超重爆撃滅を目指した雷霆の武者
太平洋戦争末期、B-29の本土襲来に対抗する重武装高速迎撃機として計画された中島J5N十八試局地戦闘機「天雷」は、予定の性能に届かず試作に終わった。旧日本軍試作・計画機にスポットを当てるウシモデルの新製品はこの非運の日本海軍戦闘機。4タイプから選べる機体仕様など、充実のプロダクト内容だ!
■実機について
十八試局地戦闘機 天雷は、出現が予想されるB-29に対抗すべく20mm機銃と30mm機銃を各2門装備した誉エンジン双発の機体です。中島飛行機はこの機体の開発にあたり、要求を盛り込み過ぎて肥大化した十三試双発陸上戦闘機(後の月光)の反省と彩雲の設計を踏まえて極力機体を小型軽量化し量産性に配慮した設計とし、計画からわずか1年2ヵ月で試作一号機を完成させました。しかし、他の誉エンジン装備機同様に出力不足に悩まされ、さらにフラップとエンジンナセルとの相関形態からナセルストールが発生しました。その後ナセル部を整形改修したものの顕著な改善は見られず、最大速度は597km/hに留まり、上昇力も高度6000mまで8分かかるなど要求値を下回るものとなりました。
操縦性は良好でしたが、戦局悪化により1944年(昭和19年)秋に実施された試作整理の対象となり、試作6機のみで開発は中止されました。5号機、6号機は計測用員同乗用に二座に改修され、後に30mm斜め銃4門(諸説あり)を追加装備した夜間戦闘機となりましたが、B-29迎撃に出撃したものの戦果は記録されておりません。
■キットについて
天雷のキットはレジンキャスト製ばかりですが過去に1/48ではラクーンモデル、1/72では国内外で数社から発売されていましたが、いずれも30年近く前のことで、現在では入手困難です。そんな天雷ですが今回ウシモデルから1/72スケールでキット化されました。同社の製品ではよくみられる構成ですが、負荷の掛かる胴体と首尾翼はレジンキャスト製、操縦席までの機首とプロペラや脚まわりは3Dプリントパーツ製となっています。従来のキットでは無視されていた2号機のナセルストール対策の導風板も薄く成型され、斜め銃搭載の夜戦型も選択可能となっております。
■製作について
今回はプレーンな状態をしたかったので導風板無しの試作3号機を製作することにしました。
レジンキャスト部品は離型剤を落としてパーティングラインを消し、主尾翼と胴体の接着部分は用心のため真鍮線で軸を打ち補強しました。機首およびエンジンナセルは3Dプリントパーツ製ですが、レジンキャスト部品との嵌合は良好です。コクピットもそれらしく塗ってシートベルトを追加しただけです。プロペラやエンジンまわり、主脚まわり、尾輪まわりも3Dプリントパーツ製で、サポート材がついています。サポート材の切り外し跡は目立つのでていねいに耐水ペーパーで800番くらいから磨いて仕上げてください。
プロペラとその軸受は若干きついのですり合わせが必要です。ピトー管とアンテナは用心のため金属線に交換、アンテナ柱は交換し、竹楊枝を削って瞬着で目止めして仕上げました。
キャノピーは透明レジンキャスト製。塗装用のマスキングシートも同梱されているので塗装も助かります。キャノピーの接着はスーパーXなどの一液系でもエポキシ系でも大丈夫です。
塗装は標準的なものとしました。試作3号機の機番号はキット在中のデカールを使用しました。完成後の機体をみると、エンジンまわりや胴体後半の断面形に彩雲の影響がみられるのが興味深いところです。
ウシモデル 1/72 スケール レジンキット
中島J5N 天雷
製作・文/加藤浩
中島J5N天雷
●発売元/ウシモデル●8800円、発売中●1/72、約16cm●レジンキット
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加藤浩(カトウヒロシ)
前号に続いてウシモデルを担当いたしました。海軍機ファンとして同社には九五式大攻と川西十一試特殊水偵のキット化希望です。複葉が可能なら九六式艦攻を熱望です。































