海を渡ってきたキット『ウルトラマンティガ』の「剛力怪獣シルバゴン」怪獣愛で繋がる造形の輪【コモリプロジェクト】
2026.03.21 コモリプロジェクトHP
Youichi Komori Official Web(y-komori.net)


『万国共通なもの それは『好き』という気持ちだ』
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。凍えるような寒い日が続いています。先日は母校の大学で特別講義を行うために大阪へ行ってきました。身を切るような冷たい風が吹いていましたが、講義は実に熱くて楽しいものでした。
さて、今回ご紹介するのは『ウルトラマンティガ』に登場した剛力怪獣シルバゴンです。剛力を辞書で調べると、①力の強いこと。またその人とあります。つまり、シンプルにパワーが桁外れだということです。登場回は第26話「虹の怪獣魔境」、バリヤー怪獣ガギⅡと時空界の魔境で激しい縄張り争いを繰り広げました。ガギⅡが展開するバリヤーはGUTSのハイパー光弾でも破れないほど強力なものですが、シルバゴンはいともたやすく打ち砕いてしまいました。やはり剛力怪獣の異名は伊達ではありません。その時からシルバゴンは僕の中でちょっと特別な位置を占めるようになりました。(いつの日かコモリプロジェクトで形にできないか)、そんな想いが強まるなか、昨年のことです。海外の友人であるRobinさんのSNSに、突如シルバゴンがアップされたのです。
その姿は圧倒的で、腰を落として相手を見据える姿は震えるほどカッコいいものでした。早速、出自を尋ねると、上海ワンフェスでお披露目されたキットで、原型は長奇(Changai)さんという方だと教えてくれました。Robinさんにお願いして購入されたキットを譲り受け、指折り数えて到着を待つこと数週間。ついに待望のシルバゴンがやってきました。
キットは時折、写真と現物が違うように感じることがあります。それは写真の角度や切り取り方にあるのですが、このシルバゴンにはそんなことはまったくありませんでした。前傾姿勢で尻尾を振り上げたポージングといい、顔、お腹、皮膚に至るまでの緻密な造形、手は戦闘モードとティガの真似をした光線ポーズの2種類が用意されている気遣いの細やかさです。何より強く感じたのは長奇さんの怪獣に対する愛情です。
僕等は生まれた時からゴジラやウルトラマンと日常的に接してきました。怪獣達のことは当たり前のようにDNAに刷り込まれています。こういう感覚って海外の人はなかなか理解しづらいかもしれないと思っていましたが、そんなことはまったくの杞憂でした。好きという気持ちに国籍も時間もなんら関係はありませんでした。
ある日、インスタグラムで長奇さんからメッセージをいただきました。そこには「あなたのファンです」と書かれておりました。僕はこんな返答をしました。「私もあなたのファンになりました」と。今後、コモリプロジェクトで一緒に作品ができたらという新しい夢も生まれました。
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小森陽一(コモリヨウイチ)
●1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』『ツイン・アース』など著作多数。



















