新キット「透明怪獣ネロンガ」を情景王・山田卓司がディオラマで大胆に仕上げる! 火力発電所をイメージした瓦礫の作り方も紹介!【ビリケン商会】
2025.12.10ビリケン商会の最新作「透明怪獣ネロンガ」を情景王がディオラマ仕上げで製作
『ウルトラマン』より、第3話「科特隊出撃せよ」に登場した透明怪獣ネロンガがビリケン商会のリアルモデルキットシリーズで登場。原型は以前作例として紹介した蜘蛛男同様、福田雅朗氏が担当。劇中のどっしりとしたボリュームのあるフォルムを見事に再現している。作例は情景王・山田卓司が製作。キットの素性はそのままに着ぐるみの生い立ちも考慮に入れながら劇中イメージを投影。ネロンガが襲撃した火力発電所をベースとしたディオラマ仕立てで完成させている。
透明怪獣ネロンガ
●発売元/ビリケン商会●16500円、12月予定●約46cm●原型/福田雅朗
透明怪獣ネロンガ
300年前から、伊和見山の古井戸に生息していた怪獣。過去に村井強衛門に倒され、おとなしくなっていたが、なんらかのきっかけで電気をエネルギーにすることを覚え、各地の変電所、発電所を襲った。電子イオンを働かせることによって透明化することができる。2本の触覚と、鼻先に付いたツノを合わせることによってスパークを起こし、電撃を発射するが、ウルトラマンには効果がなく、最後はスペシウム光線で倒された。
身長/45m
体重/4万t
出身地/伊豆
※円谷プロ公式サイトより抜粋
▲ネロンガはまず口内と唇を塗ったあと、マスキングしてから全身を塗装(すべてソフビ専用カラー)。鼻先のツノと爪には溶剤を付けて塗料を溶かして一度成型色を露出させ、ラッカー塗料のブラウンやブラックを薄めて上塗り(ウォッシング)している。ツノはさらにその上から、ブルーやホワイトをエアブラシ塗装して透明感を演出している
ビリケン商会の新作「透明怪獣ネロンガ」です。『ウルトラマン』放送直前、少年マガジンで披露された謎のヒーロー、ウルトラマンと組み合う姿がファーストインプレッション。この時のネロンガはまだ頭のツノがなく、背中がイエローに塗装される前の改造途中の姿でしたが、牙が剥き出しで下品な感じの赤い口元は印象深く、その姿はインパクトが大きかったです。
ネロンガは東宝から借り受けたバラゴンの着ぐるみを改造したパゴスの頭部を付け替えて新造。背びれを追加して製作されています。東宝に返却することが前提だったため、パゴス製作時に保護する目的で胴体に布を1枚被せてから造形されています。そのため元のバラゴンよりひと回り恰幅のいい体格になっていることがポイント。このあと、マグラー、ガボラへと改造、イベント用にいったんネロンガにされ、最後は東宝に返却されました。
こうした経緯を考慮に入れて、残されたスチール画像からネロンガの塗装を考察してみます。パゴスのままと思われる体表は初公表のあと、背中にイエローが塗装され、ボディはダークブラウンで再塗装されて、新造の頭部との差異を目立たなくしているように見えます。鼻先のツノと手足の爪はポリエステル樹脂製と思われ、透明感のあるライトブラウン。頭部のツノ(触角?)はボディと同色ですが、裏側は地色のポリ樹脂の色が透けている感じでカーキ。牙と歯はアイボリーですが汚しが入っているようです。眼はしっかり塗装され瞳はブラックで、センターにキャッチライトのホワイトもしくはシルバーが小さく入っています。
私はまず牙と歯をアイボリーで塗装。唇と口内を黒ずんだレッドで塗り分けてから下アゴを接着。ここをマスキングしてからつや消しホワイトを上方からスプレー塗装。背中のイエローを塗装したあとにダークブラウンで全体を塗装。ここまですべてソフビ専用カラーを使用しました。鼻先のツノは劇中では電飾が施された透明成型なので、単純な1色で終わらず、さらにブルーやホワイトをエアブラシ塗装して透明感を表現しました。ボディはこのあとアクリルガッシュのブラックやダークブラウン、ホワイトを混ぜながらドライブラシとウォッシングで仕上げていきました。
ベースは劇中を参考に火力発電所をイメージして、グリーンマックスのNゲージ用ストラクチャーの煙突や工場付帯設備を用意しておいて、壁塗り補修材を薄く硬化させたものを砕いた瓦礫とともに接着しました。
ビリケン商会 ノンスケール ソフトビニールキット“リアルモデルキットシリーズ”
透明怪獣ネロンガ
製作・文/山田卓司
透明怪獣ネロンガ
●発売元/ビリケン商会●16500円、12月予定●約46cm●原型/福田雅朗
© 円谷プロ
山田卓司
HJを代表するレジェンドディオラマビルダー、情景王。キャラクターからAFVまでさまざまなジャンルを手掛ける。
























