HOME記事スケールモデルメッサーシュミットBf109の最終量産型“K-4”を製作!モールドのキレが素晴らしいコータリモデルの1/32ニューキットをレビュー

メッサーシュミットBf109の最終量産型“K-4”を製作!モールドのキレが素晴らしいコータリモデルの1/32ニューキットをレビュー

2026.01.07

メッサーシュミットBf109K-4【コータリモデル1/32】●喜多章 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月25日発売)

メッサーシュミットBf109K-4
特撮1

極限まで研ぎ澄まされた“最後の109”

 第二次大戦を通してドイツ空軍の主力戦闘機だったメッサーシュミットBf109。E、F、G型を経て1944年秋から最終量産型K-4が登場。戦局は変えられなかったが、最大速度710km/hなどの高性能で「最後の109」の輝きを放った。大戦末期のドイツ工業技術力の到達点を、コータリモデルの1/32ニューキットで製作!

メッサーシュミットBf109K-4
特撮2
メッサーシュミットBf109K-4
横
▲ドイツ空軍で約10年以上も主力として活躍したBf109だが、基本的なフォルムは初期から最終型のK型までほとんど変更されておらず、基本設計の優秀さが窺える
メッサーシュミットBf109K-4
後ろ 俯瞰
▲マーキングは4種類をセット、説明書にはカラー塗装図や実機写真も掲載。作例では大戦末期の各塗色を表現するため、9./JG3「白の12」とされる機体を製作した
メッサーシュミットBf109K-4
機首 横側
▲ドイツ空軍で約10年以上も主力として活躍したBf109だが、基本的なフォルムは初期から最終型のK型までほとんど変更されておらず、基本設計の優秀さが窺える
メッサーシュミットBf109K-4
コックピット アップ
▲マーキングは4種類をセット、説明書にはカラー塗装図や実機写真も掲載。作例では大戦末期の各塗色を表現するため、9./JG3「白の12」とされる機体を製作した
メッサーシュミットBf109K-4
後ろ アップ
▲K型やG-10型で採用された左右非対称のカウリング形状を最新の3Dデータにより造形。また大戦末期の状況を反映したパネルの建て付けの悪さまでも再現している
メッサーシュミットBf109K-4
前
▲K型で完全引き込み式尾輪となった尾翼部分。水平尾翼上面の塗装は、組立説明書に掲載されている実機写真の機体に見られる多色塗り分けパターンを採用してみた
メッサーシュミットBf109K-4
機首前方
▲機首前方。高出力のDB605Dエンジンに合わせてプロペラも幅広のものを装着。主翼前縁部の細かい波形の塗り分けは、型紙を使ったマスキングを行って再現
メッサーシュミットBf109K-4
主翼下面
▲主翼下面は、生産工場の違いによりRLM76ライトグレーとアルミ無塗装の部分が混在。K型で導入された外側脚カバーは、作例機のように撤去されている場合が多い
メッサーシュミットBf109K-4
左主翼下面
▲左主翼下面。各パーツの合いは良好で、パテを使用したのは翼端灯接着部のみ。前縁スラット、フラップ、ラジエターフラップなどの動翼は作動状態を選択できる
メッサーシュミットBf109K-4
コクピットのパーツは、各計器メーターや注意書きの細部デカールまで用意されている
▲コクピットのパーツはシンプルで組み立てやすいが、各計器メーターや注意書きの細部デカールまで用意されたこだわりの内容だ
メッサーシュミットBf109K-4
胴体下面のキャノピー曇り止め暖気排出用空気取入れ口に矢印が向いている画像
▲胴体下面のキャノピー曇り止め暖気排出用空気取入れ口(矢印部分)は、キットは通常型なので削って埋めてよいだろう
メッサーシュミットBf109K-4
貼り付けた付属のデカールのアップ
▲付属のデカールは素晴らしい質と内容。薄く強度もあり、ていねいに貼れば軟化剤なしでも塗装したように密着する。胴体無塗装部のプライマー塗りらしきリベットラインは赤褐色で再現した

