『ヴイナス戦記』戦闘モノバイ「HOUND」をAFV的塗装表現で製作【小澤京介】
2022.01.19パイピングなどのディテールアップとAFV的塗装表現でリアルに仕上げる
1989年劇場アニメ作品『ヴイナス戦記』より、主人公ヒロらアフロディア軍戦闘バイク部隊HOUNDが駆る戦闘用モノバイ「HOUND」が、1/20スケールでプラキット化。キットはHOUNDのメカニックデザインを担当した横山宏氏が監修。SFメカながらミリタリー色も強い仕上がりとなっている。作例はAFVモデルを主軸とする小澤京介が担当。ボンネット内部に動力線を追加、カラーモジュレーションに近いグラデーション塗装をベースに、ハードウェザリングで渋い仕上がりのハウンドを完成させた。
今回製作させていただいたのは、ウェーブから発売されている『ヴイナス戦記』の戦闘モノバイ「HOUND」です。
■製作について
シンプルな構造のプラモデルですので、説明書通りに組んでいけば大丈夫です。ボンネットのフロント部分が真ん中でのパーツ割りですが、高切削性中粘度パワーエースを盛れば簡単に合わせ目を消すことができます。ほぼスナップキット(一部要接着)ではありますが、ウェザリングをするので耐久性を上げるためオスピンをカットして、接着剤を使用して組み立てます。接着剤を使用することによって、エナメル塗料でウェザリングした時に、溶剤が隙間に流れ込むことを多少防ぐことができるので、プラの割れが軽減できます。
今回の作例では、メーターパネルから配線を追加してみました。コックピットのパネルにも何ヵ所かメーターを追加できる場所があるので追加しました。配線の色は青が動力線、赤がプラス線、黒がマイナス線、緑黄色がアース線など、一応意味合いを持たせて配線してあります。
■塗装について
塗装は下地色にダークグリーンを塗装、基本色にカーキ+グリーンを塗装。ハイライトは基本色にホワイトを入れて塗装。カラーモジュレーションまではいきませんが、それに近い感じで塗装します。タイヤはジャーマングレー+ブラック少量で筆塗り。ミラーは塗装ではなく、ハセガワのミラーシールです。マフラーはクロームシルバーで塗装し、マフラーの焼き表現にクリアーブラウンとクリアーブルーを薄く塗装します。
この時点でデカールを貼って、乾燥後クリアーでウェザリング前にいったん塗装デカールを保護します。
■ウェザリングについて
まずはチッピングをしていきます。アクリル塗料のシルバーやレッドブラウンを使用します。理由として乾燥後、爪楊枝などで削って剥がせるのでチッピング表現には最適です。次に全体の色を落ち着かせるために、油彩ローアンバーでフィルタリングします。フィルタリング後ストーレキング、煤汚れ、オイル汚れなどを行います。
この作業が一通り終われば、新水性アクリジョンつや消しクリアーで塗装乾燥後、埃色のピグメントで全体を落ち着かせ完成です。
ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット
FIGHTING MONO BIKE HOUND
製作・文/小澤京介
FIGHTING MONO BIKE HOUND
●発売元/ウェーブ●4620円、発売中●1/20、約18.5cm●プラキット
©Gakken・松竹・バンダイ
小澤京介(オザワキョウスケ)
AFVモデルを中心に活躍するスケールモデラー。最近はミリタリーテイストのキャラクターモデルにも挑戦している。