰囲気ですがウェザーストリップを再現しています。せっかく天井を開けたのでサイドの窓もピラーの前でカット、本来なら窓パーツで隠れる下部分に凹みやスジ彫りを追加して窓全開状態の雰囲気にしてあります。ヘッドライトですが、開閉式になっているものの、爪で固定する方式が好きではないのでネオジム磁石を使って固定できるようにしています。ヘッドライトの軸はシャシーとボンネットで挟み込む構造なので、軸に関わる部分には一切塗料を乗せないよう注意です。また、ボンネットを接着する際も微妙な力加減で動きが緩くなったり固くなったりするので注意しましょう。
■内装、エンジン部
いつものハセガワさんらしく、細かいパーツや彫刻で丁寧に再現されています。天井や窓を開けたので、Bピラーにプラ板を1枚貼り付け、そこにシートベルトの金具を作っておきました。エンジン部は最低限の再現ですね。裏からエンジンカバーを開くための穴があるのでその周辺はモールドなしです。密度を高くする場合は開閉方式も変える必要があるのでちょっと大掛かりな改造になりますね。
■ボディの塗装
作例はおそらくAW11で一番人気であったであろうブルーマイカとしました。最近、市販のタッチアップペイントを使うことも多いのですが今回はGSIクレオスのGXメタルダークブルーを基本色とし、これとGXディープクリアブルーを1:1で混ぜたものを各ボディパーツをマスキングテープなどで仮組みした状態のボディ全体に塗装。そのままだとメタリックの銀の粒子が目立つのと色味が若干薄いのでさらにディープクリアブルーのみを重ねて深みを出しつつギラギラ感を抑えてあります。塗料自体はちょっとお値段高めですが、なかなかいい色になったのではないかと思います。仕上げはウレタンクリアーです。
■最後に
上下がモールドされているので4A-Gエンジンを丸ごと作って収めてみたくなる衝動に駆られますね。フロントもある程度内部フレームが再現されているので自分で作るか、はたまたハセガワさんの決断を待つか(笑)。いろいろな改造にも向いていますしパーツのクリアランスを作る練習にもなる良いキットですよ〜。
ハセガワ 1/24スケール プラスチックキット
トヨタ MR2(AW11)後期型
製作・文/畠中浩(ももふく模形舎)
トヨタ MR2(AW11)後期形 G-リミテッド スーパーチャージャー(Tバールーフ)
●発売元/ハセガワ●3520円、発売中●1/24、約16.6cm●プラキット
畠中浩(ハタナカヒロシ)
暖冬と聞いたはずがいきなりの大雪。除雪で腰と腕をやられそうになっているこの冬です。