HOME記事キャラクターモデル【装甲騎兵ボトムズ】伝説のキット、タカラ「1/24スコープドッグ」とは? ボトムズ模型シーンの過去と未来についてMAX渡辺が語る!【インタビュー試し読み】

【装甲騎兵ボトムズ】伝説のキット、タカラ「1/24スコープドッグ」とは? ボトムズ模型シーンの過去と未来についてMAX渡辺が語る!【インタビュー試し読み】

2026.04.05

スコープドッグの「ご本尊」―― タカラ1/24という伝説を追い続けるモデラー人生●MAX渡辺 月刊ホビージャパン2026年5月号(3月25日発売)

サムネイル

スコープドッグの「ご本尊」──タカラ1/24
という伝説を追い続けるモデラー人生

 『装甲騎兵ボトムズ』という作品を語る時、多くのモデラーが必ず立ち返る存在がある。それが、1983 年にタカラ(現タカラトミー)から発売されたプラキット「1/24 スコープドッグ」だ。
 それは単なるキャラクタープラモデルではなかった。まるで実在する兵器を取材して作られたかのような説得力を持ち、店頭に並ぶ「アニメ作品のプラモ」を享受していたモデラーたちの価値観を大きく揺さぶった。
 そしてこのキットは、40年以上の時を経た今でも“AT模型の原点”として語り継がれ、現在発売されている最新キットの“手本”として参考にされ続けてもいる。
 なぜ、この約16cmの立体物が伝説となったのか。なぜモデラーたちは、このキットを“ご本尊”のように見つめ続けるのか。ボトムズカルチャーシーンの中心に立ち続けてきたモデラーであり、現在はマックスファクトリーとウェーブという『ボトムズ』プラキットを展開するメーカー2社の代表を務めるMAX渡辺氏に、“当時のボトムズ模型シーン”と“これからのボトムズ”について伺った。

(取材/しげる)

MAX渡辺

MAX渡辺(マックスワタナベ)

 株式会社マックスファクトリー、株式会社ウェーブの代表取締役社長。日本を代表するプロモデラーであり、数々の傑作を本誌に掲載し続けている。『装甲騎兵ボトムズ』も放送当時から多数の作例を製作。


タカラスコープドッグ作例とPLAMAXラビドリードッグ作例
▲タカラ製1/24 スコープドッグを設計した泉博道氏が、当時テストショットで組み上げたスコープドッグ(提供/MAX渡辺)。そして約40年後、MAX氏が世に送り出したPLAMAX ラビドリードッグ。時代を超えて邂逅したふたつのAT。その奇跡もまた、タカラ1/24スコープドッグから始まった物語である

タカラ製1/24 スコープドッグには、
圧倒的な存在感と説得力があった

──これまでにいろいろなところで語られていると思うのですが、まずは改めて『装甲騎兵ボトムズ』という作品を初めて見た時の印象からお聞きしたいです。

MAX 第1話を観た時は「地味!」という印象でしたね。というか、僕にとって『ボトムズ』に関して一番衝撃を受けたのは、やっぱりタカラ1/24 スコープドッグ(1983年7月発売)なんですよ。このキットとのファーストコンタクトはよく覚えていて、ある日ホビージャパンの編集部に行ったら、川口(克己)名人と小田雅弘さんがいて、1/24のスコープドッグを見ながら「渡辺くん見なよ! アニメのモデルがここまで来たんだよ!」ってすごく興奮してるんですよ。「やればできるじゃん!」とかちょっと偉そうなこと言って(笑)。とにかく「ついにここまで来たぞ!」っていう空気感がすごかった。

──空気感?

