HOME記事スケールモデル“ホンダF1”こと「Honda RA273」を67年モナコGP仕様で製作! 特徴的なショートノーズはもちろん、3D造形も駆使してギアボックスまで見事再現!

“ホンダF1”こと「Honda RA273」を67年モナコGP仕様で製作! 特徴的なショートノーズはもちろん、3D造形も駆使してギアボックスまで見事再現!

2026.02.16

Honda RA273 1967年 モナコGP 仕様【タミヤ 1/12】●畠中浩 月刊ホビージャパン2026年3月号(1月23日発売)

Honda RA273 1967 MonacoGP
サムネ

Honda RA273 1967 MonacoGP

 久しぶりの再販となったタミヤのビッグスケールキット、“ホンダF1”ことHonda RA273。今回はこちらのキットをベースに、赤いミラーが印象的な1967年モナコGP仕様への改造に畠中浩が挑戦した。ところが当初はちょっとした仕様変更で済むと思われた改造箇所が、調べるほどに増加して製作は一時難航。しかし3Dプリントなど現代のテクノロジーも駆使することで、ショートノーズで軽快なスタイリングのホンダF1を見事完成させた。

Honda RA273 1967 MonacoGP
後ろ
▲キットは3位を獲得した67年南アフリカGPの11号車を筆頭に、66年イタリアGPの18号車、同年メキシコGPの12号車が再現可能となっているが、作例では67年のモナコGP仕様として製作。外見の大きな特徴は短縮されたフロントノーズだが、後にギアボックスが全く違うことが判明。資料不足から細部に想像を交えつつも3D造形を駆使してなんとか再現することができた
Honda RA273 1967 MonacoGP
前
▲タイヤは側面の「GOOD YEAR」のロゴを削り落とし、自作したマスキングシートをガイドに「Firestone」のロゴを塗装で再現している
Honda RA273 1967 MonacoGP
パテ盛り中のノーズ
▲先端を切り落としてパテ盛り中のノーズ。正確な形状が不明な部分は想像で補っているとのこと
プラグの基部とインジェクション部も3D造形で再現
▲発売当初はモーターライズキット。そのため細かいパーツはかなり省略されているので、プラグの基部とインジェクション部も3D造形で再現している
▲右下は当初手曲げで再現しようとしていたエキパイの残骸。実車写真を見ると左右きれいに揃っていたので最終的に3D造形で再現することに
ギアボックス
当初手曲げで再現しようとしていたエキパイの残骸
エンジン
ギアボックスは不明な部分も多いため分かる範囲で再現している

▲ギアボックスは不明な部分も多いため分かる範囲で再現しているとのこと。細かいパーツも一体成型で再現されている

Honda RA273 1967 MonacoGP
フロントノーズ
▲フロントノーズはビスで取り外しが可能。足周りのメッキパーツはパーティングラインの処理の必要から、すべてメッキを落とし、塗装で再現した
ドライバー塗装前 ハンドルを切った状態にポーズ変更
ドライバー塗装後

▲ドライバーはハンドルを切った状態にポーズ変更。きちんとハンドルを握らせるために手の中あたりでグリップをカット、完成間際に接着して調整している

ドライバーの頭の製作過程
▲ドライバーのゴーグルはどうしてもレンズを入れたかったということで、複製してヒートプレスでレンズを再現
Honda RA273 1967 MonacoGP
俯瞰

