『ウルトラマンオメガ』アユム役 工藤綾乃×サユキ役 山本未來、師弟対談! 作品後半~クライマックスにかけての裏話&見どころは?
2025.12.13工藤綾乃 イチドウ アユム●役
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山本未來 ウタ サユキ●役
いよいよ物語もクライマックスに向かっている『ウルトラマンオメガ』。後半から「怪特隊」が登場し、主人公たちの立場が大きく変わるという珍しい構成で怒涛の展開を見せている。今回は主人公たちの頼れる仲間・イチドウ アユム役の工藤綾乃と、アユムの師であり怪特隊でソラト、コウセイ、アユムを率いるウタ サユキ役の山本未來の座談会をお届けしよう! サユキの加わった後半戦の撮影の様子やサユキとアユムの師弟関係などについてお話を伺った。
執筆・構成●佐久間翔太
撮影(工藤綾乃)●山本一人
――放送が始まってからの反響についてお聞かせください。
工藤●友達の子どもが夢中になっていると聞くと嬉しいですし、私の母がウルトラマンにハマってウル活をしています(笑)。同じ話を何回も観て「これが良かったね」と毎週感想を送ってくれて、今は私より詳しくなっています(笑)。
――身近なところに熱心なファンが(笑)。山本さんはいかがですか?
山本●私は出てきたばかりなので(※取材当時)、まだ評判は耳にする機会はなくて、これからという感じですね。幼いお子さんがいる私の周りには、ギリギリのタイミングでお伝えしていました。そのご家庭だと放送があった日、おやつの時間になったらベビー椅子みたいなものに座って、お菓子を食べながら二回目を見ているんですよ。
工藤●可愛い~!
山本●「こんなに何度も楽しんでるんだ!」と子どもながらの楽しみ方を見て、ほっこりさせてもらっています。
――サユキは第12話で初登場しましたが、そのときは後半のレギュラーになるとは思わず驚きました。
山本●そう、最初はゲストだと思われていましたよね。怪特隊の話もまだ出ていなかったし。
工藤●私たちはサユキさんが怪特隊の長ということを知っていたから、「言わないんだ!?」とモヤモヤしていました(笑)。
山本●一切言えなかったもんね。
――サユキについて、どのような人物だと捉えていますか?
山本●賢くて頭が切れる、いろいろなすごい兵器やガジェットを発明していますけど、いわゆる堅物ではないところが魅力だと感じました。三人と一緒に現場で動いていくチームになるので、鼻につくデキる女性、みんなからちょっと距離を取っているお姉さんというより、自由に動けるような距離感の人物として役作りをしていこうと。そのほうがみんなもコミュニケーションを取りやすいし、私自身も遊びやすいですから。
――工藤さんはサユキにどういった印象をお持ちですか?
工藤●アユムにとっては尊敬する先生なので、「サユキさんが言ったことは間違いないんだろうな」という絶対的な信頼はありますし、そういう先生に巡り合えるのは羨ましいなと思います。素敵ですよね。
――逆に、山本さんから見たアユムの印象は?
山本●撮影当時に説明していただいたんですが、アユムはもともとサユキの教え子という設定で。サユキからするとその頃のイメージが残っていて、可愛らしく感じているんですが、同時に自分の力になってくれる、一緒に歩んでくれるところもある。綾乃ちゃんの役作りもあると思うんですが、ウタ サユキにはない穏やかさみたいなものを持っていて、衝突することも、こちらが威圧的になることもない、いい関係性になれた気がします。
――たしかに、サユキとアユムは単純な師弟関係に留まらない絶妙なバランスだと思います。
山本●上下関係で縛られていないし、サユキが突拍子もないことをやると、「また先生は」とアユムちゃんもわかってくれているんですよね。
工藤●友達って、こういう関係性なのかなと。
山本●そうだよね! 先生と生徒の距離よりも近い、フラットな関係性で。
――アユムを演じるうえで、怪特隊の入隊前後でなにか変化はありましたか?
工藤●アユムは最初、ただの生き物が好きな、ちょっと抜けているところがある女性でしたが、怪獣と向き合うと決心して以降は徐々にプロフェッショナルになってきて。怪特隊に入ってからはサユキさんも来たし、もっとプロらしい感じでやらなきゃなと意識していました。
山本●アユムがどういう人物で、どんな勉強をしてきたのかが見えるというか。
工藤●そう、ちゃんと職業として怪獣と向き合っていることがわかる後半戦だったのかなと思います。
――ちなみに、役者としてのお互いの印象はいかがですか?
