【ハセガワ】KAWASAKI KR250(KR250A)【成田建次】
2021.09.28タンデムツインを継承したカワサキ初の2ストレーサーレプリカ
80年代のレーサーレプリカ最盛期にカワサキがリリースしたのは、レースシーンにおいて一世を風靡したWGPレーサー“KR250”からメカニズムと名前を継承したリスペクトモデルであった。タンデムツインエンジンを継承しロータリー&リードバルブインテークシステムとよばれる吸気方式を採用。高いパフォーマンスを誇るKR250は間違いなくカワサキの威信を示したが、その独特のフォルムには賛否が分かれた。そんな記憶に残るバイクのキットがハセガワからリリース。当時を知る者には嬉しいこちらの作例を成田建次が製作。キットの高い素性を活かしつつディテールアップを行っている。基本的に純正のエッチングパーツを活用した改修なので、ぜひ参考にしていただきたい。
ホイールの塗装
今回製作したのはハセガワの新製品カワサキKR250です。TZRに続いてなかなか渋いチョイスですハセガワさん。キットは1984年式。レーサーレプリカ全盛期で各社が競って新車を発表した中カワサキが最後発で投入したのがこのマシンですが、無骨なフォルムは当時流行りのレーサースタイルとは異なりユーザーからの評価は賛否両論だったと聞きます。
それゆえキット化は難しいと思われましたが、この時代に新金型で発売されるとは! オールドユーザーはもう作るしかないですね!
■製作について
新製品が出るたびにクオリティを上げるハセガワの進化が止まりません。
省略されがちな細かい部分までパーツ化されており造形も秀逸! もはやディテールアップの必要なし、そのまま塗装して組んじゃえばフルディテールのKR250の出来上がりです。
そんなすごいキットですが今回はあと一押ししてさらに映える作品を目指して製作してます。
まずは今回も同時発売の純正エッチングパーツを使用し、ブレーキディスクを金属化。次に定番工作キットのパイピング用のチューブはやはり太く感じるので、外品の細いリード線に置き換えます。また外装のボルトモールドはすべて金属リベットに置き換えます。
最後に今回はモデルがレーサーレプリカということもあり、3Dプリントで起こした自作レーシングスタンドを用意してみました。
組み立てに関して大きなエラーは発見されませんでしたが、ぎっしり詰まったパーツ類は組み立て順序を間違うと組めなくなるものも多いのでインストを熟読すべし!
■塗装について
フレームのシルバーはおとなしい印象なのでGSIクレオスの元祖8番シルバーをチョイス。エンジン等ブラックの部分が多いのでエッジに軽くグレーをドライブラシで立体感を強調。
ボディカラーはカワサキのパーソナルカラーであるライムグリーンを基調としたツートンです。グリーンは80年代のレトロ感を持たせる意味でもインストの指示通りルマングリーンとしました。
ホワイト部分はデカールと塗装の選択式。今回は塗装を施しました。デカールをコピーしたものを型紙にしてマスキングシールを製作し、クールホワイトで仕上げました。その後スーパークリアーⅢでクリアーコート、充分に乾燥させたら研ぎ出してデカールの段差を消します。
コバックス1500番~バフレックス3000番までかけたらコンパウンドで磨いてフィニッシュとしました。
ハセガワ 1/12スケール プラスチックキット
カワサキ KR250(KR250A)
製作・文/成田建次
カワサキ KR250(KR250A)
●発売元/ハセガワ●3960円、発売中●1/12、約16.8cm●プラキット
成田建次(ナリタケンジ)
ディテールアップと仕上げに定評のあるバイク・カーモデラー。必要とあれば3Dモデルも駆使しハイレベルな作例を実現する。