■ボディの製作
 初販が60年近く前のプラモデルということで模型各誌で何度も作例が掲載されたであろうこのキット。キットの仕様で作るのはもういいだろうと思いつついろいろ調べたところ、赤いミラーでノーズの形状が違う仕様を発見。ちょうど大好きなモナコGPということで深く考えず67年モナコGP仕様へ変更を決定。その時点ではそう多くない資料を参考に製作を進めました。大きな変更点は短くて上面にエッジが立ったノーズとそのエッジが続くモノコック。写真が少ないのでもしかすると間違った形状かもしれませんが、エポパテを盛って慎重に削り出していきました。コクピット前のバイザースクリーンは不要な切り欠きや前方の穴も不要だったため、ポリパテで裏打ちをしてバキュームフォーム、M0.7のビスで固定しました。
■エンジンの製作
 時代も時代なのでシーズンが変わってもそう変更はないだろうと気軽に仕様変更したものの、調べているうちになんとギアボックスが全く違うことに気付く。すでにノーズとモノコックに手を入れたあとだったのであとには引けず、急いで3Dデータを製作。エンジン本体から後半のギアボックス、ファンネルカバー、ドライブシャフトや周辺の補機類など分かる範囲で製作しました。もうひとつ手こずったのがエンジン上部のエキパイですよ。最初はなんとか手曲げで作りたかったのですが上手くいかず時間の都合で断念。ここも3D造形しました。使っている3DソフトはBlender。こういう造形物には使い勝手が良くないところもありますが、粘土細工のようなスカルプトモードも使いたかったので、Blenderでがんばっています。
■足周りの製作
 実車はほとんどのアームがメッキ処理されているようで、キットもメッキパーツが入っていますが、パーティングラインが目立つのでGSIクレオスのうすめ液に漬けてメッキ落とし。パーティングラインの処理や必要な加工が終わったら黒パーツのまま薄めにクリアーを全体に塗装した後、ガイアノーツのプレミアムミラークロームを吹き付けました。そのままだと触った時に塗膜が剥がれてしまうので、GSIクレオスの水性ホビーカラーのクリアーを塗装して保護しています。若干メッキ感が落ちますが、いつでも購入できる材料ということで愛用しています。リアサスのアッパーアームは基部の外側、下側に取り付け位置が変わっています。その下には空きの基部がありますが、これはキットパーツを複製して揃えています。タイヤですが、どういう状況かは分からないものの、このレース期間中たけでもグッドイヤーの刻印とファイアストンの刻印のタイヤが混在していました。決勝時はファイアストンのようなのでそのロゴを入れるにも、タイヤにはしっかりとグッドイヤーロゴが。リューターに細かい砥石のディスクを付け、慎重に削り取ってからフロントホイールにタイヤをはめ、リューターで回しながら表面を整えたのですがこれがまぁ大変。結局、あまりきれいにならすことができずちょっと不満が残る結果になりました。ロゴはカッティングマシンで切り出したマスキングシートを貼り、ミッチャクロン、ラッカーの金で塗装してあります。
■ドライバーフィギュア
 今回はドライバーを乗せてほしいという発注だったため、慣れないジャンルながらがんばって乗せてみました。ただ、なんとなくまっすぐ前を向いているのはなぁ…ということで左にハンドルを切った状態に切った貼った盛ったをしてポーズを変更してみました。顔ですが、モナコGP決勝では口元をカバーした状態だったのでエポパテで修正。見ているとゴーグルにレンズを入れたくなりあれこれやっていたら、いつの間にかゴーグルを型取り複製、ヒートプレスしたレンズをはめていました。胸には「BP」と「Fire stone」のロゴが確認できたため、アルプスプリンターで印刷したデカールを貼っています。ヘルメットはキットのままですが白地にブルーのラインは写真を見るとかなりラフな筆塗りだったので、こちらも一発筆塗りでラフに書いておきました。資料は基本的に白黒写真ばかりですが、たまに出てくるカラー写真(加工?)を参考に各部を塗り分けたので間違っていたらごめん! てことで。
■ボディの塗装
 サーフェイサー仕上げの後、オリジナルで調合したラッカー系のレーシングホワイトで塗装。最近、何もかも埋め込むウレタンクリアーコートに飽きたのもあって少し前に作ったブガッティのように数回ラッカークリアーでコート。リベットなどもしっかりディテールとして残るようがんばりましたよ。その後、一度通常の研ぎ出しで仕上げてから、サイドからノーズに続く赤黒のライン、上面の日の丸も塗装で入れ、ここまで来たら……ということでカーナンバーと「HONDA」ロゴもカッティングマシンでカットしたマスキングシートを使って塗装しました。ちなみにそのカーナンバー7、実車は何かしらのテープのような物を貼っているようで横棒と縦棒に貼り重ねた段差を確認。縦と横を別々に塗装して重なりを再現してみました。

タミヤ 1/12スケール プラスチックキット Honda RA273 改造

Honda RA273 1967年 モナコGP 仕様

製作・文/畠中浩(ももふく模形舎)

Honda RA273(エッチングパーツ付)
●発売元/タミヤ●15400円、発売中●1/12、約33.3cm ●プラキット


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畠中浩(ハタナカヒロシ)

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