工藤●私、よく覚えているのが、本読みのときに私が出ていたリアリティショー(「韓国ドラマな恋がしたい」)の話をしてくださって……。
山本●うん、覚えてるよ!
工藤●それで気さくにしゃべりかけてくれたんですよ。「見てたよー!」という感じで。
山本●インタビューしちゃったの。「どうだったのー!?」って(笑)。
工藤●そうなんです(笑)。「先輩相手だしちゃんとしないと」と思っていたんですけど、近い距離感でしゃべってくださったことが嬉しかったし、すごくありがたかったですね。
山本●懐かしいねぇ。私がもともとリアリティショーを見るのが大好きなんですが、綾乃ちゃんが出ていた番組はオーディションシーンがあったりして、結構しっかり覚えていたんです。だから、アユム役が綾乃ちゃんだと知って嬉しくなりましたし、「どういう役作りで来るのかな?」と興味津々でした。
工藤●現場でもみんなを明るく引っ張ってくださって、(近藤)頌利くんもだいぶ明るいタイプなんですが、さらに和気藹々とした雰囲気になっていました。太陽が二つになったみたいでしたね。フラットに接してくださるおかげで、みんな「目上の方だから」と気を遣うこともなく、一緒にお弁当を食べたりしていました。
山本●一緒に帰宅もしたよね。
工藤●しました、しました!
山本●みんなが同じシーンで撮影が終わったときに、「じゃあ、みんなで帰ろうか」「車乗りな!」と声をかけたんですよ。プロデューサーやキャスティングの方にも「お命、お預かりしてもよろしいでしょうか」と了解を得たんですが、「大丈夫かな……」と緊張しながら帰っていました(笑)。
工藤●あはははは!
山本●男子チームが面白いテーマを掲げて話しているのを聞きながら、「お子様みたいだね」と二人で言い合って。
工藤●本当に小学生みたいだった(笑)。
山本●ね! ボケ・ツッコミをしていて。
――工藤さんは以前のインタビューで説明台詞が難しいとお話しされていましたが、山本さんが参加して以降は状況が変わったのでは?
工藤●頼り甲斐のあるサユキさんが出てからは、「本当にありがたい!」と思いましたね。
山本●私のほうでちょっとセリフをもらうこともあって。
工藤●そう、すごく助かりました! レギュラーが三人だった頃は孤独に戦っていたので。
山本●あれは一人だとつらいよねぇ~!
工藤●つらいですー!
山本●本当は休憩時間に雑談とかしたかったんですけど、その余裕が生まれないくらい説明のシーンや難しい言葉が出てくるシーンがたくさんあって。
工藤●セリフが抜けちゃうんですよね。
山本●そう。常にどこか緊張感をもって、頭の中をフル回転させているところがありました。綾乃ちゃんはその感覚をわかっているから、お互いに慰め合っていました(笑)。
工藤●「あそこの言葉、わからないです」とか(笑)。
山本●「ねぇ、どうやって覚えてる?」とか、「一人でしゃべるところだから、テンポアップしないと聞いている側はもたないよね」とか、技術的な相談もしていました(笑)。「現場に出ているときは楽しもうね!」と話したりして。
工藤●そうでしたね(笑)。
――山本さんはキサラ女王役で出演した『ウルトラマンギンガS』以来、約11年ぶりのウルトラマンシリーズ参加でしたが、懐かしさを感じたことはありますか?
山本●『ギンガS』とメイクさんが一緒だったんですよ。あのときはドレスを着て、女王の王冠をつけてという感じだったから、「今回は人間のメイクだね」と思い出話をしていました(笑)。あと、『ギンガS』のときは幼かった息子を撮影現場に連れて行って、ウルトラマンに会わせてもらったことがあったんです。今回息子に「仕事場見に来ない?」と声をかけたら、「いや、いい」と断られて(笑)。
工藤●えぇーっ!?
