【HJメカニクス26 記事抜粋】「HGUC ザクⅡ改」のキットパーツも活用しながら、劇中イメージの武骨なスタイルを目指して製作【機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争】
2025.12.25HJメカニクス26 特集:機動戦士ガンダム008 ポケットの中の戦争(12月24日発売)
HGUC ザクⅡ改を製作しました。“ファースト”以外の「ガンダム」シリーズで『0080』がもっとも好きなので、作例を担当できて大変嬉しい反面、プレッシャーでずっと胃が痛む日々でした。
キットは大変組み立てやすく、関節のギミックも工夫されていて良作だと思います。特に股関節が前後移動できて座りポーズが決まるのがいいですね。プロポーションは他のシリーズのMSと並べた時に違和感がないようにアレンジしたのではと感じました。個人的にはもっと設定画に寄せてもいいと思うのですが。そこで今回は劇中のイメージに近付けるべく各部のボリュームを調整してみます。
全体的にスレンダーな印象なので、基本的にはボリュームを増やす作業をします。まず脚部ですが、ヒザアーマーが正面から見た時に下すぼまりになっているのが気になります。ここは長方形にしたいので、当時ものキットのヒザを切り取って移植しました。この幅に合わせてスネと足首プラ板をはさんで幅増ししました。あとから気が付きましたが、つま先を前に伸ばすといいように思います。
上半身は胸にプラ板を貼って前方向へボリュームアップします。胸下のダクトはナイフで削ぎ取ってボリュームアップ後に戻します。胸の中央部は上下に分割して、上部は左右のボリュームに合わせて前方にずらして固定します。下部は正規の位置に固定。コックピットハッチをパテでボリュームアップして、上部との位置関係を合わせています。胴部分は上下の中央で切断して高さを詰めました。
下半身はフロントアーマーを左右分割しただけです。これもあとから気付いたのですが、腰アーマーは正面から見た時の上辺のラインがV字になるように加工するといいと思います。
腕も少々メリハリが足りないと感じたので、前腕に当時ものキットを切り出して被せてみました。ヒジのマルイチモールドはそのままにしましたが、大型化するべきでしたね。スパイクは別に製作して、あとから接着しています。
ハンドは妙に大きいので、アフターマーケット製のハンドパーツで小さくしています。スパイク・アーマーはプラ板で大型化しました。アポジモーターは一度穴を開けてノズルパーツを埋め込んでいます。
頭部モノアイは劇中のアップ画を参考に、ハイキューパーツの金属パーツにプラ材でサブカメラを追加。モノアイ基部と透明なモノアイシールドは3Dプリントで製作しました。同じく動力パイプも1コマずつ3Dプリントで出力して、アルミ線を通して製作しました。
塗装は第1話最後と第2話冒頭のハーモニー処理された映像を参考にして、筆でタッチを付けて仕上げました。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレードユニバーサルセンチュリー”
MS-06FZ ザクⅡ改
製作・文/國谷忠伸

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特集:機動戦士ガンダム008 ポケットの中の戦争
Ⓒ創通・サンライズ
國谷忠伸(クニヤタダノブ)
フィギュア塗装のスペシャリスト。キャラクターメカからAFVまで幅広いジャンルを手掛ける。