はじめに
 登場から10年以上第一線にあったBf109の設計・開発は、ドイツ工業技術の粋に他なりませんが、その最終到達点であるBf109K-4がコータリ新1/32キットで登場、最新のBf109G-6の形状の3Dデータなどが反映されており、どこから眺めてもK-4らしい形状がすばらしい仕上がりです。細かい表現も一体パーツ化され、パーツ点数は少ないのですがモールドのキレはすばらしく、詳細な再現で実感満点の美しい仕上がりが期待できます。  
組み立てについて
 キットの嵌合は極めてきれいにはまります。作例でパテを使用したのは翼端灯接着部のみで、胴体、主翼の合わせ目を消す作業以外はラジエーター、動翼、主脚、尾部ユニットなどカチッとハマる小気味よさで、相互位置の確認後は流し込み接着剤で固定すれば終わり、というほど。組立説明書は結構な情報を含んだ冊子であり、イラストもわかりやすく資料としても価値あるものになっています。追加工作として、ウインドシールド把手、防弾板支持架、アンテナなどを極細プラ棒、プラ板で取り付けました。    
 また、キットのモールドで気になった機首機銃カバー上面の把手モールドが片側のみになっているのは、コータリがドイツで取材したレストア進行中のK-4がそうなっているためですが、ただ実機写真や図面では見たことがなく、ここは左右対称となるよう把手のスジ彫りを追加しました。       
塗装
 全体塗装は大戦末期の各塗色を1機で表現できるとおもしろいと考え、9./JG3「白の12」とされる機体を選びました。実機の写真からモノクロの明度差、光線の具合など考慮し、最初の基準の色として主翼上面の一番明るい色をRLM76と決めて、明度の順に塗色を決めていきました。
 推論の域は出ないとはいえ、自分のストーリーで塗るのも楽しみ方のひとつです。選んだ塗色として、胴体部は上側面がRLM81/82、その下がRLM76の蛇行、側面下部は無塗装銀でそのパネルラインはグレーのパテ塗りと判断しました。カウリング部はRLM75/82のバリエーション(製造拠点が異なり、RLM番号が同じでも色調に差が出る)とし、カウリング下部と尾翼下部はRLM76のバリエーションとの想定です。主翼上面はRLM76/75、下面は一部無塗装銀でRLM76の濃淡としました。主翼前縁部は型紙を使ってマスキングを行い細かい波形塗装を表現しています。JG3所属の機体アップ写真で確認できる、胴体無塗装部のプライマー塗りらしきリベットラインはプライマー表現を赤褐色で行いました。また、水平尾翼の塗装は組立説明書に写真のある、ラダーに「白の81」とある機体の塗り分けパターンが面白いので、これを組み合わせてみました。
 ウェザリングは塗装面に水を載せた上から塩の粒をまいて乾かし、さらに塗装後に塩を洗い流す方法をとりました。どのくらいの退色、剥離にするか決めて、再度その上から下地を生かすように塗装を行い、最後にウェザリング塗料で汚し、スミ入れ仕上げを行っています。   
 付属のデカールは素晴らしい質、内容です。薄く強度もあり、貼った後は塗装したように密着します。軟化剤は使わず水を充分含ませてていねいに貼ってください。
おわりに
 1/32ビッグスケールの新キットというと、組み立て工程で息切れしないか不安を感じるモデラーもおられるかもしれませんが、コータリの新キットはスラスラと少ない工数で完成形まで進みます。
 そして塗装のリサーチ、チョイスを楽しみつつ資料などにあたってみると、標準化、分散化といった合理的思考で大戦終末期まで高性能戦闘機の開発・生産を続け、戦後自動車産業をはじめとして世界最高レベルまで到達したドイツ工業力の歴史に触れることもできるのではないでしょうか。では、また。

コータリモデル1/32 スケール プラスチックキット

メッサーシュミットBf109K-4

製作・文/喜多章

メッサーシュミットBf109-K4
●発売元/コータリモデル、販売元/ビーバーコーポレーション●24860円、発売中●1/32、約28.7cm●プラキット


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喜多章(キタアキラ)

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