HOME記事スケールモデルイスラエル主力戦車 メルカバ MK.4/4 LIC Nochri-Ka 地雷処理システム搭載

イスラエル主力戦車 メルカバ MK.4/4 LIC Nochri-Ka 地雷処理システム搭載

2021.07.30

イスラエル主力戦車 メルカバMk.4/4 LIC Nochri-Ka 地雷処理システム搭載 【モンモデル 1/35】 月刊ホビージャパン2021年9月号(7月21日発売)

メルカバ

 シリアへの報復空爆で諸外国から激しい批判を受けるなど、現在の国際社会では、厳しい立場に立たされることの多いイスラエルだが、スケールキットの世界におけるイスラエル車両の人気は健在だ。なかでもメーカースタート時にイスラエル国防軍(IDF)の主力戦車であるメルカバシリーズで一躍その名を知らしめたMENGモデルは、いまだ謎の多いIDF車両を積極的にキット化する、現用戦車ファンにとって頼もしいメーカーのひとつである。今回はそんなMENGモデルのIDF車両から、メルカバシリーズの現用モデル、メルカバ Mk.4に市街地戦用の各種機器と地雷処理システムを装備した、LIC(低強度紛争)型を、現用兵器に対する造詣も深い井上賢一の製作でお届けしよう。

▲砲塔と車体の接合部を防御するチェーンカーテンは、かつては定番のディテールアップポイントだったが、今やキット付属のプラパーツでご覧の通り! 繊細なチェーンのディテールも余すことなく再現されている
▲フィギュアはミニアートの「IDF TANK CREW」から。今回も彩色は井上氏の奥様が担当している
▲SFメカチックな外観のDroid APSはレーザーを使って誘導妨害や無力化を行うハイテク装備。こちらは0.3mmのハンダ線で配線を追加した
▲砲塔後部の大型バスケットと車体後部のカゴはカバーを取り外し可能。中にはレーションやジェリ缶が詰め込まれている
▲車長用キューポラの重厚感あふれるハッチは開閉可能。右奥の車長用照準装置を保護するカバーはエッチングパーツで再現されている
▲主砲上部に装備されたM2重機関銃は銃口を開口し、遠隔操作ユニットに0.3mmのハンダ線で操作用のワイヤーを追加した
▲分割式履帯と樹脂製スプリングによりサスペンション機構も再現
▲車体前部に装備されたローラータイプの地雷処理ユニット。可動部が多いためパーツ数も多く、これ単体でもなかなかの作りごたえ。こちらは左右に0.3mmの真鍮線で車幅限界を示すロッドを追加した

 こんにちは! 今回のお題目はイスラエルが誇る主力戦車“メルカバ”の中でも市街戦等を考慮した最新型MK.4 LIC型(Low-Intensity Conflict=低強度紛争)であります。
 “兵器輸入制限”により各種兵器の自国開発せざるを得なかった、またそれまで使用していた輸入戦車の安全性に満足することができなかったイスラエル国防軍が“乗員の生命最優先”というコンセプトの元に、メルカバMk.1を1979年に開発、その後もシリーズとして進化を続け2004年にはMk.4が登場、さらに3年後には防御力を強化したMK.4M型が登場します。

■キットについて
 今回使用したキットは現用車両を積極的にリリースするMENGモデルさんの新製品、同社のMk.4としてはM型についで2作目となります。本作のタイプは“Trophy APS”非装備の基本型砲塔を装備するため、砲塔上面部品を新規に製作、そこに最新地雷処理システム“NOCHRI-KAL”およびアクティブ防護システム“Droid APS”が新規付属するという仕様となっています。
 気になる製品内容は本体部品のほかに、組立可動式覆帯部品、LIC型の特徴である、排気口や光学機器類保護用メッシュ用エッチングパーツ、ペリスコ−プ等の透明プラスチック部品、そこにデカールや金属製チェーン等がセットされた豪華な内容。また著名なIDF車両研究者マイケル・マス氏が監修とのことなので組み立てがとても楽しみですね。

■シャシー
 本車両の特徴であるV型に造形された車底部がシッカリ再現されています。
 その車底には“ベリーアーマー”が準備されており、“地雷処理システム”を装着しない場合、取り付けることができます。
 またインジェクション成型のスプリングによりサスペンションが可動、組立可動式覆帯との組み合わせで、完成後も実車の動作を再現可能です。
 メルカバシリーズの特徴でもある後部ドアは真鍮線で接続し可動できるようにしました。

■地雷処理システム“NOCHRI-KAL”
 今回のキットの売りである本ユニットは、完成後実物同様に可動させることができる構造となっています。
 そのため部品割がかなり細かくなっていますが、丁寧な部品仕上げと慎重な接着でがんばって組み立てましょう!

■砲塔
 M型と比べスッキリとした基本型砲塔形状が良く再現されています。
 主砲防盾上に設置されたM2重機関銃は遠隔操作用ケーブルを糸ハンダで追加するだけで精密感がぐっとアップします。
 本車両の特徴であり また難題でもある砲塔後部のチェーンカーテンは、インジェクション一体成型で再現、先端玉部のパーティングラインを丁寧に処理するだけでOKです♪ これまた本キットの売りである“Droid APS”も各種マテリアルを駆使して超精密に再現、今回は糸ハンダで配線を追加してみました。

■塗装
 以前はいろいろと謎が多かったイスラエル軍車両の色ですが、現在ではズバリのタイトルが付いた塗料がメーカーさんより多数発売されています。
 今回は以前ソーミュールの戦車博物館で見たMk.1の実車イメージを優先し、GSIクレオスさんの#336ヘンプBS48000/10821をベースに調色した色で塗装してみました。

■最後に
 完成〜!! ただでさえデッカイ本車に地雷処理システムを組み合わせるとものすごい大きさになってしまいますね〜大迫力!!
 造り応え充分な本キット、ステイホームが求められるこの頃のご時勢にピッタリな内容ですね♪
 それじゃまた!

MENGモデル 1/35スケール プラスチックキット

イスラエル主力戦車
メルカバMk.4/4 LIC Nochri-Ka
地雷処理システム搭載

製作・文/井上賢一

イスラエル主力戦車 メルカバMk.4/4 LIC Nochri-Ka 地雷処理システム搭載
●発売元/MENGモデル、販売元/GSIクレオス●9900円、発売中●1/35、約26.4cm●プラキット

この記事が気に入ったらシェアしてください!

井上賢一(イノウエケンイチ)

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2021年9月号

ご購入はこちら

AFVモデリングのための教科書

ご購入はこちら

ホセ・ルイスの戦車模型の作り方 Part.2:冷戦時代の戦車

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー