HOME記事キャラクターモデル最新プラキット「ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”」を4人のペイントマスターが塗装!「プライム1スタジオ」リードアーティストの技を見よ!【BUILD ART MASTERLINE】

最新プラキット「ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”」を4人のペイントマスターが塗装!「プライム1スタジオ」リードアーティストの技を見よ!【BUILD ART MASTERLINE】

2025.12.16

ベルセルク ガッツ狂戦士の甲冑“怒り”【プライム1スタジオ】 ●須藤洋介、林哲平、清水圭、らいだ~Joe 月刊ホビージャパン2026年1月号(11月25日発売)

同じキャンバス、異なる筆跡。
4人の“ペイントマスター”が魅せる塗装表現の饗宴

ガッツのプラモデル3作例の画像

 世界を魅了し続けるスタチューメーカー・プライム1スタジオが送り出す新プラキットブランド「BUILD ART MASTERLINE(ビルドアート マスターライン)」。圧倒的なスタチューの造形美がそのまま再現された本シリーズ第1弾「ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”」は、塗装しなくてもその造形美を堪能できる完成度を誇る。ただ、模型好きなら言うまでもないが、非可動プラキットのひとつの醍醐味といえば“塗装”だ。
 今回は、清水圭、らいだ〜Joe、林哲平、そしてプライム1スタジオ公式ペインターの4人が自由な発想で表現した作例をHow to形式で解説。それぞれの塗装プロセスもお届け。本キットの発売は少し先になるが、新たな塗装表現のヒントをぜひ自身の製作に活かしてほしい。
 ホビージャパンウェブでは「月刊ホビージャパン2026年1月号」にて紹介しきれなかった製作者コメントや画像を増補して、作例ごとに記事を公開! 本記事では「プライム1スタジオ」を代表するアーティストであり、フィギュアペインターとして同社の彩色見本を数多く手掛ける須藤洋介氏の作例をお届けする。

BUILD ART MASTERLINE ベルセルク ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”

●発売元/プライム1スタジオ● 10780 円、2026年夏予定●約29.5cm ●プラキット

キットの詳細はこちらから


陰影に“命”を灯す精緻な塗装表現

ガッツのプラモデルの画像

プライム1スタジオ ノンスケール プラスチックキット “BUILD ART MASTERLINE”

ベルセルク ガッツ狂戦士の甲冑 “怒り”

製作/須藤洋介

ガッツのプラモデルの顔のアップ画像
▲ 約1.5cmの表情パーツとは思えないほどの密度で“血の通った人間らしい色味”が描かれている頭部。甲冑を被っていると見えない部分ではあるが、しっかりと手が入っている
ガッツのプラモデルの胴体のアップ画像
▲ 本体を斜め下から見ると、赤や紫の反射光が塗装によって表現されていることがわかる。甲冑の硬質な印象を残しつつ、黒一色に沈ませない工夫が見て取れる
ガッツのプラモデルの足元のアップ画像
▲ 布製のマントは地面に近いほど赤味を付けてグラデーション塗装。その乾いた布の質感とは対照的に、台座はグロテスクな血のツヤ感が鈍く光り、激戦の余韻を感じさせる見事な仕上がりに

プライム1スタジオ リードアーティスト
須藤洋介氏コメント

 テーマは「蝕」。劇中の環境色を取り入れつつ狂戦士の甲冑本来の色味と質感を保ち、顔・剣・ベース部まで細密に塗り込むことで、造形のこだわりと、情報量を最大限に伝えることを目指しました。
 プライム1スタジオ初のプラキットとして1/3スケールスタチューの造形美を損なわぬよう凝縮設計した本キットが、手に取られた皆様の仕上がりのよき参考となれば幸いです。

世界観を魅せる塗装
 今回の作例では、キットの持つデザイン性や世界観を最大限に引き出すため、カラーリングには工夫を凝らしています。まず、ベースとなる甲冑部分には艶消しのメタリック塗装を採用しました。これは、ゴア表現とのコントラストを際立たせることを意図したものです。艶感を抑えつつも、金属粒子の輝度感はしっかりと残すよう調色し、重厚感とリアリティを両立させました。
 また、「蝕(しょく)」を思わせる異質な環境色を甲冑に反射させる表現も意識しており、段差やエッジに沿ったグラデーションによってキット全体の立体感と造形精度の高さを際立たせています。こうした面構成の切り替えを丁寧に拾うことで、造形美を損なうことなく、よりドラマチックな印象に仕上げています。
 そして、何よりもゴア表現には一切の遠慮を排し、グロッシーな質感で徹底的に表現しました。傷口や断裂した臓器を思わせる造形部分には、鮮烈な血飛沫、にじみ出る血液、甲冑に付着した返り血といった、シーンごとの血の流れや付着パターンを想像しながらストーリー性を持たせた塗装を施しています。特に「ドラゴンころし」に付着する血痕には、幾多のクリーチャーとの死闘の痕跡を重ね合わせるようなイメージを込めました。

