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リアル感、スケール感を意識してRGエヴァ初号機をディテールアップ
RG エヴァンゲリオン初号機

2021.07.24

汎用ヒト型決戦兵器人造人間 エヴァンゲリオン初号機【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2021年9月号(7月21日発売)

リアル感、スケール感を意識した
巨大人型兵器としてディテールアップ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズのエヴァンゲリオン初号機の作例をお届けしよう。RGエヴァンゲリオンシリーズ第1弾の「エヴァンゲリオン初号機」は、劇中イメージのスタイリングはもちろん、人造人間としてのエヴァンゲリオンのアクションポーズ再現を可能にするさまざまな可動ギミックを搭載。まさにBANDAI SPIRITS最新技術の結晶と呼べるキットとなっている。作例は「DX輸送台セット」をモチーフに、巨大人型兵器としてのリアルとスケール感を考慮して各部をディテールアップしている。

▲ キットにはパレットライフル、プログレッシブナイフの基本武装が用意され、アクションギミックと表情の付いた豊富なハンドパーツも相まって、さまざまなポージングを楽しめる

▲ キットにはA.T.フィールドをイメージしたPET材が付属。ハンドを差し込めばA.T.フィールドを中和していくエヴァの姿が再現できる
▲ 輸送台は全高24.3cmほど、肩ウェポンラックおよび前腕を固定するスライドギミックを搭載。アンビリカルケーブルも輸送台に接続できる

▲ 輸送台は普段見えない裏面もしっかり作り込まれている。作例ではスケールを意識したボルト穴などをピンバイスで開口している

▲ 台座部分も細かなボルト穴を追加。カラーリングパターンはマスキングで塗り分け、黄色と黒の警戒色パターンはキットのシールを使用している

▲ 『:破』でおなじみのクラウチングスタートとダッシュポーズがここまで自然に決まるのは、まさにRGならではのアクション性能の賜物といえるだろう

▲ パレットライフルにも本体や輸送台同様、各部にボルト穴を追加。本体に挿入可能なエントリープラグも丁寧に塗り分け、キット付属のデカールを貼っている。プログレッシブナイフの細かな刻印にも注目!
▲ カシウスの槍はRGエヴァンゲリオンMark.06のものを使用。ハンドも同Mark.06から用意。塗り替えで初号機のハンドに見せている。槍はGXメタルブラッディレッドで塗り神秘的な仕上がり
▲ エヴァ本体は全身各所に丸穴のほかに、極小の角穴を空けスケール感とディテールの密度感を演出している

▲ 全身各所にさまざまな形状のボルト穴やディテールを彫り込み、高層ビルと並び立つエヴァの巨大感をイメージ。その効果のほどは完成写真をじっくり参照いただきたい

■祝! シン・エヴァ完結!
 今回『エヴァ』特集として、カシウスの槍を装備した初号機を担当させていただきました。
 エヴァのRGキットは、多彩なポージングを可能にするための膨大な関節機構が組み込まれ、メカニカルなアレンジも加えられていて、“装甲の内部に巨大な生物が入っている”という元設定からすると少し違和感を覚えますが、精密感とシルエットが完璧すぎて、異論を差し挟む余地がない究極の完成度を誇っています。
 もはや、パーツ1個1個、ひたすら丁寧に整形して塗ってやるのみ…の、じつにプロモデラー泣かせな作例であります(笑)。
 さて、そのキットを「どういう方向性で仕上げるか?」ですが、今回は輸送台付きのキットをいただいた関係もあり、“リアル感”もしくは“スケール感”を重視して製作することにしました。高層ビルと並び立つ、薄モヤのかかったエヴァのイメージをベースとしてまとめていくことにします。

■やることは基本作業
 基本工作は、定石どおり、ゲート跡や微妙なヒケ処理の積み重ねで精度を上げていきます。ハンドパーツなどの軟質樹脂はペーパー掛けしにくいですが、細かな毛羽立ちはラッカー系サーフェーサーを使えばある程度、表面が滑らかになり落ち着いてくれますし、残ったとしても800番の紙ヤスリあたりで軽くこすれば、ツルツル仕上げにできるのでそれほど心配いらないです。各部のシャープ化も、やるところはあまりないです。ただし、口周りの外装は、断面を薄くしてやるとマウスオープン時の効果は絶大! ちなみに歯を白茶で塗り分けてから、黒茶でスミ入れし、最後に中身全体にクリアーオレンジをかけてやると生々しくなっていいですよ~。ばおぉ~ぅ!

■君の視力は耐えられるか!?
 キットはRGシリーズということで細かなパーツばかりですが、実際のエヴァは高層ビルに匹敵する巨大サイズなので、実物の外装パーツ1個1個が相当の重量と大きさをもっていると想像できます。また、メカフレームにあたる内部は生身なわけで、内装にボルトオンではおかしく、甲冑のように外装板同士で連結されていると推察できます。また、外装は人がコントロールするための“拘束具”としての役割もあるので、ジョイントはわりと大型で頑強に設計されているはずであります。とまあ、楽しく想像させてもらいましたが、結局、ディテールはボルトの丸穴ではなく、極小の角溝がイメージにピッタリで、外装の繋ぎ目あたりに多く配置させるとリアルに見えると判断した次第です。

■シン・エヴァ版のキモ
 ネジネジして神秘的なカシウスの槍はRGエヴァンゲリオンMark.06付属のものがギリギリ間に合ったので流用させていただきました。こちらは不思議感を重視してディテールいっさいなし。色はGXメタルブラッディレッドという、これにピッタリな怪しい(?)塗料があったのを思い出して使ってみました。

■空にそびえる~
 前述のとおり今回は“エヴァの巨大さ”を表現するのがマイ・テーマなので、空気感を出すべく、やや青白い色調にふったカラーリングをかけてみました。
 外装の基本色は明るめにして、Mr.カラーにて。
紫=パープルスカイブルー蛍光レッド
緑=ルマングリーン蛍光イエロー
橙=黄橙色+α
 で塗り、エナメル塗料の黒に茶を混ぜたものでスミ入れし、スーパークリアーグレートーンRLMブラックグレーと半ツヤクリアーを混ぜて調整したものでグラデーション吹きをかけて仕上げています。
 メタリック色はスケール効果を考えてグレーにしようか? と迷いましたが、徹底しすぎるとノッペリになってしまいそうなため、アクセントとして残しました。GSIクレオスのスーパーステンレスとGXホワイトシルバーです。内部の黒はスウェットスーツ的なゴム系だと考えられるので、少し茶の入った黒に近いグレーとして表面処理兼用で色サフの混色を塗っています。
 輸送台はサフに濃緑色を混ぜて作った色で一発。マーキングは付属のシール。凹凸には追従しにくいので余白を極力切り取って使っています。メタルシールはさすがにキラキラしすぎなのでもったいないけどオミットしました。
 以上で完成ですが、エヴァは靴が小さく背が高いので、前屈みポーズをとらせて調子にのってると、コテンと転倒してツノを折っちゃう危険があります。ご注意を!

BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット “リアルグレード” 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間 エヴァンゲリオン初号機 DX輸送台セット 使用

汎用ヒト型決戦兵器 人造人間
エヴァンゲリオン初号機

製作・文/木村直貴

RG 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間 エヴァンゲリオン初号機 DX輸送台セット
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン●7150円、発売中●約17.5cm(エヴァ)●プラキット

ⓒカラー ⓒカラー/Project Eva. ⓒカラー/EVA製作委員会

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木村直貴(キムラナオキ)

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