MAX 今だから言えるけど、あの当時って「アニメの模型」をやっている自分たちっていうものに対して、ある種のコンプレックスというか、負い目みたいなものがあったんですよ。だからこそ、それをバネにして頑張れたところもあって、例えばストリームベースの人たちはガンダムの立体をフルスクラッチビルドしたり、すごいものを作っていた。だけど、それでもやっぱり当時の模型界隈では「スケールモデルのほうが明確に上」っていう空気が支配していたんです。僕はもともとスケールモデルは作っていなくて、永井豪先生と松本零士先生にやられて、超合金を握りしめながらアニメを観て育った人間ですからね。でも、「荒唐無稽なものは子供っぽい」とも言われていて、それでもそういうものが大好きなんだから仕方ないじゃん、っていうスタンスだったんですよ。そこで『宇宙戦艦ヤマト』という免罪符をもらって、「こういうメカが実在することもあるかもしれない」という言い訳をさせてもらえたわけです。『機動戦士ガンダム』にしたって、重厚なストーリーが存在していたからこそ中学生や高校生たちが夢中になっていたわけで。だから、「アニメのプラモデル」を作っていることへのコンプレックスみたいなものは他のキャラクターモデラーさんたちも同様に持っていたと思うし、そこに鳴り物入りで登場した1/24スコープドッグは、モノとしての説得力がまるで違って見えたんです。スケールモデルと並べてもまったく遜色のないアニメのプラモがようやく登場した。「これはすごいよ!」という話になるわけです。僕も「本当にすごいな」と思って、テストショットを組み立てたやつを夢中で弄っていたら、股関節を折っちゃった(笑)。

──当時からタカラの1/24キットをガンガン作っていました?

MAX 数でいったら相当作りましたね。あと、これって降着しないでしょ。だから同じくタカラさんが発売していた完成品の「デュアルモデル」をバラして「こういう仕組みかぁ」っていうのを確認して、降着するように改造したものも作りましたよ。それぐらい虜になってた。設計した泉博道さんにあとで話を聞いたら、「これは本物の実機を僕が取材してきて、それをそのまま図面に書き起こしたものです」って真顔で言うわけですよ(笑)。設計者が「これはスケールモデルです」と言い切っちゃってるわけ。

──「実物があるという想定」ですらなくて、もう「実物を取材したもの」なんですね(笑)。

MAX そう。泉さんは「僕が何をどうしたということではなくて、本物を実直に模型にしただけなんです」っていうスタンス。設定画にないディテールにしても「本物にはここにボルトがあるんです」みたいな感じで、「この人やべーな」と(笑)。すごくいい話ですよね。泉さんはミリタリーもサバゲーも大好きですごく知識がある方で、そんな人が実物を取材して作ったと言っているのが、1/24 スコープドッグなんです。ここに持ってきたのはその泉さん本人がテストショットを作って、後々僕に託されたものなんだけど、もうこのオリーブグリーンの色から完璧じゃないですか。ハゲチョロにしても、当時流行っていた銀塗装じゃなくて濃いグレーで施してるんですよ。センス爆発ですよ。40年前にこのクオリティで作ってるわけですからね。まさに『ボトムズ』の歴史に刻まれるべきレガシーですよ。

破顔一笑のMAX渡辺
▲インタビュー時、編集部が用意した『ボトムズ』関連記事のプリントアウトを見るなり破顔一笑、若き日の思い出話に花を咲かせるMAX氏。紙幅の都合ですべてを載せられないのが残念だが、小誌YouTubeチャンネル「月刊ホビージャパンch」の人気企画「MAX渡辺のホビージャパン批評」などでその続きを語ってもらう予定だ



10年間トロ火で煮込まれ続けた『ボトムズ』というコンテンツ

スコープドッグのデザインのキモは、「登場した時から新しくなかった」こと

『ボトムズ』プラキットの発売は、私の本懐

タカラ 1/24 スコープドッグ 製作/泉博道

PLAMAX 1/24 ラビドリードッグ 製作/MAX渡辺

etc.

続きは「月刊ホビージャパン2026年5月号」に掲載!
本誌には撮り下ろしショットも!!


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