山本●「成長しやがって!」と思いましたね(笑)。自分が出るので久々に(ウルトラマンシリーズの作品を)観ましたが、技術が向上して変わったところもたくさんありますが、逆に変わらないところ、私が子どもだった頃の作品に通じる懐かしさも残っていて。それが現在の人にも楽しんでもらえているというのは、ある種とてもレアな作品なんだなぁと感じました。
――特に印象深いエピソードを教えてください。
山本●私はやっぱり最終話ですね。ネタバレに触れるから詳しくは話せないんですけど、今まで説明シーンが多かった分(笑)、感情的になるシーンがあったことがすごく印象に残っています。
工藤●あのシーンって、台本には別に「涙」とか書いていなかったですよね。
山本●そうだね。
工藤●武居(正能)監督に「泣いてもいいんだよ」と言われて、「おお……」となりましたが、自然と涙が出てきました。
山本●エモーショナルになる最終話だったからね。
工藤●たしかに。私はいっぱいあるんですけど……13話、「アユ姉にバレちゃった!」が好きです。13話を撮ったのはクランクアップの日で、だいぶ感情が高ぶった中での撮影だったので、今までの思い出がフラッシュバックしてきて、全く役作りをしなくてもお芝居できました。それがとても印象的です。
――自然にアユムでいることができたと。
工藤●はい。二人のことを想ったらああいう間になったし、ああいう表情にもなったという。本当に自然にできたお芝居でした。あとはバロッサ星人の回(18話)も好きです! しゃべる怪獣と対面するのが初めてで、バロッサ星人自体も独特な感じだったし、爆発も経験できて「特撮の撮影してるなぁ」と実感できるお話でした。
――最後に、今後のエピソードで注目してほしいポイントをお願いします。
山本●怪獣とどう戦っていくのか、どう事件を解決していくのか以外にも、怪特隊のメンバーがそれぞれ少しずつ成長していって、団結力が増していくところが見どころなのかなと。最終話もそういう姿を描いてきたからこその展開になっていて、エモーショナルな部分もたっぷりあるので、子どもに限らず、大人の方にもぜひ楽しんでいただきたいです。
工藤●怪特隊が結成されてからは、前半に引き続きクスっと笑えるような部分もありつつ、スピード感のある物語になっていったと思います。終盤は「ウルトラマンとはなんなのか」「地球っていいところなんだよ」という、壮大なテーマがきっと感じてもらえるはずなので、ぜひ毎話楽しみにしてください!
工藤 綾乃
くどう・あやの
1996年5月28日生まれ。宮崎県出身。オスカープロモーション所属。2009年開催の「第12回 全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリ、モデル部門賞をW受賞して芸能界デビュー。翌2010年公開の映画『劇場版 怪談レストラン』で初主演を務め、以降も映画・ドラマを中心に活躍する。主な出演作に『鈴木先生』、『HiGH&LOW』シリーズ、『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』など。
X(旧Twitter)■@ayano_kudo05
Instagram■@ayano_kudo_official
山本未來
やまもと・みらい
11月4日生まれ。東京都出身。テアトル・ド・ポッシュ所属。約36,000人のオーディションを勝ち抜き、1992年公開の映画『喜多郎の十五少女漂流記』で女優デビュー。国際派女優として数々の作品に出演するほか、2020年からは父・山本寛斎の遺志を継いでファッションプロデューサーとしても活躍。2014年放送の『ウルトラマンギンガS』では、キサラ女王を好演した。主な出演作に『WHO AM I?』、『花影』、『恋は闇』など。
Instagram■@miraiyamamoto_official
『ウルトラマンオメガ』毎週土曜日午前9:00~テレ東系ほかにて放送中!

『ウルトラマンオメガ』は14言語対応(予定)で全世界同時放送&配信中! 物語はいよいよクライマックスへ。オメガの行く末を見逃すな!
ウルトラマンオメガ
[キャスト]近藤頌利●吉田晴登●工藤綾乃●山本未來 ほか
[スタッフ]メイン監督:武居正能●シリーズ構成:根元歳三、足木淳一郎●製作:円谷プロダクション、テレビ東京、電通
「宇宙船 vol.191」に『ウルトラマンオメガ』情報&インタビュー掲載!
12月27日(土)発売の「宇宙船 vol.191」には『ウルトラマンオメガ』情報と、近藤頌利、吉田晴登、工藤綾乃の座談会を掲載! メインキャスト3人が賑やかに作品を語っている。こちらも見逃せない!
©円谷プロ ©ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京

