“らしさ”のある「ドラゴンころし」を目指して
 制作においては「もしこの辺りで敵の胴体を切り裂いたとしたら……」というように、シーンをイメージしながら表現を組み立てていきました。剣の切断面と擦れて付着する血、飛び散って付いた血、刃の表面を伝って滲むように広がる血など、それぞれの付着状況に応じて異なる描写を施しています。
 特に意識したのは血の濃淡。まずは広範囲に薄く色を乗せた上で、ポイントごとに濃い色を重ねていくことで、自然なグラデーションと奥行きを出すようにしました。想像力を働かせながら、遠慮なく描き込むことで、より“らしさ”のある仕上がりを目指しました。

生命感際立つフェイス塗装
 顔の目・鼻・口といった造形が非常にしっかりと作られているため、筆を入れていくことで自然と立体感が出てくる印象です。中でも特に意識したのは、肌のトーンバランスです。本作はパーツ構成上、フェイス部分にマスクを装着すると、露出するのは口元のみとなります。そのため、上下から囲まれる構造によって自然と影が落ち、実際よりも暗く見えがちです。その点を考慮したうえで陰影とのバランスを丁寧に調整しました。
 とりわけ唇にしっかりと色を入れることで、顔全体の生命感がぐっと引き立ちます。露出部は限られていますが、そのわずかな“見える部分”が印象を大きく左右するため、繊細な塗り分けが重要なポイントになったと感じています。

マントはラッカー塗料で
 マントの重厚な質感と立体感を引き出すために、エアブラシによる吹き付けとドライブラシによる塗装表現を組み合わせて仕上げています。使用した塗料はラッカー塗料のみ。というのも、黒地の素材に対しては、エナメル塗料などは染み込みやすく、思うような効果が得にくいためです。

彩色見本とは異なるアプローチに挑戦
 私自身、これまで業務として多数の「狂戦士の甲冑」彩色見本を手がけてきました。その中で培ってきた知見をベースにしつつ、今回はこれまでにない新たなアプローチに挑戦したい、というのが本作例のスタート地点でした。特に意識したのが、“ムードのある個性的な表現”です。従来とは異なる空気感を纏わせるために、以前から気になっていたアニメーション版における〈蝕〉の環境色を取り入れた構成に挑戦しました。ただし、それに寄せすぎてしまうと本来の甲冑の質感や存在感が薄れてしまう恐れもあるため、バランス感覚には細心の注意を払いました。結果として、環境色と原作の重厚な質感、その両方が活きた彩色表現を目指しています。また、メーカー側の人間としては、プロモーションとしての役割も強く意識しています。パーツの細かなディテールや鋭いエッジの精度感など、製品の造形クオリティが彩色を通じてより引き立つようにすることも、今回の大きな目標の一つでした。

初心者でもステップアップで楽しめるキット
 塗装初心者の方でも楽しみながらステップアップできる要素として、まずおすすめしたいのが唇への彩色です。マスク装着時に唯一露出する顔のパーツが口元であり、そこに丁寧に色を入れるだけで一気に生命感が増します。シンプルな作業ながら、完成時の印象を大きく引き上げてくれるポイントです。
 また、甲冑のエッジ部分へのドライブラシも非常に効果的です。本作の甲冑は、連動性のあるデザイン構造を持っているため、エッジラインを中心にベースカラーより明るめの色を軽く重ねるだけで、立体感や情報量がぐっと増し、作品全体のクオリティアップにつながります。
どちらも比較的短時間で試せる工程ですので、ぜひ気軽に挑戦してみてください。

本プラキットを手掛け、須藤洋介氏も所属するメーカー「プライム1スタジオ」は新たな仲間となるクリエイターを積極的に募集している。我こそはという方はぜひ、詳細を確認して欲しい。

詳細はこちら


 なお、発売時期に関してはクオリティアップのため「2026年9月」への延期が発表された。本件については「プライム1スタジオ」から届いたお知らせをご確認願いたい。

プライム1スタジオから
『ビルドアートマスターラインベルセルクガッツ狂戦士の甲冑“怒り”』
発売時期延期に関するお知らせ

「ビルドアートマスターライン ベルセルク ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”」を楽しみにお待ちくださっている皆さまへ。
この度、当初 “2025年12月” を予定しておりました発売時期を、“2026年9月” へ延期させていただく運びとなりました。心よりお詫び申し上げます。
製品発表後には、想像を上回る大きな反響をいただき、皆さまから寄せられる熱量や期待を強く感じております。本製品は、プライム1スタジオにとって初のプラスチックモデルキット という新たな挑戦でもあり、スタッフ一同これまで以上に心血を注ぎ、開発を進めてまいりました。しかしながら、皆さまの期待に確実に応え、それを超えるクオリティでお届けするためには、さらなるブラッシュアップと調整期間が不可欠であると判断いたしました。今後は、開発状況の共有に加え、「実際に組んでみた」「塗装してみた」といった、モデラーの創作意欲を刺激するようなコンテンツも発信していく予定です。
皆さまと共に本キットの魅力を存分に楽しめる日が訪れるよう、全力で開発を進めてまいります。改めて、発売をお待ちいただいている皆さまには深くお詫び申し上げます。必ずやご期待に応えられるプロダクトに仕上げてまいりますので、今しばらくお時間をいただけますと幸いです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

▼ 凄腕モデラーによる「ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”」塗装作例 連日公開予定

©三浦建太郎(スタジオ我画)/白泉社

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須藤洋介(スドウヨウスケ)

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